経済・政治・国際

2017年3月 6日 (月)

PSA、2650億円で独オペル買収 GMは欧州撤退

フランスの自動車大手グループPSA(旧プジョーシトロエングループ)は3月6日、米ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州子会社、独オペルを買収すると発表した。GMは欧州から事実上撤退し、世界販売台数は独フォルクスワーゲン(VW)、トヨタ自動車に次ぐ3位から、日産自動車・仏ルノー・三菱自動車連合に抜かれ4位に落ちる見通しだ。英国の欧州連合(EU)離脱決定以降、大型企業の初の撤退案件となる。
買収総額は22億ユーロ(約2650億円)。内訳はオペルの英国ブランド「ボクソール」を含む本体が13億ユーロ、GMの欧州金融事業が9億ユーロ。金融事業はBNPパリバと共同で取得する。買収でPSAの売上高は700億ユーロを超える。年間販売は430万台になり、欧州ではVWに次ぐ2位に浮上。オペルブランドを存続させ、「DS」「プジョー」「シトロエン」に続く4番目のブランドに位置づける。オペルは赤字続きだったが、規模拡大で相乗効果を引き出せると判断した。共同調達や車体共通化、生産、研究開発での協力を通じて年17億ユーロのコスト削減を見込む。当面はオペルの工場閉鎖や人員削減はしない方針。2020年までに営業利益率を2%、フリーキャッシュフローを黒字にし、オペルを再建すると表明した。欧州で足場を固め、中東やアジアでシェア拡大に注力する。パリのPSA本社で記者会見したカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は「PSAのノウハウでオペルを再生させる」と強調。GMのメアリー・バーラCEOは「難しい決断だったが、GMには良い選択になると確信している」と語った。(日本経済新聞:3月6日)


欧州の自動車メーカについて考える。


Opelが欧州GMになったのは1929年である。ドイツの民族資本の自動車メーカというには、米国資本の下である期間が長い。英国GMであるVauxhalがGM傘下になったのは1925年で、Opelよりさらに古い。欧州市場が国ごとに独立した市場であった時代には、ドイツと英国の市場は別のものであったのだろうが、EUが議論されるようになった時代には、国境の概念がこの地域においては薄くなってしまった。ドイツとフランスと英国の違いなど、自動車会社にとっては無いに等しいものなのだろう。
欧州GMとグループPSAの販売台数推移を確認する。下に結果を示す。

■  欧州GM (Opel/Vauxhal) とグループPSAの販売台数推移
   年     Opel/Vauxhall   PSA
  2016     984,769    1,467,414
  2015     934,368    1,470,713
  2014     880,974    1,475,332
  2013     823,902    1,447,532
  2012     835,855    1,587,597
  2011     996,566    1,801,245
  2010    1,006,683    1,907,600
  2009    1,053,306    1,876,968
  2008    1,135,535    1,848,396
  2007    1,323,698    2,029,121
  2006    1,322,316    2,021,000
  2005    1,423,665    2,119,629
  2004    1,454,346    2,178,989
  2003    1,346,836    2,120,040
  2002    1,386,364    2,185,189
  2001    1,551,912    2,152,245
  2000    1,537,067    1,940,880


米国GMの2009年のチャプター11の申請で、欧州GMの整理対象になった。身を軽くするのは企業再生の最初の一歩であるが、GMはOpelの将来性に価値があると判断し、自力再建に急転舵を切った。その前から販売台数の不振が認められるが、Opelの規模というのは、100万台というのが実際的なレベルと考えた方が良さそうだ。2000年の150万台は大き過ぎるように見える。整理もされたのだろうが、欧州市場に元気がないという事情も影響していよう。
一方PSAはというと、もともと欧州市場への依存度が高いメーカであり、加えて、フランス、イタリア、スペインが欧州市場での販売台数の半数という偏りが大きい。その昔は、アフリカ市場で一定の量を確保してきたが、現在ではそうでもないのだろう。PSAの決算資料から、グループの販売台数の地域割合を下に示す。

■ PSAの販売台数地域セグメント分布
                     2015      2016
  Europe               63%       61%
  China - South East Asia    25%       20%
  Middle East - Africa        6%       12%
  Latin America            5%        6%
  India - Pacific           1%        1%
  Eurasia                0%        0%

欧州が六割である。2014年に中国の東風汽車と資本提携を締結したことで、中国の割合が増加している。これ以外の地域の台数は限定的になっている。フランスの国内市場だけ見ていた企業が、EUになって域内の競争力がありそうな地域に販売を広げたが、国際競争とEU域内の景気の悪さもあって、成長が期待できる中国に進出することを考えて合弁会社をつくったという話である。2012年にGMと資本提携をしていて、GMの欧州撤退により、販売の弱いドイツ市場を押さえることに期待しているということのようだ。
売上高の推移を確認する。Opelは米ドルで、PSAはユーロである。結果を下に示す。

■ 売上高推移 (単位:million)
  年    Opel/Vauxhall (US$)    PSA (€)
  2016     18,707             54,030
  2015     18,704           54,676
  2014     22,235           51,592
  2013     20,110           53,079
  2012     20,689           55,446
  2011     25,154           58,509


為替の問題が生じてしまう。1ドルが1~1.5ユーロ程度は変わってしまうから、判断に苦しむが、Opelが半分くらいの売上と思って大きくは外れないようだ。(当たってもいない)
今回の買収で、Opelの本体価格が13億ユーロというのは、お買い得な気もするが、引き取り手のない会社である。高いという見方も成立するだろう。Opelがドイツ、英国以外での販売経験がないこと、PSAのモデルとサイズ・価格帯が重なることは、Opelの再生に効果的である可能性があるが、PSAモデルの足を引っ張るだけに終わる可能性もある。事業譲渡は判断が難しい。


