経済・政治・国際

2017年9月28日 (木)

参院選、3.08倍差「合憲」 合区後の一票の格差 最高裁

合区が初めて導入され、「一票の格差」が最大3.08倍だった昨年7月の参院選について、最高裁大法廷(裁判長.寺田逸郎長官)は9月27日、「合憲」と判断した。合区による格差縮小を評価した。その上で、二つの弁護士グループが各地の選挙管理委員会に求めた選挙無効の訴えを退ける判決を言い渡した。
この日の判決は法改正に伴う格差縮小を評価しつつ、再び拡大することがないよう釘を刺した。自民党では、地元の不満が強い合区を改憲によって解消しようとする動きがある。格差が広がる懸念があり、国会の対応が問われる。最高裁が2010年と13年の参院選で連続して「違憲状態」と判断したことを受けて、国会は15年の公職選挙法改正で、鳥取と島根、徳島と高知の合区を含めた「10増10減」を実施。格差は13年の4.77倍から3.08倍に縮小した。この日の判決は「参議院の創設以来初の合区を行い、数十年間にもわたり、5倍前後で推移してきた格差が縮小した」と評価。15年改正の付則に「19年参院選に向けた抜本的な見直し」が明記され、さらなる是正に向けての方向性と立法府の決意が示されたとして、「違憲の問題が生じるほどの著しい不平等状態とは言えない」と、合憲と結論づけた。一方で、判決は選挙制度の仕組みを決める上で、投票価値の平等の要請が後退してもよいとはいえないと指摘。ただ、唯一の基準ではないとも述べ、都道府県の意義や実態などを一つの要素として考慮しても、国会の裁量を超えるとはいえないとの考え方を示した。 裁判官15人のうち、11人の多数意見。鬼丸かおる、山本庸幸両裁判官は「違憲」、木内道祥、林景一両裁判官は「違憲状態」とする個別意見を示した。(朝日新聞:9月28日)


一票の格差について考える。


このブログの定番ネタになっている一票の格差問題である。真面目に調べているのを三つ挙げるとしたら、大学教育と犯罪者問題と一票の格差となる。この隙間を、企業決算に関する数字で埋めていたが、最近は政治の悪口になっている。無駄なことなら書かなければ良いが、少しは読んでくれる人もいる。読者の為に書くほどの仕事をしてはいないが、書いておけば何かの役に立ちはしないかと自分自身の備忘録程度の価値はあろうと信じる。

さて、一票の格差の話である。1946年に公職選挙法が制定された。当然、選挙権について等しくあるべきだとする考えはあった筈だ。しかし、1947年当時、衆議院は 1:1.51 の格差があり、参議院では、 1:2.62 の格差があった。つまり、原理原則と実務とはかけ離れたものになっていた。いや、むしろ、実務的な作業負担を考慮すれば、1947年当時の格差は今日においても許容されるべき水準との認識が、最高裁判所においてある可能性さえある。参議院は出発の 2.62倍が、前回 4.77倍であったものを 3.08倍まで近付けたのだから、合格点であるという判断である。国会議員が国民全体の代表であることを否定し、地域代表であることを宣言する行為である。裁判所は法律をつくりはしないが、法律の問題点を指摘し得る機関である。何度も指摘しているが、嫌いなことを二つ書く。

  ・ 最高裁が一票の格差を違憲としない一方で、統治行為論を持ち出す態度
  ・ 国会議員が議員定数や待遇を自分達で決定するお手盛り方式

最高裁が国会に係る問題について冷淡であるのは、政治家など不浄の者として見下しているのだろう。国会議員は最高裁など勉強だけしてきた浮世離れした存在と軽くみて、有権者に頭を下げる振りだけしてやり過ごし、自分は特別に選ばれた存在だと信じて、自信の懐は温かくすることに熱心になる。どいつもこいつも、真面目に仕事をしろと言いたが、真面目に自己保身に励んでいるとなれば、足す言葉も見当たらない。
一票の格差があることを前提に、予算関係の審議などの投票には、地域の代表であることを前面に出して、株式会社張りに議会での一票に格差を係数として乗じたらどうだろうか。自分の存在が半人前以下だと言われたらプライドも傷付くことだろう。それで修正しようと思うのなら価値はある。まあ、国民全体の代表だから許されないのだろうが。
今回の最高裁の判決は、一票の格差是正に努力したねとお褒めの言葉を国会が貰ったということである。国会議員は恥を知れ。勉強だけしてきたやつらに褒められなくて良い。褒めて貰うのなら、国民からだと、声を大にして叫べ。

衆議院議員選挙が行われるので、小選挙区の一票の格差を俎上に載せることとする。小選挙区単位で比べようと思ったが、資料が見つからず、都道府県の選挙区単位で集計するのは根気が要る作業となる。今回は諦めて、簡単に集計可能な資料がある都道府県単位で有権者数と定数をまとめて、都道府県の議員一人当たりの有権者数を計算した。2012年と2014年は選挙時の数字を用い、2017年の有権者数は発表された資料が無かったので、2016年9月の数字を用いて、今回の議員定数で計算した。都道府県単位で今回と前二回の選挙でのヒストグラムを下に示す。

■ 衆議院小選挙区都道府県単位
   議員一人当りの有権者数ヒストグラム推移 (単位:千人)
       2016年   2014年   2012年
  200     0      0      0
  220     0      0      3
  240     0      1      2
  260     1      0      1
  280     2      6      6
  300     7      10      9
  320     5      6      6
  340     11      9      7
  360     6      5      3
  380     4      4      3
  400     6      4      5
  420     3      1      1
  440     1      1      1
  460     1      0      0
  480     0      0      0
  500     0      0      0

議員定数が300、295、289と減っている。議員定数を減らして、なんとなく、小さい方が減っているように見えるから、格差是正に適切な仕事なのかなあ、とも思える。そこで、都道府県単位での統計値で比較してみる。

■ 衆議院小選挙区都道府県単位比較統計値
           2016年     2014年     2012年
 平均      368,023    352,416    346,533
 最大      448,955    434,024    428,835
 最小      241,393    238,477    210,185
 標準偏差    43,706     42,592     52,500
 総定数       289       295       300
 最大/最小     1.86      1.82       2.04


