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2017年2月 3日 (金)

受刑者の手紙を無断廃棄、看守を停職処分 大阪刑務所

大阪刑務所(堺市)は2月3日、受刑者の手紙を無断で廃棄したなどとして、法務事務官の男性看守(37)を停職3カ月の懲戒処分にし、発表した。
大阪刑務所によると、男性看守は2015年6月ごろから16年3月にかけ、受刑者から頼まれた手紙11通や臨時福祉給付金申請書18通などを送らなかったり、受刑者のノート1冊などを無断で廃棄したりしたという。受刑者は20人に上り、男性看守は「事務手続きが面倒だった」と話しているという。渡辺昭太郎所長は「矯正行政への信頼を損ねるもので誠に遺憾であり、深くおわび申し上げます。再発防止に努めてまいります」との談話を出した。(朝日新聞:2月3日)


法務事務官について考える。


法務事務官というのは、法務省で働いている事務官のことを指す。刑務所で看守をしている職員は、刑務官ということになる。刑務官は、法務省矯正局の国家公務員で、当然のことながら7つの階級がある。看守とあるから、一般職員ということになる。この上に、主任看守という肩書があり、その上が看守部長となる。昇進は、それぞれ十年、十年というところだという。今回の看守は、高校を卒業して職に就いたとすれば二十年近くになる。主任の肩書が付いていなかったとすれば、勤務成績が良好ではなかったということになる。大阪刑務所は規模の大きな刑務所であるから、所長は刑務官の最高階級である矯正監となる。

大阪刑務所について確認する。刑事施設 (刑務所、少年刑務所、拘置所) には、収容分類級が設定されている。収容する受刑者を区分して、矯正の確実な実施を目指すということなのだろうが、主とした目的は、類似したグループを作って効率的に運用することになるのだろう。大阪刑務所は、B (犯罪傾向の進んでいる者)、F (日本人と異なる処遇が必要な外国人)、LB (執行刑期が10年以上である者で再犯受刑者) を対象にしている。外国人を扱う刑務所は少ないので別にすると、再犯者で刑期が長い受刑者、一般的には暴力団関係者などが収容される施設である。以前は、B、Fであったから、厳罰化の流れで、長期受刑者の増加があったということだろう。
刑務所の受刑者には当然のことながら制限がある。しかし、手紙の発受については、原則として誰とでもできることになっている。自由刑であるのだから、何も制限がないということもない。刑務所での制限について確認する。受刑者の優遇区分と関連付けられているので合わせて考える。下にまとめたものを示す。

■ 受刑者の優遇区分と制限
  分類    テレビの視聴         嗜好品(菓子)    集会     手紙の発信   面会
  1類      自由視聴         月2回自費購入可   出席可     10通/月    7回/月
  2類      自由視聴         月2回自費購入可   出席可     7通/月     5回/月
  3類    平日夜 休日朝・夜     月1回自費購入可   出席可     5通/月    3回/月
  4類    工場出役者のみ      購入できない     出席不可    4通/月    2回/月
  5類    工場出役者のみ      購入できない     出席不可    3通/月    2回/月
    ※  夜:18時~21時、朝: 8時~10時


優遇区分は、5段階ある。数字が小さい方が自由度が大きく、大きな方が制限が強い。受刑者は拘置所で刑が確定した時点で「暫定5類」となり、移送先施設での新入教育が終わると「暫定4類」になる。その後、半年ごとに実施される査定まで無事故・無違反だと3類になる。刑が確定したらすぐに移送されると思ったら、拘置所に半年以上いる場合もあるそうだ。刑務所に移って教育を受けると3類ということだから、基本は3類で懲罰を受けて下がるという理解で良いだろう。なお、3類から2類へ上がるには2年懲罰なしが求められるという。この手の話は、公式発表がないので、噂話以上の確からしさを求めようがないのだが、それ程間違った話でもなさそうだ。短期刑で懲役3年だとすれば、2類になるのと、仮釈放の検討がされる時期が同じくらいになる。つまり、2類というのは長期刑での話ということだ。噂話の続きとして、1類はほぼいないというのがあった。法務省では適切な運用を指導しているが、数値目標を設定している訳ではないし、受刑者の違いがあるから同一基準で語れない事情もある。保守的な運用がなされる機関であることも考慮すれば、1類がないというのは正しい気もしてくる。

大阪刑務所は外国人は横に置くとして、再犯者と長期刑の再犯者がいる刑務所である。受刑者の問題行動の頻度が高い可能性を否定はしないが、それで認められている手紙の発信が出来ないというのは問題である。臨時福祉給付金申請書は、税金を払っていない人に3千円が支給される制度に関係する。3千円に過ぎないと考えるのは間違いで、3千円あれば嗜好品の購入に充てられる。懲役で行われる作業の月給が千円に満たない場合があることからすれば大きなお金である。適切な作業を求めたい。


地裁での判決を不服として控訴する場合がある。刑事事件で八割は控訴棄却となる。控訴は無意味な作業、無駄なあがきに思えるのだが、意味がある部分があるという。地裁で判決が確定した場合に、刑務所はその地裁に近いエリアのものになる。一方、控訴すると高裁で審議され、確定したとなると、刑務所のエリアが異なる場合がある。待遇の違いが現実にはあるので、良い刑務所へ行けるように控訴するということである。有効になる場合は限られるようだが、藁にも縋るというのはこういうことを指す言葉ということだ。しかし、このような作業は無駄でしかない。刑務所の設備の新旧によるものは時間を要するにしても、刑務官の差による部分は努力しろがありそうだ。


厳罰化を求めても、刑務所の状況には無関心。それで良いのか。

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