« 「初乗り410円」きょうから 都心部のタクシー | トップページ | 「森のくまさん」替え歌、訳詞者と販売元が「円満解決」 »

2017年1月31日 (火)

女性正会員排除のゴルフ場、五輪相「男女平等を考えて」

2020年東京五輪のゴルフ会場となる霞ケ関CC(埼玉県川越市)が女性を正会員に認めていないことについて、丸川珠代五輪相は1月31日の閣議後の記者会見で、「オリンピック憲章に掲げる『男女平等原則』を五輪成功のために重要に考えるべきだ」と述べ、霞ケ関CC側に対応を促した。
霞ケ関CCは現在、女性は正会員になれず、原則、日曜日にはプレーできない。国際オリンピック委員会(IOC)は今月27日、大会組織委員会に対し「現状は差別を認めないIOCの精神に反している」とする見解を示し、改善を求めていた。丸川五輪相は「(霞ケ関CCが)前向きに検討していると聞いている。ぜひ、憲章にかなう形で結論が出ることを望んでいる」と指摘した。霞ケ関CCをめぐっては、東京都の小池百合子知事も13日の記者会見で「21世紀のこの時代、女性が普通にプレーできないのは非常に違和感を感じる」と述べていた。(日本経済新聞:1月31日)


ゴルフ場の会員権について考える。


ゴルフ場には会員権というのがある。会員制のゴルフ場では、会員でなければプレーできない。会員制でないゴルフ場もあり、パブリックコースと呼ぶ。パブリックコースの数を確認しようとしたが上手くいかなかった。日本パブリックゴルフ協会のサイトにあるコース数が83となっているので、これよりは多いのだと思う。ところで日本のゴルフ場というのは幾つあるのかという基本的な疑問に行き着いた。一季出版発行のゴルフ場企業グループ&系列-ゴルフ特信資料集 (2016)によると、1471コースとある。一方で、日本ゴルフ場経営者協会の資料によると、ゴルフ場の推移として2015年で2,317コースとなっている。この資料では、2002年の2,460コースが最大になっているから、若干の減少があるということになる。過去の推移を同じ資料から確認した。結果を下に示す。

■ 国内のゴルフ場、利用者推移
   年   ゴルフ場数  延利用者数(千人) 利用税額(百万円)
  1960     195        4,508         1,069
  1970     583       20,500        11,246
  1980    1,416       54,088        55,711
  1990    1,818       95,193        90,400
  2000    2,443       90,000        81,445
  2010    2,432       88,092        54,640
  2015    2,317       87,753        47,523


バブルの頃が利用者が最大であった。当然の如く利用税額も最大である。その後、ゴルフ場は増えたのに利用者は減少している。ゴルフ場の経営状況というのは、この数字に表れるような状況と思って良さそうだ。

ゴルフ場の会員権というのは、幾つかの形態がある。九割は預託金会員制と言われる。預託金証書を発行する方法である。会員権といえば、これだと思って良い。会員権の譲渡は予定されているので、後の株主会員制に比べれば寛容ということになる。
この他には、株主会員制というのがある。ゴルフ場が公益法人の認可を取れない事情が生じたことで広まったと言われる。非営利の公益法人がダメだから、営利目的の株式会社にするというのもおかしな話だが、世の中におかしなことなど幾らでもある。株式なら売買は自由に行えないと、他の法律との整合性で具合が悪い。そこで行き着いたのが、名義書換料なる高額なペナルティを設定するという方式である。気持ちとしては、会員権を譲渡して欲しくないということだ。
公益法人制度のゴルフ倶楽部は、会員が社団法人の社員として自主的にゴルフ倶楽部の施設の運営を行う形態のものである。ゴルフを愛好する目的で、愛好者が集まり、必要な費用は公平に会員が負担し、終身会員を貫くと言う精神で成り立っている。これによりゴルフクラブへの愛着、責任、貢献の精神が生まれるという考えである。スコットランドでの原理的な思想に従っていると言える。全国に40くらいあるそうだ。この方式では、予想される通り会員権には金銭的な価値はない。昭和30年頃までに認めれらた法人があるが、多くは戦前のものであるという。一部では、会員の資格の変更(相続・譲渡)を認めるようになったが、ほとんどは一代限りの終身会員制度である。

会員になるのも、会員権を買えば良いというだけではなく、様々な要件が加わる。代表的な例としては、現在の会員の推薦があること、ゴルフ場に近い地域に居住していること、というのがある。もう少し加えると、オフィシャルハンデキャップ証明を求めるところもあるし、他のゴルフ場の会員であることというのもある。この辺りまでは、資格審査でありそうな話であるが、国籍、性別、年齢というのが設定される場合もある。年齢は35歳以上というようなものが代表的である。性別は男性のみ、国籍は日本国籍ということになる。反社会勢力という呼称で差別される暴力団員は、プレーすると詐欺罪になるというスポーツなので、会員権を取得できる筈もない。暴力団組織が、法人会員になっていたら難解な話になるが、複雑な例外を考えても仕方のないことではある。(この先に、暴力団が公益法人としてゴルフ場を運営するという話が続くのである)
審査で落ちて会員になれない理由が、性別であるのは差別だという主張は合理性がある。ゴルフ側の論理としては、女性用の設備が十分でないと主張するのだが、それなら、ビジターの女性数を管理しているかと問われれば、十分に実施しているとは言えないだろう。過去からの慣習としてそうしているという理屈でしかない。恐らく、審査にオフィシャルハンデキャップ証明や居住地域で問題があっても、推薦者が大物であれば柔軟と言う名の二重基準を持ち出すだろうし、年齢が未達であっても、何年かすれば達すると解釈するだろう。そんなことは決してないというなら、推薦人を求める根拠はどこにあるのかと問いたい。さすがに、性別は決まっているから、解釈変更をするのは躊躇われることだろう。プレーの制限でないからと言い訳するのだろうか。

会員の制限が問題になるのは、所謂名門コースである。新しいゴルフ場は、集客重視であるから、制限を無暗に加えない。経営に貢献する会員以外のプレーを推奨するような方式を取っているゴルフ場もあるという。会員を含まずともプレー可能というのは、会員権というのは何の意味があるのかという問題にもなる。それだけ、ゴルフ場に客が来ないということである。
記事の霞ケ関CCは、公益法人である。女性のプレー制限 (日曜日は不可) はしていないから、正会員に女性がなれないというのは、そこまで厳しい差別でもない。だいたい、正会員になるには平日会員を三年以上経過して、という条件がある。他に家族会員もある。会員になるには百万円の単位の支払いが必要で、会員資格の譲渡や相続も不可の一代限りのものである。この鼻持ちならない制度が、伝統という名で尊敬されるのだから、平等、公正という名のもとに議論する性格の問題ではない。
丸川が五輪憲章をたてにして主張するなら、正会員についてではなく、日曜日のプレーの方だろう。それとも、文科省から公益法人の資格取り消しでもちらつかせて、脅すという方法でも取るのだろうか。そもそも、若い人がプレーするようなゴルフ場でもないし、形式的な議論をしているに過ぎないと感じる。


霞ケ関CCはオリンピックを辞退すれば良い。

« 「初乗り410円」きょうから 都心部のタクシー | トップページ | 「森のくまさん」替え歌、訳詞者と販売元が「円満解決」 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「初乗り410円」きょうから 都心部のタクシー | トップページ | 「森のくまさん」替え歌、訳詞者と販売元が「円満解決」 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