最大になっているのはいずれも東京で、最小は2012年が高知、残りは鳥取である。
今回選挙で更に改善されたかと思ったら、最大と最小の比も、標準偏差も悪くなっている。平均値±σ (標準偏差) の間に68% が収まるというのが、正規分布の示すところである。2σくらいまで行けば良いのだが、95% 入るということは格差が大幅に是正されたということであるから、ここまでいくとは思えない。
選挙区単位で分析しなければ意味がないという意見もあるだろう。実際、東京都の小選挙区数は25あり、鳥取は2である。これを統計的に同じ重みとして扱うのは不適当だと考えるのは合理性が高い。少なくとも、小池百合子の記者への返答より、高度な論理性があると認識する。それでもこんな数字の比較をしたのには訳がある。選挙制度が都道府県を管理単位に実施しているという事実があるからである。
小選挙区の区割り変更を実施するとき、市が複数に分割される場合はままあるが、県を跨いだ選挙区はない。記事の選挙区例で、複数の県がいっしょになった合区が扱われているが、これは分割ではなく統合である。小選挙区で格差を是正しようとすると、都道府県の境界を守ることが大きな障害になっている。都道府県など行政上の便利の為にある仕組みに過ぎず、国家の在り方とは別の種類の問題に過ぎない。しかし、過去の習慣から逸脱することを極端に恐れる行政実務家は、こんな乱暴な考え方を採用することは決してない。

一票の格差を衆議院の小選挙区で解決するには、都道府県の枠を超えなければならない。もし、都道府県に意義を持たせたいのなら、参議院は有権者数に選挙区の面積を乗じたもので格差をなくすとでもすれば良い。扱う面積の大小に根拠の一部を求めるのは意味もあろう。ただしそれは参議院に限られる。そんなこんなはまた何れ。


政党など壊れても良いが、壊れた者しか議員にならないのは問題だ。

2017年9月20日 (水)

三菱自、SUV型のEV出展へ

東京モーターショーで  三菱自動車は9月20日、10月下旬から開催される東京モーターショーで多目的スポーツ車(SUV)型の電気自動車(EV)のコンセプトモデルを出展すると発表した。電動化や四輪制御の技術を進化させるほか、新たに人工知能(AI)を活用した機能を搭載する。
EVは日産自動車が「リーフ」を全面改良したが、SUV型は国内メーカーでは珍しい。三菱自は軽規格の小型EV「アイ・ミーブ」やSUV型のプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダー」を販売している。得意とするSUVでEVモデルの開発を加速する。AIではヒト型ロボット「ペッパー」との対話などから運転手の意図や状態を理解し、情報を提供する機能を開発している。コンセプトカーでもこうした技術を活用するとみられる。東京モーターショーは10月25日から11月5日まで開催される。(日本経済新聞:9月20日)


電気自動車について考える。


三菱自動車の i-MiEV は2009年6月に販売開始であるから、自動車のモデル、特にエレクトロニクス技術を最初に用いたモデルとしては、随分と時間が経過している。電気自動車でないとしても、モデルの元になった i は2003年販売開始で2013年に生産終了となっている。自動車のシャーシはモデルチェンジ2回流用されるのが普通のようだが、14年というのはさすがに古い。i の方は、ダイムラー・クライスラーとの提携解消が開発時にあったりと複雑な経緯を経ているし、 i-MiEV はといえば、2010年にPSAグループへの供給が決まるも思惑通りには行かなかったと、三菱自動車の運命と同じく揺れ動いている。
親会社が日産になった今では、電気自動車市場での差別化を求めて、市場で売れているSUV仕様で再度参入しようという話である。SUVといっても本格的なものではないのは当然で、そもそも位階の充電での走行距離が小さいのだから、座席位置が高く見晴らしの良いSUVスタイルの電気自動車ということになるのだろう。電気自動車の最大の問題点が走行距離にあるのだから、4WDなど不要だし、タイヤも転がり抵抗の小さなものにしたいと、重量を小さくする流れが本流であることは明らかである。それでも売れなければ仕方ないということは動かし難いから、SUVスタイルの街乗りモデルというのが着地点になるのだろう。
i-MiEV が発表された頃は、ガソリン自動車との操作性の差異を小さくすることを重視していたが、最近の電気自動車やハイブリッド車では、アクセルを緩めた時に発生する回生ブレーキを積極的に用いるようになっている。ガソリン車との違いは大きくなるが、回生で得られるエネルギーが発生するなど燃費の改善に貢献する。こうした制御系のソフトウェアの見直しは当然行われるだろうが、それに加えてシャーシ系の最適化作業も必要になるのだろう。

結局のところ、三菱自動車の仕事は、日産に先んじて実験的な製品を商品化することに重点が置かれることになるのだろう。潰れた会社の生き残りなどこんなものだろう。


日産も一度潰れた会社ではある。

2017年9月19日 (火)

二階氏、森友・加計は「小さな問題」=石破氏「国民は納得せず」

自民党の二階俊博幹事長は9月19日の記者会見で、学校法人「森友学園」と「加計学園」をめぐる疑惑について「小さな問題」との認識を示した。
衆院解散が断行されれば、野党側は国会で追及する機会が奪われるだけに、強く反発しそうだ。安倍晋三首相が衆院解散の意向を固めたことに対し、民進党など主要野党は「森友・加計の疑惑隠しだ」と批判している。これに関して二階氏は会見で見解を問われ、「野党がおっしゃるのは自由だ。われわれはそんな小さなというか、そういう問題を隠したりすることは考えていない」と反論した。一方、自民党の石破茂元幹事長は19日の読売テレビの番組で、疑惑から「逃げ切れるかどうかは分からない」と語った。石破氏は「まだ納得していない国民が多い。きちんとした説明ができるかだ」と指摘した。(時事通信:9月19日)


議会解散について考える。


解散は首相の専権事項だという考え方が永田町では主流のようだ。そうは言っても、首相である安倍晋三が、丁寧に説明責任を果たすとした、森友学園問題、加計学園問題を取り扱わない手段として、国会を解散して良い理由もない。ましてや、少々耄碌しているのではとさえ思える口調で、二階が小さな問題と言ったところで、何が解決する訳でもないし、野党の反発は必至となる。耄碌したようには老獪なと同義であるのが永田町のようだ。つまらない小競り合いを起こすのも、与党にとって悪くないという判断があるのかもしれない。