規模の論理ですべての説明が出来るほど単純ではない。

2017年2月24日 (金)

麻生氏「何を調子いいこと言ってんだか」 民進は抗議

麻生太郎財務相が2月23日の衆院予算委員会で、民進党議員の質問に「何を調子のいいことを言ってんだか」と発言したことに対し、民進が24日の同委員会の理事会で与党側に抗議した。民進の長妻昭氏が明らかにした。長妻氏によると、浜田靖一委員長は「注意すべきものは注意する」と述べたという。
麻生氏は23日の質疑で、学校法人「森友学園」への国有地売却問題で価格を値引きする根拠となった地下のごみを同学園が実際に撤去したかどうかを国として調査すべきだと質問した民進の玉木雄一郎氏に向けて発言した。24日の理事会で、民進は麻生氏の発言のほか、日本維新の会の足立康史氏が23日の審議で「民進党の議論は本当にひどいレッテル貼りと揚げ足取りが多い」などと一方的に批判したことについて「暴言に近い発言だ」と抗議し、両氏を注意するよう浜田氏に求めた。(朝日新聞:2月24日)


麻生太郎の発言について考える。


「何を調子のいいことを言ってんだか」の意図するところは、セメント会社出身の麻生太郎大臣なら、という趣旨のヘッダーを付けたことへのコメントと理解するのが良かろう。麻生の父親は麻生太賀吉で、その父親は九州の石炭王の麻生太吉である。九州の財閥ということだ。太郎の母親の和子は、吉田茂の娘である。つまり、麻生太郎は吉田茂の孫ということになる。太郎の父親も母親もカトリックの信者であり、太郎もカトリックである。ちなみに、妹は寛仁親王妃になっている。皇室はカトリックの信者を嫁に迎えたということだ。これが問題だとは思わないが、当時、大きな騒ぎにならなかったのは、皇位継承順位が低いことによるのだろうか。
脱線した。毎度のことではあるが、そもそも脱線しないというレールなど存在しないのである。民進の玉木が質問したのは、件の学校法人に関連した国会議員の鴻池は、麻生派の会長代行であることが関係する。つまり、口利き疑惑の目が向けられている国会議員が所属する派閥は、国家の財産を管理する財務大臣の派閥であるということである。麻生も関わっていませんかとは訊けないから、国家の財産管理の在り方として、財務省の立場を問うたという話に過ぎない。
暴言ではあるが、育ち・家柄が良いこと (のみ)をアイデンティティとして、露悪的な振る舞いをすることで、庶民の気持ちもわかると主張するのが麻生の手法である。前者の価値の有無は横に置くとして、庶民の気持ちなど分かりはしないし、そもそも、庶民と見下すことろに、この輩のいけ好かない性格がにじみ出ている。本人がそう話した訳ではないので、そうではないかと想像するという話である。

現在の政権の問題点は、自由であることを重視した新自由主義的な主張と、経済重視の路線は理解するにしても、(妥当か否かには触れない) これで利益を受ける者が、特定の集団に偏っている疑いがあるという点にある。これは、自由を最大化しているふりをして、平等を蔑ろにしているということである。民進党は、平等を重視した政策を主張し、不公正な取引について正すのがよかろうと思う。自民も民進も方向性が定まっている集団ではない。党の方針がなどと議論すれば、いずれの党でも発散する。しかし、現在政権にある自民党なら、政権政党の役割として、という錦の御旗を掲げて、小異を捨てて大同につくなどとほざくことが可能だ。しかし、民進にはこのセリフが吐けない。
森友学園の理事長も、鴻池も麻生も安倍も、職業右翼である。保守思想を政治や経済活動に活用しているだけである。真の右翼であれば、幼稚園の教育勅語のような、雑な扱いは決してしない。真に価値があると考えている行動ではない。それを褒めた稲田も同類である。上で政治と書いたが、政治思想の実現ではない。自身の属している集団の経済的な利益の拡大というのが政治である。だから、職業右翼なのである。右翼の看板を外して眺めてみれば、自分の利益の奔走する守銭奴にしか映らない。稲田がハワイで戦死した飯田房太中佐の記念碑を訪れた服装に思想の欠片もなかった。右翼幼稚園を表彰するのも、思想的なものではなく、右翼である証を気軽に示せることと、金になることに過ぎない。
稲田以外の上記政治家も同様である。理事長は、金儲けの手段として右翼を名乗っているだけである。そもそも何を言っているのか分からない。

麻生の発言は、その程度のオツムの御仁であるのは承知しているから、無駄口叩かず訊かれたことに答えなさいで良い。だいたい、人の話を聞けないのがこの手の連中の特徴であるから、聞かれていないことには答えても、訊かれたことには答えないというのが常ではある。


門地により、人の価値は決定する。麻生太郎 談 = フィクションです。

2017年2月17日 (金)

参院議長の不規則発言、野党が批判

民進党の蓮舫代表は2月16日の記者会見で、伊達忠一参院議長が本会議場で新幹線網の拡充を求めた自民党の質問者に「北海道新幹線が入っていない」と発言したことに関し「議長に緊張感がないと明確に言いたい」と批判した。共産党の志位和夫委員長も「許されない行為だというのは論をまたない」と非難した。
伊達氏は北海道選挙区選出。15日の本会議で自民党の西田昌司氏が「山陰や四国など全国津々浦々まで新幹線ネットワークを広げるべきだ」と求めた直後、議長席から不規則発言をした。(日本経済新聞:2月16日)


