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2017年7月 3日 (月)

自民支持層、4分の1が小池知事派に都議選出口調査

安倍政権への批判が高まる中で、自民は支持層自体がしぼみ、「都民ファーストの会」など小池百合子知事の支持勢力が自民支持層からも票を取り込む――。7月2日に投開票された東京都議選で朝日新聞社がテレビ朝日と共同で実施した出口調査で、有権者の投票行動から「自民離れ」の実態が浮かんだ。
学校法人「加計学園」をめぐる問題など、安倍政権への批判が続く中で実施された都議選。出口調査のデータから、自民への逆風の強さがはっきり表れた。自民を支持すると答えた層の割合は全回答者の26%。自民が大勝した昨年夏の参院選で実施した出口調査での36%と比べると、約1年で大きくしぼんだ。それでも支持層の割合では都民ファの24%と互角だった。ただ、実際の候補者への投票行動でみると、小ぶりになった支持層すら固められていない実態が浮かぶ。自民支持層のうち、自民の候補者に投票したのは67%と、7割を切った。4分の1は、都民ファや公明など、小池氏の支持勢力の候補者に投票していた。
一方、小池氏支持勢力の候補者は、都民ファ支持層をほぼ固めたうえ、無党派層(全体の21%)の過半数の52%を取り込んだ。無党派層の投票先を候補者の政党別にみると、都民ファ35%、共産17%、自民13%、民進10%、公明8%の順。無党派層に限れば、共産の候補者は、自民を上回る支持を得ており、安倍政権も小池知事も支持しない層の受け皿になっている様子がうかがえる。民進支持層も参院選時の18%から7%に大きく減ったが、無党派層の一定の支持を受けた。
今回の都議選では、自民との選挙協力を打ち切り、小池知事の支持に回った公明の支持層の票の行方が注目された。公明の候補者が出なかった21の選挙区で、公明支持層がどの政党の候補に投票したかを見ると、都民ファなど小池氏の支持勢力に77%、自民候補は17%にとどまった。共産候補、民進候補にはともに2%だった。年代別で、自民候補に投票した割合が特に低かったのは50代の11%、60代が12%だった。男女別では男性の15%、女性の20%が自民候補に投票した。1人区をみると、都民ファの候補者は中央区で公明支持層の81%、昭島市でも83%の票を集め、自民候補に大差をつけた。2人区でも、渋谷区で都民ファ公認候補と都民ファ推薦無所属候補に公明支持層票の38%ずつが配分され、ともに当選。選挙協力は功を奏し、自民候補を下した。
1999年に自民と公明が連立政権を組んで以来、各種選挙で公明支持層は自民を強力に支援してきた。東京都内はもとより、全国の衆院小選挙区で公明支持層の7割前後が自民候補に投票するのが常態であり、自民候補がそんな「高げた」を履くのが当たり前のような選挙が続いた。今回、その「高げた」が消えたばかりか、相手候補に渡ってしまった。公明の候補者が出なかった21選挙区で、自民は前回22議席を獲得していたが、それが7議席に減った。公明依存の選挙を続けた自民は大きなツケを払わされた。(朝日新聞:7月3日)


都議会議員選挙について考える。


過去の選挙結果を確認することにする。投票率と、主要政党の獲得議席数の推移を下に示す。

■ 都議会議員選挙投票率と政党獲得議席数推移
  投票日   投票率   自民  共産  都ファ  公明  民主  民進  ネット  諸派   無所属
  1989年   58.74%   43    14   ―    26
  1993年   51.43%   44    13   ―    25
  1997年   40.80%   54    26   ―    24    12    ―    2     1     8
  2001年   50.08%   53    15   ―    23    22    ―    6     1     7
  2005年   43.99%   48    13   ―    23    35    ―    3     1     4
  2009年   54.49%   38     8   ―     23    54    ―    2     2     2
  2013年   43.50%   59    17   ―    23    15    ―    3     7     1
  2017年   51.28%    23    19   49    23    ―    5     1     1     6