自民党の中でも、二階は解散が自民党に利があると判断し、内心でそれは肯定しつつも、石破はその先のことを睨んで、問題がある行動ではないかと指摘する。つまり、自民党内でも揺れる部分が残っていると言える。
安倍が解散する理由として、最大の言訳が残っていることにマスコミは気付いていない。自民党内でも考えが及んでいないようだ。それは、安倍が解散理由として、森友学園問題、加計学園問題で国民に政治不信を招いたことをお詫びし、議員を引退すると説明することである。議会解散の必要性は、政治不信を一掃する為であるから説明が付く。この方法であれば、自民党を気の毒に思う、というか、安倍を批判し過ぎたと感じる国民が増えるから、与党議員の減る数は小さくなる。

国会議員を気軽に辞める訳がないと思う筋もあろうが、政権を投げ出した実績のある御仁だ。今回は、本人の他に、ものを考える習慣の欠ける妻も関わっている。粘り強く行動するというのから最も遠い位置で暮らしてきた。根気のいる作業など続けるつもりもあるまい。
おじいちゃんの悲願を掛けた憲法改正が遠のくなら、自分がする仕事などそこにはもうないということである。そんな説明をされたら、解散を止める理由はないだろう。


七条解散は制限されて良かろう。最高裁が判断することはないだろうが。

2017年9月 5日 (火)

山尾氏の起用見送り 民進新執行部が発足

民進党は9月5日の両院議員総会で主要な役員人事を承認し、前原誠司代表率いる新執行部が発足した。幹事長には大島敦元総務副大臣を充て、代表代行に代表選を争った枝野幸男元幹事長を起用した。当初、幹事長や代表代行で起用する方針だった山尾志桜里元政調会長の人事案の提示は党内の反発を受け断念した。目玉人事の撤回で前原氏は出だしからつまずいた格好だ。
政調会長には衆院当選4回で50歳の階猛元総務政務官を起用。選挙対策委員長には枝野氏を支持した長妻昭元厚生労働相が就任した。国会対策委員長には旧維新の党出身の松野頼久元官房副長官が就いた。前原氏を支持したグループの議員に加え枝野氏を支持した陣営からも起用し、挙党態勢づくりをめざす。前原氏は当初、衆院当選2回で若手のホープとされる山尾氏を幹事長に抜てきし、清新さをアピールする考えだった。だが山尾氏の実務面での経験不足への懸念が広がり、衆院当選6回で代表代行に内定していた大島氏を充てる方針に転じた。前原氏はその後も山尾氏を代表代行で処遇する意向を固めたが、党内の反対論が強く主要ポストでの起用自体を断念した。前原氏は両院議員総会の冒頭で「人事のことでご心配をおかけしていることをおわびしたい」と陳謝した。党の要である幹事長人事の変更で、前原新執行部は出足から混乱を印象付けた。党内からは「1度固まった人事を覆すのは、党への打撃が計り知れない」との懸念が広がっている。(日本経済新聞:9月5日)


政党の人事について考える。


与党の場合には政府系の椅子もあり数が多いから、党の代表選挙後の人事に工夫のしようもあるが、野党の場合には党務に限定されて椅子が少なくなる。これがやっかみを生む要因で、露骨な功労人事をすれば批判される。鳩山が代表になった際には、露骨な功労人事と批判されたことがある。そうはいっても、選挙に骨を折った人に、何も報いるものがないというのも人情的には無理がある。この国のしっとりとした体質が拒むだろう。結局、良い按排を見出すよりないということになる。
今回の民進党の場合には、人気浮上を狙っている。前原の民主党時代のイメージを引きずる部分を排除して、新しい党であることをアピールするには、メディアへの露出が大きい山尾を幹事長に据えるという考えが出たのだろう。ちょっと待て、それには既視感がある。蓮舫が代表になったときと同じだ。そして、野田佳彦が幹事長になって、寄ってたかって叩いた。椅子取りゲームに敗れると、大きな声で不満を叫ぶのが党是になっているようだ。
当選回数2回の山尾が経験不足だという指摘のようだが、6回当選していれば大丈夫というのではなく、適性があるか否かの判断に、取って付けたように当選回数を理由に当てているだけに過ぎない。2回でも適正と能力があれば、少しの混乱はあっても成果は上がる。6回で適正の能力に欠ければ、混乱することは必至で、回数の言訳分だけ被害の拡大が生じる。

話を戻す。山尾が幹事長に適するのか否かについて何も知らない。しかし、新しい代表の前原が良しとしたのであれば足を引っ張ることは許されない。この党の最もだらしない部分である。これだから駄目なんだと言いきって良い。党の理念に合致するだの、妙な原理主義的な主張より重要なのは、党という集団で決まったことには従うという単純な行動原理が優先されるということだ。前原を選んだ、そして、幹事長を決めた。それに従うのは当然である。内定した人事に不満があるというのを拾っていったら、いつまでたっても何も決まりはしない。
この愚かな原理主義集団では、綱領や基本的な理念が違う政党とは組めないなどと主張する。これを口にすれば、民進党の党内の意見の不一致が問題になる。そもそも、自民と公明で一致しているかと問えば多くの疑問が湧くし、自民の中ならどうだと言えば、それはそれで問題がある。党内の一致が重要なのは、与党の場合には一定水準で確保されないと、国民は不安に感じるだろうから、党是はともかく、当面の方向性について位、明確にして貰いたいものだとは思う。少なくとも、民進党が直ちに政権を担うこともあるまい。ないことを前提にしてしまえば身も蓋もないが、政策実現は与党だけのものとするのは危険だ。少数者側の意見を汲む仕事も大切である。野党のままであることを前提にする必要もないが、与党の仕事に問題があることを明らかにして、代替案を提示するくらいのことは担って貰いたいものだ。
民進党と共産党との選挙協力で、民進党の支持母体である労働組合から不満が出て、反対する議員がある。民進党の保守系の議員には、そもそも共産党アレルギーがあって受け入れられないというのもある。労働組合でも、民進党を支持するのはブルジョア労組で、共産党を支持するのは貧乏労組と決まっている。ブルジョアというのは、組合員が安定した大企業や団体で労働している正社員であり、貧乏労組というのは、非正規や大企業でもはみ出してしまった組合員ということになる。労組と一括りには出来ないが、民進党は労働組合の力だけで与党になれることがないことも分かっている。原発廃止を掲げると、電力総連の都合が悪いとする意見が出てまとまらない。しかし、電力総連で何人国会に議員を送り出せるのかい。
政党協力を考える上で、綱領や基本的な理念で一致するのなら、同じ政党である。これが違っても、協力する利益があると確信するから一緒に行動するのである。この原理主義者は幼い。そもそも、一人一人の考えに違いがあり、部分で一致をみるから政党に属しているのだろう。完全な一致を求めるなら、入党時の資格試験に思想チェックでも設けるのだろうか。