伊達忠一について考える。


伊達忠一は北海道選挙区選出の参議院議員である。北海道議会議員を四期務めて、参議院議員三期目である。出身は、北海道の上士幌町とも芦別市とも言われる。高校が芦別高校であるから、芦別市にしていると思っていたが、上士幌町と芦別市は直線で80キロメートル離れていた。政治家は出身地を明らかにして、その地域での得票数を増やすという行動を取るようだ。1939年1月生まれで、1963年4月から札幌医科大学付属病院検査部で臨床検査技師をしていたという。北海道立衛生検査技師養成所を卒業したということだが、臨床検査技師の受験資格には3年の専門教育を求めているから、札幌医科大学付属病院に勤務を始めたのが24歳のときとなる。しかし、1965年9月に札幌臨床検査センター株式会社を設立したという。2年半の勤務期間で会社を設立したということのようだ。この会社は現在でも存在している。売上高の推移を下に示す。

■ 札幌臨床検査センター売上高推移 (単位:百万円)
   年     調剤薬局  臨床検査  医療機器   その他
  2012      9,393     5,926     1,956      59
  2013      9,586     5,059     1,091      76
  2014     10,106     5,185     1,119      138
  2015     10,587     5,289     1,199      89
  2016     11,007     5,429     1,022      86


地元では有力な企業なのだろう。取締役も確認した。

■ 札幌臨床検査センター取締役抜粋
  代表取締役会長    伊達忠一   1939年1月20日
  代表取締役社長    大井典雄   1950年5月16日
  取締役副社長      伊達忠應    1972年7月24日


伊達忠一は、副大臣になったときは取締役を外れ、株式も管理に移しているが、それが済むと代表権のあるポストに戻る習慣があるようだ。許されている行為なのだろうが、この企業の代表権と言うのは、国会議員のついでに行える仕事なのか、あるいは、国会議員というのが、ついでにする仕事ということなのだろうか。副社長の忠應は忠一の長男であるようだ。父親の創業した会社を継ぐというのはよくある図式である。忠應は1998年4月三菱化学ビーシーエル入社し、2000年12月退社して現在の会社の取締役になっている。北海道議会議員にも2003年4月に当選しているが、2005年10月31日に暴行事件で逮捕されたことを理由に辞職している。2007年4月の道議選に立候補し当選しているが、2006年10月に酒気帯び運転で検挙されていたことが分かり、2007年7月7日に辞職を発表している。この当時は父親の公設秘書であったそうだ。楽しい息子である。奥羽大学歯学部に進学したが中退し、アメリカに留学しカリフォルニアアカデミー修了というのが息子の学歴である。就職した会社は、父親が創業した会社の取引先であるから、少しの間面倒を見て貰うという話に読める。古き良き時代のバカ息子の経歴ロンダリングが今でも生きている。

出来が悪い息子でも、大事な息子であるのは、どこの親も一緒である。可愛がる気持ちは分かる。ただし、出来が悪いことが分かっているなら議員にさせる気持ちが分からない。社会の迷惑になる。企業の取締役なら、他の取締役もいるだろうし、取引先も注意を払う。バカ息子が取締役の会社であることは、公知であるのだから就職した社員にもリクスを認識できた筈だという論理は成立する。しかし、議員にするのは問題である。選挙という手続きで選ばれた人は、簡単に辞めさせる訳にはいかない。そもそもそんな輩を当選させるな、地域の有権者の不見識に過ぎない、という論理は当然であるが、それらを横にするほど、大きな既得権益をその地方で有している国会議員であり、企業の代表なのである。息子の始末くらし、しっかりして貰いたいものである。
と、こんな息子を持つ父親は、何の因果か参議院で議長になった。当然、利益誘導が最大の責任というか、集票能力のある事項であるから、偉くなったと発言することになる。あろうことか、これを議長席から発信したということだ。まあ、議長の役割も認識していないのだろう。こんな役はやりたくなかったのかもしれない。お見舞い申し上げます。


北海道に新幹線を走らせると、何があるのかを個人として示せば良かろう。

2017年2月14日 (火)

ニコンの17年3月期、最終赤字90億円に拡大 デジカメ不振

ニコンは2月13日、2017年3月期の連結最終損益が90億円の赤字(前期は182億円の黒字)になる見通しだと発表した。従来予想から赤字が30億円拡大する。市場の縮小でデジタルカメラの販売が計画を下回る。新商品の発売中止に伴う棚卸し評価損などの計上で構造改革費用も膨らむ。
「短い間にも市場は厳しさを増している」。同日開いた決算説明会で牛田一雄社長はカメラなどの市場環境について、こう語った。売上高は前期比8%減の7500億円、営業利益は39%増の440億円を見込む。それぞれ従来予想から500億円、50億円下方修正した。主因はカメラ関連事業の想定以上の減速だ。スマートフォン(スマホ)などの普及でカメラ市場は急速に縮小している。今期のカメラの販売台数はレンズ交換式で23%減の310万台、コンパクト型では49%減の315万台となる見通し。従来予想からそれぞれ15万台、30万台引き下げた。加えて、昨秋発売した、全方位の映像などの撮影ができる「アクションカメラ」が振るわない。スマホなどの機器との接続性で顧客からの評価が低く、販売が想定の半分になる見通しという。(日本経済新聞:2月13日)


ニコンについて考える。


最近ニコンがニュースに取り上げられた事例として、高級コンパクトカメラDLシリーズの発売の中止を決めたこと、希望退職者を募集した結果、1000人の予定に1143人が応じたことがある。前者は前にも発売延期をしているから、この製品の市場がそう大きくはないこと考慮すれば、経営判断として必然ではある。問題なのは、社内事情に明るい社員が辞めた方が良いと判断して、予定数より多いということである。ニコンのセグメント売上高と利益の推移を確認する。結果を下に示す。