1989年と1993年の政党は、古い名前でその後統廃合があったので省略した。1997年以降の諸派はその他の政党の意味で、無所属は政党系のものもあるが、選挙時の扱いのままになっている。
組織力のある支持母体は、公明党や共産党に代表される。自民党支持者も組織力は高いだろう。一般に、新党が風に乗って高く上がる場合には、支持母体のしがらみの乏しい、所謂無党派層の投票が重要になる。つまり、組織力に優る政党は、投票率が低いと有利であるということになる。公明党の獲得議席数は安定していて、創価学会の政治の本丸が東京都にあると認識されているのだから、強いのは当然と言える。共産党は投票率が低いときに有利にも見えるが、そうとばかりは言えない結果になっている。共産党が評価される時期というのもあるようだ。一方、自民は投票率の低い1997年、2013年に大勝している。何だか分からなくなったので、42選挙区について、最下位で当選した候補者と、次点になった候補者の政党でまとめた。結果を下に示す。

■ 最下位当選と次点候補の政党
    政党名        最下位当選    次点
  自由民主党           15        29
  都民ファーストの会       7        1
  無所属              6        5
  日本共産党           8        2


最下位も次点も自民党が多い。前回大勝しているから、候補者を絞ることも出来ない事情もある。そこに逆風要因に事欠かない状況が発生すれば、自民党候補が複数ある選挙区で共倒れのケースも出てくる。都議会議員選挙が選挙制度の複雑さから、政党選挙である部分と、そうでない部分とが同居している。
自民党の次点がすべて当選すれば、52人当選となるのだが、最下位当選も自民党のケースがあるから、理論上の話としても破綻している仮定になる。単純な議論が可能な7つの1人区について確認してみる。自民党は、前回の選挙で7勝したのに対し、今回は1勝しかできなかった。長くなるが結果を下に示す。

■ 1人区の選挙結果
  千代田区
     ひぐちたかあき  都民ファーストの会     14,418
     中村あや      自由民主党          7,556
     須賀かずお    無所属             2,871
     ごとうてるき    国民ファーストの会       602
  中央区
     西郷あゆ美    都民ファーストの会     25,792
     石島ひでき    自由民主党          17,965
     森山高至     無所属             8,736
     立石はるやす   無所属             6,842
     さいとうかずえ  希望ファーストの会     1,347
  武蔵野市
     鈴木くにかず   都民ファーストの会     27,515
     松下玲子     民進党             22,493
     島崎よしじ     自由民主党          14,443
  青梅市
     森村たかゆき   都民ファーストの会     31,603
     野村有信     自由民主党          19,948
     つるた一忠    無所属             5,433
  昭島市
     内山真吾     都民ファーストの会      24,639
     中村たけし    自由民主党          12,544
     奥村ひろし    日本共産党          5,897
  小金井市
     つじの栄作    都民ファーストの会     16,039
     漢人あきこ    無所属             13,531
     広瀬まき     自由民主党          11,293
     朝倉法明     無所属             4,879
     うちこが宏     無所属             1,242
  ☆島部
     三宅正彦     自由民主党          8,804
     山下崇       都民ファーストの会     4,100
     綾とおる      日本共産党          1,225


今回の選挙で、公明党は都民ファーストを応援する立場を取っている。前回まで自民党に流れていた票が、そのまま都民ファーストに流れたことになる。1人区での公明党の票数は5,000票と考えると、自民党と都民ファーストとの差が1万票差なら、公明党との選挙協力が反転すると逆転ということになる。
それぞれの区議、市議の公明党の割合を確認すると、
  千代田区  2人 (定数25)
  中央区    4人 (定数30)
  武蔵野市  3人 (定数26)
  青梅市    4人 (定数24)
  昭島市    5人 (定数24)
  小金井市  4人 (定数24)

となっている。中央区と、青梅市、昭島市、小金井市は公明党の動きが違えばひっくり返りそうな印象である。この手の IF に意味がないのは承知しているが、確実な事実として、自民党の組織力が低下し、公明党との選挙協力を失うと、当落線上であった候補者が、泡沫候補に近い位置まで下がるということである。公明党側でも、自民党のタカ派的な政策に協力することで、公明党の周辺に多くある所謂F票を失ってきたデメリットもあるだろうが、政権与党であることの利権に関わるというメリットの大きさを考慮すれば、埋め合わせして余りがあるというのが現状分析であろう。つまり、自民と公明の選挙協力による利点を失わせると、結構自民は厳しいという現実が計らずも提示されたということである。
国政では自公の体制は変わらないということになっているが、内閣にすり寄るより生きる道がなかった議員が、それでは助からないと悲鳴を上げて流動化する可能性があるのだろう。それの良し悪しは予測不能なのだが、選挙命で生きる人達の価値観を理解しない者には、余りに難解な問題であるということは容易に想像が付く。


都民ファーストが国政に進出となれば、維新の会と同じように失敗するのは確実だ。

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