愚かな民進党の話を終える。山尾の話である。幹事長を諦めたのは、山尾に不倫疑惑が生じたからだという。人気のキーワードである不倫である。昭和の政治家のように、妾が何人もいるというのは、今日の国会議員にいないだろうが、まったくいないということとなると少々怪しい。法律を最上の行動規範と考える連中からすれば、不倫に刑事罰がある訳ではないから不問であろう。不貞行為は離婚理由になるから、離婚訴訟にでもなれば不適切と判断しても良いかもしれない。山尾の件が不倫であったとしても、それはそれだけの話に過ぎない。夫や子供がどう思うかは、他人が口出しする問題でもない。文春は私的制裁機関の役割を担っているようだが、むしろこっちの行動原理を知りたい。

いっそのこと、民進党は議員候補になる人物に、過去に前科、逮捕歴、違法薬物の使用経験、不倫経験、非合法カジノ・違法風俗への立ち入り、ガールズバーに立ち入ってお小遣いをあげた経験について公表することを求めたらどうだろうか。もしかしたら、合法の風俗店への経験も明らかにした方が良いかもしれない。


政治家として、公平公正であることを疑われる行為以外に縛りが必要か。

2017年8月24日 (木)

民進代表選、離党者対応で溝 前原・枝野氏

9月1日投開票の民進党代表選に向け、前原誠司元外相と枝野幸男前幹事長の両候補者は8月22日、日本記者クラブの記者会見に臨んだ。枝野氏は細野豪志前代表代行や長島昭久元防衛副大臣らの離党者を念頭に「しっかりと対抗馬を擁立する」と明言。前原氏は「総合的に判断する」と今後の連携に含みをもたせた。野党再編への姿勢でも温度差が目立った。
前原氏は東京都の小池百合子知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」について「わかりやすい政治をしたことが都議選での躍進につながった」と分析。「大都市でこれからも地域政党ができるかもしれない。いろんな連携を取りながら力を最大化していく」と述べた。一方、枝野氏は「単独で政権を取る覚悟と努力が必要だ」と強調。「全国で本格政党として活動できる基盤は持っている。今ある地域基盤を強化することに全力を挙げる」と述べた。(日本経済新聞:8月22日)


民進党について考える。


民進党が忌み嫌う、というより、国民から見放された政権であった民主党のイメージを切り離したいというのが、この民進党の最初の課題だと認識しているようだ。よって、前回の代表選は蓮舫と玉木雄一郎が争ったのは目的に適っていた。しかし、今回は、前原と枝野で民主党色が強い代表選になっている。何をやっているんだか。
民進党のこの状況を打開する為に、議員個人として離党を考える者が出ている。通常ならこんな行動にはでないのだが、つい最近の東京都議会議員選挙で小池新党 (都民ファーストの会と称する) が旋風を巻き起こしたから、これにあやかろうと思う信者が増殖しているようだ。実際、都議会議員選挙でも選挙前に民主党系会派から都民ファースト系に宗旨替えして当選したという、御利益の恩恵を受けた都議会議員もいるようだ。
とはいっても、宗旨替えができるのは、民進党の右側に位置する人達に限られる。左側に構える議員には可能な御宗旨候補は、消滅の危機にある社民党か、さすがにこれは無理だという日本共産党となる。つまり、小池新党に流れ込んで地位を守ろうとする保守系の議員が、離党する可能性のある候補ということになる。
都知事である小池百合子の考え方は、新党によって首相になろうなぞとは思っていない。小池は過去に新党ブームに乗って国会議員になったものの、大臣になれたのは自民党であったときである。新党をチラつかせて自民党を揺さぶり、自分の価値を最大化した上で自民党に合流するのが現在描いている青写真だろう。小池が民主党の悪いイメージを引きずる民進党の議員を引き連れて自民党に合流するというのは、自民党内での地位向上にマイナス要因にしかならない。そもそも小池頼みの子分など、色の付いていない議員の方が都合が良いに決まっている。それからすれば、若狭だっていつ切られないとも限らない。

枝野が自民党に行くことはないだろうが、前原なら自民党であっても不思議はない。細野や長島と一緒に自民党に入党すれば良いだろう。自民党の古い体質を嫌ったこともあるのだろうが、"の"党の類で、継続して存在したものがない。一時のブームでは仕事は出来ないだろう。自民党に行かない理由は、究極的には埋没してしまうからに過ぎない。政治理念の一致などとほざている者があるが、同じ政党だから皆一致しているというのは、日本共産党か公明党くらいのものだろう。そもそも、野党で政治理念の一致もないものだ。野合と言われようとも、選挙で過半数を確保するのが、選挙命の国会議員の矜持というものだろう。


原理主義的な頭の固さが、国民の利益に通じるとは思えない。

2017年8月 8日 (火)