■ ニコン3月期決算セグメント売上高推移 (単位:百万円)
   年      精機      映像   インストルメンツ メディカル
  2017予   248,000    380,000    76,000     19,000
  2016    182,416    520,484    77,242     18,311
  2015    170,757    586,019    72,381      ―
  2014    205,946    686,005    65,609      ―
  2013    179,962    752,034    54,978      ―
  2012    249,001    588,477    57,637      ―
  2011    209,362    597,426    59,253      ―
  2010    150,823    569,988    46,025      ―
  2009    221,375    597,413    46,415      ―
  2008    291,891    588,110    61,240      ―
  2007    292,562    449,790    61,170      ―

■ ニコン3月期決算セグメント利益推移 (単位:百万円)
   年      精機     映像   インストルメンツ メディカル
  2017予   48,000    25,000     1,000     -6,000
  2016     14,607    45,751     2,819     -4,675
  2015     8,355    56,698     1,199      ―
  2014    20,079    64,284    -2,156      ―
  2013    13,090    60,711    -4,977      ―
  2012    42,723    53,971    -3,166      ―
  2011     2,711    52,331    -5,247      ―
  2010    -58,557    52,116    -9,330      ―
  2009     8,041    40,039    -2,723      ―
  2008    43,348    83,973     4,081      ―
  2007    49,320    45,678     5,122      ―


2017年3月期予想は、映像を除いて前年と同等か良くなっている。液晶パネルや半導体の製造装置事業は、映像事業に比べて利益を出しそうだから、明るい未来が描けるのかなと思ったが、それは過去の知識による判断ということのようだ。台数が限定される市場特性であり、標準品とされれば安定受注が見込め利益も大きくなるが、その逆になると市場を失うというものである。過去にニコンが露光装置市場で優勢だった記憶が刷り込まれているので、現在もそして未来もそうなのだろうと思ってしまう。これはある種の思考停止スイッチと言える。ニコンが決算資料で公表している市場規模を下に引用する。


■ ニコン決算説明資料より市場規模見通し
                                 2016年    2017年    2017年
                                 実績    Q2時⾒通し Q3時⾒通し
半導体露光装置販売台数(新品/中古、台)
                     市場規模       220       210       210
                     ニコン        14/21     26/16     24/10
FPD露光装置販売台数(台)
                     市場規模       80       120       128
                     ニコン         46        92        92

レンズ交換式デジタルカメラ(万台)
                     市場規模      1,304     1,200      1,150
                     ニコン         404       325       310
交換レンズ(万本)
                     市場規模      2,134     2,000      2,000
                     ニコン         590       475       460
コンパクトデジタルカメラ(万台)
                     市場規模      2,079     1,350      1,300
                     ニコン         623       345       315


露光装置の受注見込みを製造している会社が公表しているのだから、この先期待できないということは確かな話である。半導体系の技術情報誌にもニコンの劣勢が記事になっている。それではと、映像事業のカメラ関係の市場見込みを確認すると、芳しい数字が示されていない。デジタルカメラの現状は、最新のスマートフォンに付いたカメラとの性能差を示し難くなっている。スマートフォンが苦手なのは暗い被写体であろうが、これとて昔ほど画像の乱れが大きくない。固定レンズと高い処理能力のプロセッサの組み合わせは、ソフトウェアによる画像補正を強力に行うことが可能となる。光学的な映像を結ぶという従来技術に対するアドバンテージである。レンズ交換型ではレンズ特性が決まっていないから、最適化が十分に行き届かないだろう。光学ズーム機能も、補正するには不利な要件になるのだろう。つまり、市場は縮小方向で、ニコンは更に競争力を落としている。
高級コンパクトカメラDLシリーズは、レンズ交換式の一眼レフとの部品共通化を達成する前に企画されたのだろう。画像処理用ICの不具合が延期の原因で、その後、問題が深刻化して市場規模と合わせると、商品性に乏しいと判断されて中止に至っている。このICはそのままではないにしても他のモデルで使用されることだろうが、大幅な見直しが成されていることからすると、すべて見直し対象になるのかもしれない。2016年4月に発売予定であったCOOLPIXシリーズが、最大で10月まで販売延期になった例があるから、ニコンのデジタルカメラ部門の開発のリソースは少々心許ない状況であるように見える。加えて、今回の希望退職者の数からすると、更に影響が出るかもしれない。
ニコンのカメラ部門は、組織の大幅な見直しと、製品ラインナップの整理縮小が求められる状況なのだろう。しかし、決算資料などでは成長産業に位置付けられるメディカル関係も思ったような数字を出していない。暫くは厳しいと見て良かろう。


日本のデジタルカメラ会社はもう一段減るのかもしれない。

2017年2月 9日 (木)

ハンドルない車も公道走行 国交省、自動運転車の実験推進へ

国土交通省は2月9日、ハンドルやブレーキペダルがない自動運転車が公道を走行できるよう道路運送車両法に基づく保安基準を改正した。年内にも速度制限や緊急停止ボタンなど使用者に求める安全対策の具体的な内容を詰め、実証実験を促す。
保安基準を満たさない車両が公道を走る場合、使用者が安全対策をとった上で地方運輸局長に届け出て、認可を得る必要がある。国交省はハンドルやブレーキペダル、アクセルがない自動運転車が公道を走る場合について、認可制を適用できるよう基準を改正。地方運輸局長が使用者の安全確保が十分と認めた場合は公道を走行できるようにした。今後、走行速度、走行ルートの距離や通行量など安全条件の詳細を詰める。自動運転車の実証実験では、昨年11月に国家戦略特区の秋田県仙北市と内閣府が共同でハンドルや運転席がない自動運転車を公道で走らせた。国交省によると、この実験時にはルートを限定した上、道路に他の車両や人が一切入らないようにした。同省は基準改正で、道路に人や車両が行き交う中で自動運転車の実証実験を促したい考えだ。(日本経済新聞:2月9日)


