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2017年2月14日 (火)

ニコンの17年3月期、最終赤字90億円に拡大 デジカメ不振

ニコンは2月13日、2017年3月期の連結最終損益が90億円の赤字(前期は182億円の黒字)になる見通しだと発表した。従来予想から赤字が30億円拡大する。市場の縮小でデジタルカメラの販売が計画を下回る。新商品の発売中止に伴う棚卸し評価損などの計上で構造改革費用も膨らむ。
「短い間にも市場は厳しさを増している」。同日開いた決算説明会で牛田一雄社長はカメラなどの市場環境について、こう語った。売上高は前期比8%減の7500億円、営業利益は39%増の440億円を見込む。それぞれ従来予想から500億円、50億円下方修正した。主因はカメラ関連事業の想定以上の減速だ。スマートフォン(スマホ)などの普及でカメラ市場は急速に縮小している。今期のカメラの販売台数はレンズ交換式で23%減の310万台、コンパクト型では49%減の315万台となる見通し。従来予想からそれぞれ15万台、30万台引き下げた。加えて、昨秋発売した、全方位の映像などの撮影ができる「アクションカメラ」が振るわない。スマホなどの機器との接続性で顧客からの評価が低く、販売が想定の半分になる見通しという。(日本経済新聞:2月13日)


ニコンについて考える。


最近ニコンがニュースに取り上げられた事例として、高級コンパクトカメラDLシリーズの発売の中止を決めたこと、希望退職者を募集した結果、1000人の予定に1143人が応じたことがある。前者は前にも発売延期をしているから、この製品の市場がそう大きくはないこと考慮すれば、経営判断として必然ではある。問題なのは、社内事情に明るい社員が辞めた方が良いと判断して、予定数より多いということである。ニコンのセグメント売上高と利益の推移を確認する。結果を下に示す。

■ ニコン3月期決算セグメント売上高推移 (単位:百万円)
   年      精機      映像   インストルメンツ メディカル
  2017予   248,000    380,000    76,000     19,000
  2016    182,416    520,484    77,242     18,311
  2015    170,757    586,019    72,381      ―
  2014    205,946    686,005    65,609      ―
  2013    179,962    752,034    54,978      ―
  2012    249,001    588,477    57,637      ―
  2011    209,362    597,426    59,253      ―
  2010    150,823    569,988    46,025      ―
  2009    221,375    597,413    46,415      ―
  2008    291,891    588,110    61,240      ―
  2007    292,562    449,790    61,170      ―

■ ニコン3月期決算セグメント利益推移 (単位:百万円)
   年      精機     映像   インストルメンツ メディカル
  2017予   48,000    25,000     1,000     -6,000
  2016     14,607    45,751     2,819     -4,675
  2015     8,355    56,698     1,199      ―
  2014    20,079    64,284    -2,156      ―
  2013    13,090    60,711    -4,977      ―
  2012    42,723    53,971    -3,166      ―
  2011     2,711    52,331    -5,247      ―
  2010    -58,557    52,116    -9,330      ―
  2009     8,041    40,039    -2,723      ―
  2008    43,348    83,973     4,081      ―
  2007    49,320    45,678     5,122      ―


2017年3月期予想は、映像を除いて前年と同等か良くなっている。液晶パネルや半導体の製造装置事業は、映像事業に比べて利益を出しそうだから、明るい未来が描けるのかなと思ったが、それは過去の知識による判断ということのようだ。台数が限定される市場特性であり、標準品とされれば安定受注が見込め利益も大きくなるが、その逆になると市場を失うというものである。過去にニコンが露光装置市場で優勢だった記憶が刷り込まれているので、現在もそして未来もそうなのだろうと思ってしまう。これはある種の思考停止スイッチと言える。ニコンが決算資料で公表している市場規模を下に引用する。


■ ニコン決算説明資料より市場規模見通し
                                 2016年    2017年    2017年
                                 実績    Q2時⾒通し Q3時⾒通し
半導体露光装置販売台数(新品/中古、台)
                     市場規模       220       210       210
                     ニコン        14/21     26/16     24/10
FPD露光装置販売台数(台)
                     市場規模       80       120       128
                     ニコン         46        92        92

レンズ交換式デジタルカメラ(万台)
                     市場規模      1,304     1,200      1,150
                     ニコン         404       325       310
交換レンズ(万本)
                     市場規模      2,134     2,000      2,000
                     ニコン         590       475       460
コンパクトデジタルカメラ(万台)
                     市場規模      2,079     1,350      1,300
                     ニコン         623       345       315


露光装置の受注見込みを製造している会社が公表しているのだから、この先期待できないということは確かな話である。半導体系の技術情報誌にもニコンの劣勢が記事になっている。それではと、映像事業のカメラ関係の市場見込みを確認すると、芳しい数字が示されていない。デジタルカメラの現状は、最新のスマートフォンに付いたカメラとの性能差を示し難くなっている。スマートフォンが苦手なのは暗い被写体であろうが、これとて昔ほど画像の乱れが大きくない。固定レンズと高い処理能力のプロセッサの組み合わせは、ソフトウェアによる画像補正を強力に行うことが可能となる。光学的な映像を結ぶという従来技術に対するアドバンテージである。レンズ交換型ではレンズ特性が決まっていないから、最適化が十分に行き届かないだろう。光学ズーム機能も、補正するには不利な要件になるのだろう。つまり、市場は縮小方向で、ニコンは更に競争力を落としている。
高級コンパクトカメラDLシリーズは、レンズ交換式の一眼レフとの部品共通化を達成する前に企画されたのだろう。画像処理用ICの不具合が延期の原因で、その後、問題が深刻化して市場規模と合わせると、商品性に乏しいと判断されて中止に至っている。このICはそのままではないにしても他のモデルで使用されることだろうが、大幅な見直しが成されていることからすると、すべて見直し対象になるのかもしれない。2016年4月に発売予定であったCOOLPIXシリーズが、最大で10月まで販売延期になった例があるから、ニコンのデジタルカメラ部門の開発のリソースは少々心許ない状況であるように見える。加えて、今回の希望退職者の数からすると、更に影響が出るかもしれない。
ニコンのカメラ部門は、組織の大幅な見直しと、製品ラインナップの整理縮小が求められる状況なのだろう。しかし、決算資料などでは成長産業に位置付けられるメディカル関係も思ったような数字を出していない。暫くは厳しいと見て良かろう。


日本のデジタルカメラ会社はもう一段減るのかもしれない。

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