「日本ファースト」立ち上げ 小池氏側近が政治団体

東京都の小池百合子知事の側近、若狭勝衆院議員は8月7日、国会内で記者会見し、政治団体「日本ファーストの会」を立ち上げたことを明らかにした。設立日は7月13日。次期衆院選の候補者を発掘するため、政治塾を発足させることも表明した。9月16日の初回の講師には小池氏を招く。若狭氏は「有権者は自民でも民進でもない政党の存在を求めている」と語った。
7月の東京都議選で地域政党「都民ファーストの会」を率いて圧勝した小池氏の国政進出をにらんだ布石とみられる。野党第1党の民進党では、細野豪志前代表代行ら複数の現職議員が離党を表明。若狭氏らとの連携を模索しているとの見方もある。今後の野党再編のほか、安倍晋三首相が踏み切る衆院解散時期にも影響を与えそうだ。若狭氏は7月の東京都議選で都民フを支援。自民党を離党し、小池氏と行動をともにすることを明言している。今月6日のテレビ番組では、細野氏らと今後の連携に向けて協議する意向を示したほか、参加が見込まれる現職の国会議員についても、「(政党となるのに必要な)5人以上はいる」と述べていた。


政党名について考える。


都民ファーストの会であるから、国政政党となると、国民ファーストの会となりそうである。ところが、国民ファーストの会公認を掲げ、東京都選管の選挙公報でもそう記載された都議選候補がいる。後藤輝樹であるが、千代田区(定数1人)で立候補している。とはいっても、小池新党が国民ファーストの会を名乗ることは可能であるようだ。ややこしい状況が生じるから、好ましいことではない。共存して状態で、国政選挙となれば、衆参議員選挙比例選出議員選挙でどうするかということになる。後藤の会が、国政政党の要件を満たす可能性は低いから、比例区では小池新党が独占的に名称使用が認められたとしても、たとえば衆院小選挙区になれば、政党の名称保護の規定はないから後藤の会と競合することになる。マスコミ報道では、保護されない政党は、諸派扱いするのが通例であるが、選挙公報やポスターでは使用可能である。
後藤の会が、小池新党が国民ファーストの会の名称を使用した国政進出を睨んで、既得権を主張する為に名称を先に登録したという考えは成立するが、後藤がその通りですと言う筈もない。名称を売買するというのも、政党名であれば馴染まないところだろう。結論としては、国民ファーストの会の名称は使えないということになる。

若狭が、国民ファーストの会が使えないならと、日本ファーストの会なる名称を使うことにしたと仮定しよう。随分と国粋主義的な名称である。英語にすると、Japan First Party ということになろうか。おやおや、これだと、桜井誠が党首を務める日本第一党と同じである。桜井は、元在日特権を許さない市民の会の活動で知られる人物である。こちらは、国粋主義が似合いそうな団体ではある。
「の党 (会) 」、や「新党」という名称を用いる政党は、長く続くことはない。テンポラリーな使用であるのだが、本人たちは人気になりそうな名前と気に入るようだ。小池の経歴を確認すると、日本新党→新進党→自由党→保守党→保守クラブ→自民党→都民ファーストの会 と変わっている。保守クラブは、保守党所属の政治家が、自民党に加わる為の手続き上の存在に過ぎないから無視して良いが、非自民の保守政党の流行に乗って、自民党に行き着いたものの、そこでの存在感が薄くなったので他に動いたという様子に見える。このテンポラリーな政党を使って、自民党総裁を目指すと読めるのだが、穿った見方と言われるだろうか。


いっそのこと、Great Japan Patriotic Party の政党名を使って貰いたい。

2017年8月 4日 (金)

NECが小動き リチウムイオン電池から撤退

リチウムイオン電池事業から撤退する。電極を生産する子会社を中国の投資ファンド、GSRグループに売却することで最終調整に入った。投資負担の意味が薄らいでいると判断した。(日本経済新聞:8月3日)


NECについて考える。


NECの決算推移を確認する。下に示す。

■ NEC決算推移 (単位:億円)
  決算期       売上高       営業利益      純利益
  2017/03         26,650          418           273
  2016/03         28,248          914           759
  2015/03         29,355         1,121           573
  2014/03         30,431          691           337
  2013/03         30,716          920           304
  2012/03         30,368          420        -1,102
  2011/03         31,154           0           -125
  2010/03         35,831          494          114
  2009/03         42,156          -931         -2,966
  2008/03         46,171         1,122          226
  2007/03         46,526          163           91
  2006/03         49,299          149          -100
  2005/03         48,017          220           772
  2004/03         48,605          162           100
  2003/03         46,631          248          -123
  2002/03         50,842          -778         -3,079
  2001/03         54,097          930          566

1990年代にPCが失速し、2000年代にはDRAM事業が分社化し、半導体事業も分社化、2010年には携帯電話事業を分社化している。記事の自動車用電池の日産との共同開発は2007年に合弁会社が設立され、2010年に量産が始まった。日産とNECの組み合わせも、時代が時代なら不思議な組み合わせだが、そんな話を持ち出すご時世でもない。しかし、自動車搭載用には専用設計する必要があるのが専門家の認識であるから、電気自動車を開発する自動車会社は、電池会社と提携するのが必要ということになる。つまり、当時の日産、適当な天地会社がもうなかった、からすれば、NECしか候補がないという状態であった。電池が性能を決定する最大の要因であるのに、消去法で選ばざるを得なかったというところが日産の不幸である。
NECの事業売却は他にもある。オフィスコンピュータと称される製品がある。オフコンと呼ぶのが普通のようだが、略語は好まない。その昔、秋葉原で2F ミニコン売り場と看板があり、ミニコンピュータがあると喜んで2階に行ったらオーディオ機器しか見当たらなかった。ミニコンが、ミニコンポ (mini compo=和製英語だ) 、つまり小型のコンポーネントステレオを意味していた。オーディオ機器の展示があっても、DECのVAX-11が展示されている必要性もない。勘違いする方がどうかしているというものだが、ミニコンポと表示されていれば間違えることもない。
そのオフィスコンピュータであるが、この日本独自のアーキテクチャーである小型コンピュータは、1960年代から1990年代に全国の中堅中小企業や工場の情報化を後押しした。 しかし、1990年代、Windowsサーバーの登場で市場は一変し、年間出荷位台数は2000年の1万台から、2015年は1000台にまで落ち込んだ。 終わっているように見える商品だが、1万台以上がまだ現役で稼働中という。NEC、日本IBM、富士通が3強とされたが、NECが撤退を決めた。 2013年12月に新規出荷は停止しているが、既存顧客がある状況ではある。困った企業も沢山あることだろう。小さな事業所向けに最適化することが進むと、結果的にデータの汎用性に乏しくなるという傾向が出る。データの処理能力、容量が拡大している現在だと、データの汎用性を重視するが、どちらも不足していた時代の設計は、ベクトルが反対側に向いている。