自動運転について考える。


自動運転をしたいのなら、ハンドルやブレーキペダルがない自動車ではなく、普通の形状の自動車に自動運転機能を付加したモデルを用意した方が良い。動かなくなったときの扱いが悪い。自動運転に特化したモデルの方が、汎用性を持たせる為の機能との整合性で、開発に負担が大きいとは想像されるが、路上に走っている自動運転車が例外的な存在である期間は、整合性を求めるよりない。整合性など求めても、技術革新を阻害するだけだという判断もあろう。それなら、自動運転車専用道路を設定するよりない。この方が実際的だと思う。

まあ、ハンドルやブレーキが無くてもよい。これに拘る理由はそれほどない。ただ、自動車メーカがこれみよがしに最先端を主張するのが不愉快なだけだ。自動運転を自動車側に求めているが、自動車運転ロボットに通常の自動車を運転させるという方法だってある。運転席にはダミー人形が座っているだけであっても、外部の人からすれば安心感がある。安全という観点では、本当は同じなのだろうが、人間が感じる安心の部分で差が大きい。
自動運転車の社会実験なら、交通の不便な過疎地域で行えば良い。つまり、タクシーの替りに利用するのである。走るルートは指定した道路のみで、自動運転中は外部から分かるように表示する。現実的な方法としては、青色の回転灯を屋根の上に付けるなどすれば良い。運転席にロボット風の人形を置き、音声認識機能でお客と会話すれば良かろう。当然、通信機能があって有事の際には管理本部に繋がるようにしておけば良い。タクシー事業が成立しないような地域であれば、既得権者との調整も必要でない。病院や役所を中心に設定し、地域の多くを走行可能道路に指定すれば良い。特区にするだろうから、道路での監視カメラの設置も許可し、走行時の録画データの使用を管理者に許可することにすれば技術の進展に効果がある。
自動車会社のダメなところは、都市部での利用をアピールし、高速走行も問題がないと主張することである。都市部でフェラーリを運転するのを自動化するイメージであるが、現在必要とする優先度の高い集団は、田舎暮らしの軽トラックを日常の足とする人達である。この人達は、時速40km程度しか出さないかもしれないが、段差を乗り越えたり、狭い角を曲がったりする。勾配のきつい坂も得意種目である。標識は少ないし、街頭も限られる。動物の飛び出しがたびたびある。簡単な問題を難しい問題のようにアピールしている。
自動走行で解決が難しいのは、自宅の駐車スペースに止めることだったりする。個別の特殊性があるから、自宅の個人データの設定をすることで解決出来ても、友人宅では使えないということも発生する。こんな難しいステージに挑戦するのではなく、駐車するのは適当なプールにすることとすれば良い。利用者を路上で乗り降りするのは、停車であるから、これはクリアー出来るだろう。
田舎の道で限定的に実施するのは、利用者にも利益がある。行先にスーパーを設定しても良い。実質村営のバスだから、一人100円/回程度にして、足らない部分は自動車会社の開発費で数年はまかなうことにする。その地域に駐在する技術者が必要だろう。これはどの地域でも同じである。かっこいい仕事ばかりしたがっていては、技術開発など出来ようもない。


特区を作り十台くらい走らせれば、一年で得ることも多くあろう。

2017年1月30日 (月)

「初乗り410円」きょうから 都心部のタクシー

東京都心部(23区と武蔵野市、三鷹市)のタクシーの初乗り運賃が1月30日から、「約1キロ410円」となる。現行の「2キロ730円」から大きく変わり、短距離の利用は値下げ、長距離は値上げとなる。
今回の運賃変更は、初乗り(1.052キロ)運賃を380円から410円まで、10円刻みの4種類から業者が選ぶ仕組みで、ほぼ全業者が410円を選択した。全国の都市部では最安値だ。初乗りの距離を超えると、走行237メートルごとに80円が加算され、時速10キロ以下のときは90秒ごとに80円かかる。計算上は、2キロ弱まではこれまでより安く、6.5キロ以上になると割高になる。2キロ弱~6.5キロは、ほぼ変わらない。30日午前0時以降に仕事を始める車両が新運賃の対象となる。料金メーターの設定変更が必要となるため、29日から継続的に営業している一部のタクシーは、30日も旧料金で営業することになるという。(朝日新聞:1月30日)


タクシー料金について考える。


都市部で、短い距離の利用を推進するように、料金の値下げを行ったというものである。田舎の老人の利用とかは無関係だし、値下げ競争の激化で問題になった京都などの例とも異なる話である。初乗りが安くなって利用する人が増える可能性はあるが、どの程度あるのだろうか。
今回、料金の見直し対象になった地域は、タクシー台数が全国に比べて減少している地域である。タクシー乗務員の待遇が悪い状況を改善するには、台数の制限を行うというのが、一つの方法なのであるが、規制緩和による競争原理の導入が料金を下げ、サービスを向上させるエンジンであると信じて、行政が監督するのは安全面などに限定するというのが近年の流れである。行政には価格を下げるには競争原理か、価格指定かのいずれかしかないと信じる集団であるから、後者が採用できなければ前者になるということになる。

