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2017年1月27日 (金)

改ざんに計上ミス…揺らぐ政府統計

政府の統計が揺れている。経済産業省の繊維流通統計では改ざん、国土交通省の建築着工統計では計上ミスが相次いで発覚。政府内で統計の司令塔的な役割を担う総務省の統計委員会は1月27日、これらの事態を重くみて、両省が報告した原因と再発防止策を検証した。浮かび上がるのは各省で統計に基礎的な知識を持つ人材の不足と統計軽視の姿勢だ。
「はっきり言って捏造ですよ。犯罪に限りなく近い」。統計委員会の西村清彦委員長は怒りをあらわにした。出席した有識者からは「政府一丸となって統計改善に取り組む矢先の問題」「公的統計全体の信頼を揺るがす」などと危惧する声が相次いだ。「信頼性を損ないかねない、心からわびる」。経産省の糟谷敏秀製造産業局長が事態を報告して謝罪。統計法の研修、チェック機能の強化といった再発防止策を説明した。「局長が出るのは極めて異例。それだけ事態が重大ということだ」(統計委員会幹部)。会議は予定の終了時刻より30分長引いた。
事態は調査票の電子化などを請け負っていた業者が昨年11月に経産省を訪れ、集計結果と公表結果が違うと指摘して発覚した。調査対象は約730社としているが、うち315社は指定された名簿に載っていない業者を形式的に追加。実際に回答が得られたのは257社しかなかったため、担当者が過去の回答を流用して回答数を水増し。さらに6年間かけて水増しした分を徐々に減らそうとした。改ざんは12年からなされていたことが確認されたが、それ以前のデータは既に破棄され、改ざんの有無も把握できなかった。(日本経済新聞:1月27日)


政府統計について考える。


このブログの用いている数字の多くは、国がまとめて公表している数字によっている。企業の決算資料からの引用も多いが、適当な数字が無い場合には、民間の調査会社が発表している数字を継続的に引用してまとめているものもある。最後のは著作権上の問題があるかもしれないが、一般向けに公表しているものであるから良しとしている。国の発表している数字のありがたさは、通常の使用で著作権上の問題が生じないことにある。出典を明らかにする必要があるが、出典も記載しないで書くこともあるまい。
さて、政府の統計で改ざんがあったという話である。利用者の立場からすれば、間違えている数字なら、発表しない方がましということである。これ以外の結論はない。そして、国の政策を決定する、あるいは、過去の政策の有効性を検証する、客観的な数字である統計が恣意的に作られたのであれば、何をかいわんや、ということである。

今回の記事で、経産省の内部の調査によると、報告書では一連の処理が課長まで了解を得た上での組織ぐるみの対応であることが明らかになったという。組織ぐるみで不正をされるというのは、外部からすると分からない。内部調査が行われたのは、内部通報があったからだろう。こんなことではいけないと思ったのか、上司が気に入らないと感じたのか、動機はさて置くとして、行動した者には敬意を払うこととしよう。これらの統計が直接的に影響する部分は小さいだろうが、間接的な影響としては、GDP算出の基礎に用いられる数字にもなるから、金融市場への影響はないとは言えない。そして、金融市場というのは何かの切っ掛けで大きく動くものだから、とても大きく相場を上下する因子にもなる。それは間接的なもので、他の要素でも起こり得るという論理は、正しい仕事をしていることを前提にした上で主張できる論理である。仕事をしていると思っている善意の三者には、はた迷惑な行為によって損害が出たと言われても仕方ない。これを法廷に持ち込んでも弁済する判決は下りないだろうが、それで許される話にはならない。

結局、大きな変化のない産業の調査は、手間が掛る割に統計全体に影響しないからということが動機になるのだろう。繊維産業が大きな産業であったというのは、オイルショックより前の話である。ここ四半世紀についていえば、衰退傾向だが、企業の統廃合も進み、設備の圧縮も一定程度達成されたから、変化が乏しいという事情なのだろう。
建設関係も、公共事業投資が抑えられて長く、正しく調査した数字と、昨年の数字を見做しで使った場合とで、差が統計に表れないような状況もあったのだろう。この変化の少なさを正しく認識すれば、東日本大震災の復興や東京五輪向けの事業投資が、世の中の景気を引き上げるには力強さに欠けるという判断に至る筈なのに、由緒正しき和歌山の土建屋政治家の発言に見られるように、半世紀前の頭で、国土強靭化計画の実行が景気を良くすると信じている。国土強靭化を政治信条とするのは否定しないが、景気に貢献するのは否定する。景気回復に貢献し掛ければ、十年間の投資計画として公表するような行動が求められる。自分の息子に先行きのくらい仕事をさせたくないという親の気持ちをくむが良い。

国交省の場合には、公式には外部からの指摘としている。外部は日本銀行なのだが、実際は内部が関係しているだろう。内部といっても、外部に依頼する部分が多いし、これとて予算が削減されている。つまり、安い金額で大きな仕事をしなければならず、役所の内部で評価が低い統計職員が、志だけで仕事を正しく進められないということである。
これは、この国の抱える問題として、結構本質をついているのではないだろうか。


統計調査結果だけは信じるに足りるものにして下さい。

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