上記期間で、売上高が半分になっているが、営業利益は似た水準で推移している。日本の巨大企業は贅肉が多いということになるのだろうが、贅肉と筋肉の区別など、ある瞬間の都合で決まるものに過ぎない。どっちも有効に使うのが経営者の手腕である。無能な経営者は使わずに壊死させると決まっている。腐ってから切り離しても仕方ない。腐る前に売ったとNECの幹部は説明するだろうが、このままで進めば十年後にはまた半分に売上高が減るかもしれない。何をするか、何をしたいかを明確に示すのが、緊急的に行わなければならない仕事であると感じる。


NECには半減期があるのだろうか。

2017年7月14日 (金)

支持率急落に危機感 加計審査に首相出席、与党一転応じる

与党が一転して安倍晋三首相が出席する閉会中審査に応じた背景には、報道各社の世論調査で内閣支持率が急落したことへの危機感がある。野党は学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る追及を強めている。8月3日にも予定する内閣改造前に一定の説明責任を果たしたと強調し、首相が逃げている印象が前面に出ないようにすべきだとの判断に傾いた。
与党側は当初、議論が平行線をたどり、幕引きにならないとの考えから、野党が求める首相出席の閉会中審査には消極姿勢を見せていた。7月13日には自民党の竹下亘国会対策委員長が民進党の山井和則国対委員長と会談した際にも「必要性を感じない」などと伝え、開催を拒否する方針を表明。これに山井氏は「首相は丁寧に説明すると言った。説明責任を果たすべきだ」と反発した。
竹下氏が民進側に首相出席に応じると伝えたのは、それからわずか数時間後。電話で伝えられた山井氏は「首相が応じるのは当然だ。遅すぎたくらいだ」と指摘した。与党内でも首相が拒否している印象が前面に出ると、政権への風当たりが一段と強まるとの懸念から応じるべきだとの声は出ていた。連立を組む公明党の山口那津男代表は13日の全国県代表協議会で「政府は引き続き国民の疑問にしっかりと説明責任を果たし、国民の信頼を回復しなければならない」と強調。12日には同党の大口善徳国対委員長が竹下氏に説明責任を果たすべきだと申し入れた。具体的な予算委の開催日程は今後、与野党で協議を進める。竹下氏は記者団に「来週以降のどこかの日で対応していこうと思っている」と述べた。現閣僚らによる答弁が必要だと野党が訴えていることも踏まえ、内閣改造前の開催を調整する。政府側は前川喜平前文部科学次官が「加計問題のキーマン」と指摘する和泉洋人首相補佐官の出席も検討する。首相自身は審議に応じる構えをみせるが、一方で竹下氏は山井氏に予算委の時間配分を与党と野党が1対1となるよう通告している。与党側の質疑時間で首相らの正当性を訴えたい狙いで、野党が応じない場合は予算委を開かないことも示唆した。ただ、政府と前川氏らの説明には食い違いもあり、不信感を払拭できるかは、なお不透明だ。(日本経済新聞:7月14日)


内閣支持率について考える。


官房長官の菅は内閣支持率について、「一喜一憂すべきでないと思っている」と答えるのが慣例になっている。一喜一憂しないと表明するのは、とっても気にしているという意味ではあるが、素直なマスコミは額面通りに報道する。この一年間の内閣支持率の推移を確認した。新聞とテレビとそれぞれ二社を比較として引用した。

■ 内閣支持率推移 (単位:%)
    年・月    日経    読売    TV朝日   NHK
  2017年7月    39     36      29     35
  2017年6月    49     49      38     48
  2017年5月    56     61      46     51
  2017年4月    60     60      50     53
  2017年3月    62     56      51     51
  2017年2月    60     66      55     58
  2017年1月    66     61      55     55
  2016年12月    64     59      52     50
  2016年11月    58     58      50     55
  2016年10月    60     57      50     50
  2016年9月    58     62      49     57
  2016年8月    58     54      47     53
  2016年7月    58     53      42     48


内閣支持率が実態を示しておらず、マスコミの操作した数字になっているとする意見をネット上で見掛ける。逆に、ネット上の数字は極端な思想の持主が大きく反映する傾向があり、その意味で信用ならない。マスコミの公表する数字の意味は、同じ方式で繰り返し調査していることに意義がある。アンケートの文章を改めると継続性がなくなる。このような要素を排除する工夫がなされていることが、最低限の統計的な確からしさを担保していると言える。ネットの書き込みなど、統計的な考え方など理解することもない考えの者であるように見受けられる。議論する相手ではない。
単独の数字で何かを語るのは危険がある。具体的には、NHKの51%と読売の61%で差があるから、読売が政府寄りの統計を操作しているとする意見が出てくる。アンケートの構成や、調査方法による影響が出るから、他社の数字の比較は無意味である。しかし、同じ方法であるのだから、51%が35%になったというのは意味がある。読売でも61%が36%になっている。この傾向を見ることが大切である。

内閣支持率調査の支持しない理由について、政府の政策が悪いではなく、大臣が信用ならないに動いていることが重要である。これを払拭するには、誠実に説明することしか方法がない。そこで、加計学園問題に説明するという結論に至ったが、これまで散々隠してみたり、奇妙な言訳をしてきて、役所の記録文書と思われる資料を怪文書と決めつけたのである。後に修正して、問題ありませんともならない。稚拙な対応をしたのは、後ろ暗いところがあったからと思われても仕方あるまい。
調査や審議といっても、形式的なもので、内容が伴うことはあるまい。それでお終いにしたいのだが、いい気になっているという印象を強く残すことになり、与党にとって良いことはなにもない。しかし、本気で調べると問題が出てくるので、痛しかゆしということになる。


ごめんなさいから始めれば、ことは小さく収まっただろう。

2017年7月12日 (水)