役所が市場価格を安く誘導する必要はなく、売上高が増えて税金が増えるのならば、価格設定に関しては無関係であった。ただし、過当競争が安全性に影響する場合も懸念されるというお題目を掲げて、同業各社の談合を表面上隠した形で調整の指揮していた時代があった。今にしても思えば幸せな時代である。関税で守られた国から、開国するように諸外国、といっても米国なのであるがここには逆らえないから、関税の見直し、サービスに関する行政の支配の排除、という自由競争が加速した。マスコミは価格が安くなるとはやし立てたが、自由競争の導入だけで完成する筈もない。価格競争が労働環境の悪化に繋がり、結果は安全軽視による事故の誘発となるだけだ。別の事例に、銀行や損害保険業界がある。大蔵省監督下で仕事をしていたものが、外資の参入が容易になり競争市場になったように表面上はなっている。しかし、金融庁の免許業務として監督する必要性は高くある。それが理由ではないのだろうが、サービスの価格設定に調整を行うことは官製談合になるからしないにしても、実態はそれ以前の状態と変わらない。ATMの引き出し手数料がどこも同じ理由をどう説明しよう。損害保険には外資が多く参入したが、民族資本との関係を持たないと国内市場へのアクセスが悪いという状況もある。これと同時に、この国で市場の縮小が始まり、景気の低迷が続く状況では活躍する場所も見出せない。

東京でタクシー業務を行う労働環境が改善したかというと、良くない状況が続いている。価格競争が過剰になった京都の例に比べれば常識的なレベルであろうが、タクシー台数はもう一息減らす必要があるだろう。一方で、地方ではタクシーがなかったり、予約しなければならないという利便性の低さがある。これこそ自動運転を導入した方が良いところである。短い距離を利用するようになって、駅前にタクシーが溢れている状況が改善しなければ、売上は減少することになる。恐らく、横ばいにとどまると思うが、何もしない訳にもいかない事情に同情しなければならないということかもしれない。


得する人が見えてこない。

2017年1月27日 (金)

改ざんに計上ミス…揺らぐ政府統計

政府の統計が揺れている。経済産業省の繊維流通統計では改ざん、国土交通省の建築着工統計では計上ミスが相次いで発覚。政府内で統計の司令塔的な役割を担う総務省の統計委員会は1月27日、これらの事態を重くみて、両省が報告した原因と再発防止策を検証した。浮かび上がるのは各省で統計に基礎的な知識を持つ人材の不足と統計軽視の姿勢だ。
「はっきり言って捏造ですよ。犯罪に限りなく近い」。統計委員会の西村清彦委員長は怒りをあらわにした。出席した有識者からは「政府一丸となって統計改善に取り組む矢先の問題」「公的統計全体の信頼を揺るがす」などと危惧する声が相次いだ。「信頼性を損ないかねない、心からわびる」。経産省の糟谷敏秀製造産業局長が事態を報告して謝罪。統計法の研修、チェック機能の強化といった再発防止策を説明した。「局長が出るのは極めて異例。それだけ事態が重大ということだ」(統計委員会幹部)。会議は予定の終了時刻より30分長引いた。
事態は調査票の電子化などを請け負っていた業者が昨年11月に経産省を訪れ、集計結果と公表結果が違うと指摘して発覚した。調査対象は約730社としているが、うち315社は指定された名簿に載っていない業者を形式的に追加。実際に回答が得られたのは257社しかなかったため、担当者が過去の回答を流用して回答数を水増し。さらに6年間かけて水増しした分を徐々に減らそうとした。改ざんは12年からなされていたことが確認されたが、それ以前のデータは既に破棄され、改ざんの有無も把握できなかった。(日本経済新聞:1月27日)


政府統計について考える。


このブログの用いている数字の多くは、国がまとめて公表している数字によっている。企業の決算資料からの引用も多いが、適当な数字が無い場合には、民間の調査会社が発表している数字を継続的に引用してまとめているものもある。最後のは著作権上の問題があるかもしれないが、一般向けに公表しているものであるから良しとしている。国の発表している数字のありがたさは、通常の使用で著作権上の問題が生じないことにある。出典を明らかにする必要があるが、出典も記載しないで書くこともあるまい。
さて、政府の統計で改ざんがあったという話である。利用者の立場からすれば、間違えている数字なら、発表しない方がましということである。これ以外の結論はない。そして、国の政策を決定する、あるいは、過去の政策の有効性を検証する、客観的な数字である統計が恣意的に作られたのであれば、何をかいわんや、ということである。

今回の記事で、経産省の内部の調査によると、報告書では一連の処理が課長まで了解を得た上での組織ぐるみの対応であることが明らかになったという。組織ぐるみで不正をされるというのは、外部からすると分からない。内部調査が行われたのは、内部通報があったからだろう。こんなことではいけないと思ったのか、上司が気に入らないと感じたのか、動機はさて置くとして、行動した者には敬意を払うこととしよう。これらの統計が直接的に影響する部分は小さいだろうが、間接的な影響としては、GDP算出の基礎に用いられる数字にもなるから、金融市場への影響はないとは言えない。そして、金融市場というのは何かの切っ掛けで大きく動くものだから、とても大きく相場を上下する因子にもなる。それは間接的なもので、他の要素でも起こり得るという論理は、正しい仕事をしていることを前提にした上で主張できる論理である。仕事をしていると思っている善意の三者には、はた迷惑な行為によって損害が出たと言われても仕方ない。これを法廷に持ち込んでも弁済する判決は下りないだろうが、それで許される話にはならない。