蓮舫氏、戸籍開示へ 「二重国籍」問題沈静化狙う

民進党の蓮舫代表は、7月11日に開いた執行役員会で台湾との「二重国籍」問題について、自らの戸籍謄本を近く開示する意向を示した。出席者が明らかにした。これまで「個人的な問題」などとして慎重だったが、国籍を証明すべきだとの党内外からの批判を踏まえ方針を転換した。二重国籍を巡る疑念を払拭する狙いだ。
蓮舫氏の二重国籍問題は2016年9月に浮上した。自身は17歳の時に台湾籍を放棄したと説明していたが、台湾籍が残っていたことが発覚。蓮舫氏は台湾籍の離脱手続きをし、日本国籍の選択宣言をしたと説明している。ただ、戸籍謄本を公開していないことに一部から批判が上がっていた。11日の都議選総括のための会合でも、二重国籍問題について蓮舫氏に説明を求める声が上がった。政党支持率が上がらない要因として二重国籍問題を挙げる所属議員もおり、こうした批判に配慮した。(日本経済新聞:7月11日)


二重国籍について考える。


蓮舫が日本国籍を有していないのなら問題だが、問題は二重国籍である。その昔、アルベルト・フジモリが参議院議員選挙に立候補したことがある。比例で、結果は落選であったが、ペルーとの二重国籍は明らかである。当時は法律が現在と異なり、1985年1月の国籍法改正以前に二重国籍であれば、ここで日本国籍を宣言したと見做される規定があった。アルベルト・フジモリの問題は、日本では見做しで不問となったにしても、ペルーでは法律で二重国籍者が大統領になることを禁じているから、こちらは問題になる。
蓮舫の場合の問題は、台湾国籍を放棄したかが本質ではなく、過去に放棄したような話をしておきながら、蓮舫の言葉を信じれば、最近まで二重国籍であったことである。そっちを問題にするなら分かるが、二重国籍だった者を許さないというのは、出自による差別である。もし公的立場であるのだから、国民一般より厳しく求められる項目があって当然だとするのなら、被選挙権に二重国籍禁止を明示し、後で分かったら議員資格を失うとすれば良い。規定がややこしいのだが、成人になる前であるなら、二年間の猶予を与えていずれかの国籍を選択することを求めている。屋上屋を架すではないかと指摘されそうだが、作れない話でもないだろう。自民党が立法すれば良かろう。

民進党の不人気は、蓮舫の二重国籍の問題ではなく、共産党と手を組むのは嫌だとか、労働組合は尊重したい、否そうではないとか、もっと保守層に受け入れられる政策を打ち出したいとか、細かなことを気にし過ぎている。そもそも、そんな原理主義に走れば、十人未満の政党にしかならないだろう。共産党とも組めば良いし、労働組合の協力も得れば良い。新自由主義者も飲み込めば良い。そんなの政党ではないというのなら、自民党を見れば良い。極右と呼んでよい連中から、共産党の隣組として扱い可能な者まで幅広くいる。右翼集団になったのはごく最近のことで、それが今後も維持されるとは限らない。

蓮舫は代表を辞めれば良いし、代表など誰がやっても上手くいかない状況である。小沢一郎にでもお願いしたらどうか。それくらいの器が求められるということである。


戸籍の公開を当然に求めては、人権問題になるでしょう。

2017年7月 5日 (水)

都議会議員選挙結果

地方議会の在り方について考える。


前回に続いて、東京都議会議員選挙の選挙区について考える。下に選挙区と定数、有権者数と投票者数、議員一人当たりの有権者数、投票数を示す。

■ 東京都議選の選挙区単位の1票の格差
    選挙区     定数    有権者数     投票者数   @有権者数   @投票者数
  -----------------------------------------------------------------------
  全体      127    11,081,157      5,681,864     87,253     44,739
  -----------------------------------------------------------------------
  千代田区     1      47,902         25,999     47,902     25,999
  中央区      1     122,516        62,164     122,516     62,164
  港区        2     194,384         86,201     97,192     43,101
  新宿区      4     261,824       129,177     65,456     32,294
  文京区      2     173,155        97,828      86,578     48,914
  台東区      2     157,714        81,156      78,857     40,578
  墨田区      3     219,314       113,453      73,105     37,818
  江東区      4     404,179       220,519      101,045     55,130
  品川区      4     318,560       165,640      79,640     41,410
  目黒区      3     229,319       115,491      76,440     38,497
  大田区      8     595,296       302,039      74,412     37,755
  世田谷区     8     742,205       380,975      92,776     47,622
  渋谷区      2     185,725       85,435      92,863     42,718
  中野区      3     273,400      138,677      91,133     46,226
  杉並区      6     472,067      242,729      78,678     40,455
  豊島区      3     226,297      113,417      75,432     37,806
  北区        3     282,128      161,262      94,043     53,754
  荒川区      2     165,955       87,849      82,978     43,925
  板橋区      5     457,587      236,136      91,517     47,227
  練馬区      6     595,935      309,808      99,323     51,635
  足立区      6     553,477      281,831      92,246     46,972
  葛飾区      4     371,895      185,801      92,974     46,450
  江戸川区     5     547,719      261,821      109,544     52,364
  -----------------------------------------------------------------------
  八王子市     5     463,897      243,506       92,779     48,701
  立川市      2     149,586      71,810       74,793     35,905
  武蔵野市     1     120,732      65,529      120,732     65,529
  三鷹市      2     152,825      79,587       76,413     39,794
  青梅市      1     114,103      57,992       114,103     57,992
  府中市      2     209,438     106,234      104,719     53,117
  昭島市      1      92,715      43,734       92,715     43,734
  町田市      4     351,989     191,078       87,997     47,770
  小金井市     1      98,627      47,795       98,627     47,795
  小平市      2     154,302      74,109       77,151     37,055
  日野市      2     150,943      74,863      75,472      37,432
  西東京市     2     164,790      81,049      82,395      40,525
  -----------------------------------------------------------------------
  西多摩      2     209,019      98,670      104,510     49,335
  南多摩      2     195,071     105,728       97,536     52,864
  北多摩第一   3     253,335     132,789       84,445     44,263
  北多摩第二   2     163,057      87,785       81,529     43,893
  北多摩第三   3     258,067     138,012       86,022     46,004
  北多摩第四   2     158,290      81,769      79,145     40,885
  -----------------------------------------------------------------------
  島部計      1      21,818      14,417       21,818     14,417