結局、大きな変化のない産業の調査は、手間が掛る割に統計全体に影響しないからということが動機になるのだろう。繊維産業が大きな産業であったというのは、オイルショックより前の話である。ここ四半世紀についていえば、衰退傾向だが、企業の統廃合も進み、設備の圧縮も一定程度達成されたから、変化が乏しいという事情なのだろう。
建設関係も、公共事業投資が抑えられて長く、正しく調査した数字と、昨年の数字を見做しで使った場合とで、差が統計に表れないような状況もあったのだろう。この変化の少なさを正しく認識すれば、東日本大震災の復興や東京五輪向けの事業投資が、世の中の景気を引き上げるには力強さに欠けるという判断に至る筈なのに、由緒正しき和歌山の土建屋政治家の発言に見られるように、半世紀前の頭で、国土強靭化計画の実行が景気を良くすると信じている。国土強靭化を政治信条とするのは否定しないが、景気に貢献するのは否定する。景気回復に貢献し掛ければ、十年間の投資計画として公表するような行動が求められる。自分の息子に先行きのくらい仕事をさせたくないという親の気持ちをくむが良い。

国交省の場合には、公式には外部からの指摘としている。外部は日本銀行なのだが、実際は内部が関係しているだろう。内部といっても、外部に依頼する部分が多いし、これとて予算が削減されている。つまり、安い金額で大きな仕事をしなければならず、役所の内部で評価が低い統計職員が、志だけで仕事を正しく進められないということである。
これは、この国の抱える問題として、結構本質をついているのではないだろうか。


統計調査結果だけは信じるに足りるものにして下さい。

2017年1月26日 (木)

自民・石破氏、天皇退位「全議員が意見すべき」

自民党の石破茂前地方創生相は1月26日、天皇陛下の退位に向けた法整備を巡る党内論議に疑問を呈した。役員会のメンバーで議論することについて「一部の人間がクローズでやることが『静かな議論』ではない」と批判した。所属議員が政府の有識者会議の論点整理への意見を1月末まで書面で執行部に提出できることに関しては「全議員が出すべきだ」と語った。(日本経済新聞:1月26日)


国会の議論のあり方について考える。


国会での党派が党議拘束を掛けるのに疑問を持っている。日本の選挙制度では、党で指名されて当選する議員が存在するから、党の方針に従うのが当然のこととして求められる。ある程度、それで仕方ないとも思うのだが、その状況であっても、予算関係の審議を除いては、議員ひとりひとりの判断に任せて良いと主張している。国会議員は国民の代表であって、政党は国民の代表ではないからという、単純な原理主義に因っている。まあ、少数意見であろう。
天皇制のありかたについて、国会審議をするのに、党議拘束する必要もなかろう。議員が個人として判断すれば良い。議員の思想良心の自由は認められているし、政党といっても、政治信条が一致している集団でもあるまい。逆に、完全な一致がある政党には恐ろしさを覚える。完全ではなくても、類似している程度が高くなれば、結構怖いと言えよう。
国会議員が自分自身で判断できないと嘆く声もあろう。それはそれで良い。分からないことを明らかにすれば良い。国民が投票して選ばれた代表が、この程度であるということは、即ち国民もその程度であることを示している。国会議員の勉強不足を指摘しても意味は無い。参議院の予算員会がテレビ中継されると、質問者の後ろに八紘一宇が、分かっているのかいないのか、不思議な表情で映っている。見場の良い議員の露出を増やしたい政党の都合もあろうが、この手の活動、あざといと言って良かろう、が高い頻度で出現する。議員ひとりひとりに問うてみることで、議員の資質があぶり出されるなら、価値の無いものではない。

石破の特定の者だけが、密室で協議して決定することに反対するのは正しいと言える。静かな議論というのは、党利党略に従った動きを指し、闊達な議論というのは、個人が真剣に考えて意見を闘わせることを言う。政党から剥ぎ取り、個人が自信の良心に従って議論するのが正しかろう。現政権は、そろばん勘定に走り過ぎている。


安倍家より天皇家の方が、由緒正しいというのは門地による差別だろう。

2017年1月25日 (水)

広域通信制高30校を実地調査へ 文科省

ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)の広域通信制で不適切な指導が行われていた問題を受け、文部科学省は今後2年間で、運営面で課題があると見られる広域通信制高校約30校を実地調査する。同省の点検チームが学校を訪問し、適切な教員配置や生徒への指導が行われているか調べ、問題があれば改善を促す。
点検チームの初会合が1月25日、省内で開催された。同省はウィッツ青山の問題を受け、2018年度末までを「集中点検期間」と位置付けている。点検チームでは、構造改革特区法に基づき設置されている株式会社立学校(現在19校)を含め30校程度を調査する方針。(日本経済新聞:1月25日)


通信制高校について考える。


通信制高校の学生数の推移をまとめた。同時に定時制と、通信制の学校数も確認した。結果を下に示す。

■ 高等学校における生徒数と通信制学校数推移
    年     1980   1985   1990    1995   2000   2005   2010   2011  2012
  定時制  149,351 140,144 146,701 107,331 109,322 110,472 116,236 116,007 112,187
  通信制  128,987 132,644 153,983 153,983 181,877 183,518 187,538 188,251 189,418
  -----------------------------------------------------------------------------
  公立      ―     ―     ―    68     69     76     73     74     77
  私立狭域   ―     ―     ―    19     23     43     57     58     60
  私立広域   ―     ―     ―     6     21     56     79     78     80
  広域学法   ―     ―     ―     6     21     48     59     58     60
  広域株式   ―     ―     ―     0      0     8     20     20     20