島嶼地域については、特例選挙区の扱いになっている。過去には千代田区も特例選挙区になっていたが、現在は通常の選挙区扱いになっている。議員一人当たりの有権者数は9万人弱で、投票者数で考えると4万5千人程度ということになる。1票の格差も地方議会にも存在する。上記の議員1人当りの有権者数を選挙区で比べてグラフ化したのが下である。数字の羅列を好むが、如何せん四十を超える行は長いので、グラフを使う合理性があると判断した。

Tmet
島嶼部の選挙区は、特例選挙区なので除いた。千代田区が最も少ない。逆に最も多いのが中央区である。共に1人区であるから、合区して2人区にしたとして計算すると、85,209人となり、全体平均の87,253人に近い数字に落ち着く。一票の格差是正には、結構な効果があり、現状の2.55が1.84 (新宿区と武蔵野市) まで改善する。武蔵野市と三鷹市を合区して3人区に改めれば、格差は1.74  (新宿区と青梅市) となる。千代田区、中央区、武蔵野市、青梅市と1人区が関係して問題が生じていることが分かる。
視点を変えよう。当選者が出るからには、落選者があり、それに投票した所謂死票が生じる。そこで、選挙区ごとの死票の割合をまとめたのが下である。例の如く、長い数字の羅列になっていることはご容赦願うよりない。

■ 選挙区ごとの当選者獲得票数と死票割合
   選挙区    定数    投票者数  当選者獲得票数  死票割合
   全体     127    5,681,864    4,027,849      29%
  -------------------------------------------------------
  千代田区     1      25,999      14,418      45%
  中央区      1      62,164      25,792      59%
  港区        2      86,201      50,613      41%
  新宿区      4     129,177     106,356       18%
  文京区      2     97,828      69,182       29%
  台東区      2     81,156      49,828       39%
  墨田区      3     113,453      78,623       31%
  江東区      4     220,519     146,025       34%
  品川区      4     165,640     110,212       33%
  目黒区      3     115,491      85,323       26%
  大田区      8     302,039     230,769       24%
  世田谷区     8     380,975     303,065       20%
  渋谷区      2     85,435      46,283       46%
  中野区      3     138,677      92,625       33%
  杉並区      6     242,729     189,218       22%
  豊島区      3     113,417      85,076      25%
  北区        3     161,262     121,251       25%
  荒川区      2      87,849      45,239       49%
  板橋区      5     236,136     173,712       26%
  練馬区      6     309,808     247,506       20%
  足立区      6     281,831     226,271       20%
  葛飾区      4     185,801     138,091       26%
  江戸川区     5     261,821     231,594      12%
  -------------------------------------------------------
  八王子市     5      243,506     187,286      23%
  立川市      2      71,810     41,858       42%
  武蔵野市     1      65,529     27,515       58%
  三鷹市      2      79,587     51,451       35%
  青梅市      1      57,992     31,603       46%
  府中市      2     106,234     66,078       38%
  昭島市      1      43,734     24,639      44%
  町田市      4      191,078     136,675     28%
  小金井市     1      47,795     16,039      66%
  小平市      2      74,109     47,379      36%
  日野市      2      74,863     46,842      37%
  西東京市     2      81,049     51,297      37%
  -------------------------------------------------------
  西多摩      2      98,670     61,297      38%
  南多摩      2     105,728     61,794      42%
  北多摩第一   3     132,789     95,765      28%
  北多摩第二   2      87,785     55,987      36%
  北多摩第三   3     138,012     102,763      26%
  北多摩第四   2      81,769      45,705      44%
  -------------------------------------------------------
  島部計      1      14,417       8,804      39%


小選挙区制の問題点として、死票が多くなるとする指摘がある。都議選の死票 (当選に寄与しなかった票数を投票数で割って算出) 割合の上位と下位の選挙区を下に抜き出した。これも島嶼部の選挙区は除いた。

■ 選挙区ごとの死票割合の高い選挙区と低い選挙区と定数、立候補者数
   選挙区    定数/候補者    死票割合
  小金井市      1 / 5      66.4%
  中央区        1 / 5      58.5%
  武蔵野市      1 / 3      58.0%
  荒川区        2 / 7      48.5%
  渋谷区        2 / 5      45.8%
  青梅市        1 / 3      45.5%
  千代田区      1 / 4      44.5%
  ----------------------------------

  八王子市      5 / 9      23.1%
  杉並区        6 / 12      22.0%
  世田谷区      8 / 18      20.5%
  練馬区        6 / 10      20.1%
  足立区        6 / 9      19.7%
  新宿区        4 / 7      17.7%
  江戸川区      5 / 6      11.5%


1人区で5人の立候補者があれば、票も割れるというものである。小金井市の例をとれば、投票率は48.46%で、この内の66.4%は当選した候補以外に投票している。つまり全体の16%強の投票で当選したということになる。立候補するのも自由だし、投票しないのも自由である。最低得票数を設定するのは、自由選挙に反する行為になりかねないとも思うのだが、この程度で代表かという気分にはなる。それでも、小金井市や中央区や武蔵野市の有権者の判断だから、とやかく言うのは間違っていると受け入れるとしよう。
問題点はそこではない。中央区は小選挙区制で1人を選ぶ方式で、新宿区は4人を選ぶ方式であることで、選挙費用や選挙戦術に大きな違いがあり、選ばれる者も違っているということになる。つまり、被選挙権について、地域による機会均等の原則が崩れていると指摘して良かろう。中央区で当選するのと、新宿区で当選するのと、どちらが難しいという議論ではない。異なった方式で代表を選ぶことに、何も感じないというのではいけないだろうという話だ。やはり、選挙制度としては、3人から5人の選挙区にするという、中選挙区制度に整える努力が必要だろう。完全小選挙区にする方式も考えられなくはないが、世田谷を8分割するのも大変だろう。もしやるなら、議員定数を半分にする程度のことは必要になる。議員は、自分達の椅子を守ることには党派を超えて協力する種族であるから、この方式が採用されることはない。だから、中選挙区である。世田谷を二分割くらいは受け入れられるだろう。残りは合区である。真の代表と呼ぶのなら、これくらいは考えなければならない。


特例選挙区ばかり増やしては、硬直化が侵攻するだけだ。

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