定時性高校の学生数が減少傾向で、通信制高校の学生数が増加している。両方の合計数が30万人前後というところである。定時制が減って、通信制が増えている。高校卒業の学歴は貴重なものではないが、これなしにしてしまうと少々厳しい事情が世の中にある。
2015年の18歳人口が 1,185,054人となっている。該当する年の通信制を除く高校進学者が 1,144,020人で、都合進学率が 96.5%である。2015年の高校卒業生が 1,068,989人であるから、卒業率は 93.4%となる。差し引き 116,065人が高校を卒業していないことになる。3年分を合わせれば33万人のポテンシャルがあるということになる。
中学を卒業して高校に進学しない理由は、都会だけではないから地方では距離の問題も生じる。距離は経済負担に等しいから、学業に熱心でないことがあれば、進学しないということもあるだろう。都道府県別の高校進学率の比較で、沖縄県 96.5%、佐賀県 97.9%、福岡県 98.0%などが低い。全国が98.7%であるから、沖縄県の進学率の低さが目立つ。島嶼部からの進学に難しさがあるのだろうか。
さて、通信制である。通信制の高校が増えたのは、広域の通信制高校が増えたからである。広域の内、学校法人が多数であるが、規制緩和により参入した株式会社の高校も現れている。株式会社の学校数が急に増加することもないようだ。営利団体である株式会社では、顧客数を増やす努力をすることになる。高校のウリとなるのは、卒業し易さに行き着いてしまうから、卒業証書を買うというところが終点になる。ウィッツ青山学園高校の例は酷いものであったが、程度の差はあっても類似した問題が生じる可能性はある。学校が営利企業の事業として馴染まない部分である。
学校教育を充実したものにするのが正常な対応なのだが、そのような生徒を一定数確保するというのは難しい。公立の通信制との生徒の取り合いになってしまう可能性も高い。もしかすると、一部の定時制の生徒を引き込んでいる可能性もある。

高校中退者のうち、大学などでの教育を希望する学生も一定数いるだろう。中退者が一学年で 75,031人出ていると計算されることから、学校の定数に比べれば十分に大きいと判断できる。受験予備校のようなやり方で、高校卒業資格も得られ、大学受験指導も充実しているというのが今日的な流れだろう。
高卒認定試験は年二回実施され、それぞれの受験者数が11,428人と11,111人で、合格者数が4,588人と4,440人である。都合合計9,028人が合格している。試験が科目単位で合格することを認めている制度なので、受験者数は意味は持たないが、1万人近い人が受験資格を得ようとしていることが分かる。ただし、高卒認定試験は上級学校を受験する資格を認定する制度に過ぎず、学歴としては高等学校卒業を認定している訳ではない。通信制のありがたさは、学歴に記載可能であることと言える。

なんだか散らかしてしまった気分だが、このくらいで終えることにする。
いつになくまとまりのない話である。


追加コメントはなしです。

2017年1月24日 (火)

自民・二階氏がヤジに応戦「黙って聞けよ」 代表質問で

自民党の二階俊博幹事長が1月23日の代表質問で、野党からの激しいヤジにたびたび応戦し、用意した原稿にはなかった言葉で挑発を繰り返した。
持論の「国土強靱化!」とのヤジを浴びながら登壇した二階氏。給付型奨学金のくだりで言葉が詰まると、「どうした!」との声。これには二階氏も「黙って聞けよ」と気色ばんだ。それでもやまないヤジにいらだちが募ったのか、地方創生をめぐって「一生懸命ヤジっている人たちは、自らの地域で何をなしたかご説明頂きたい」。国土強靱化では「何か他にご提案がありますか」。米大統領就任前のトランプ氏と安倍首相の会談を評価したくだりでは、「野党もやってみればいいじゃないか」と言い放った。(朝日新聞:1月23日)


国会について考える。


ヤジを飛ぶのを見るのは嫌いである。しかし、ヤジを禁止する規則を設けるのはもっと嫌だ。国会議員は国民の代表である。無暗に規制すると、規制する当局の元に国民は許されて存在する形である。承服し難い。しかし、下品なヤジが多いことは悲しまねばならない。

二階は古い土建屋政治家の雰囲気が残るアンティークな存在である。アンティークと言うよりかび臭いが妥当な気もする。国土強靱化は二階の口ぐせだ。何か造るのが大好きで、その多くは価値がないことに特徴がある。造ることだけが目的なのだから仕方ない。造る為に、何かお題目を探してさ迷い歩くような風情さえ感じさせる。これなら、風流人の趣さえ出てきている。立派なひとかどの政治家ということだ。そんな傾向があるから、小笠原諸島に空港建設などと、自然の価値など横に置いて叫ぶことが出来るのである。
この風流人の口から、自らの地域で何をなしたかという言葉が飛び出した。国会議員は地域の代表者ではない。国民の代表として仕事をするものなのだが、この御仁には、地域への利益誘導こそが存在価値だとする思想が根強くあるようだ。風流人が御仁になってしまった。地域の利益なら可愛いものだが、特定の団体の利益誘導となれば少し問題も出てくる。さすがにアンティークといっても現在の政治家である。直接的な作業と、記録などある筈も無かろう。利益誘導ことが大切だというなら、新しい米国大統領の自国第一主義的な行動は合致するということになる。日本の利益は損なわれるが、そこは交渉するよりない。まあ、これは誰が大統領であっても同じではある。
野党にトランプに会えば良いというのは、壊れてしまったと言える。トランプは権限のある者と利益交渉をするスタイルを採用している。権限が無い者とは会わない。そういうものである。論理的な破綻は珍しくもない政治家である。それをもって、清濁併せ呑むと称するのだろう。しかし、もう少しはっきりとした言葉で話して貰いたいものである。分かり難くて仕方ない。まさか、配布文章を参照せよということでもあるまい。



国土強靭化を目指すと、お気軽に原発は稼働できそうにない。

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