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2017年1月 6日 (金)

ベストセラーに出版差し止め命令 新書「日本会議の研究」

ベストセラーの新書「日本会議の研究」によって名誉を傷つけられたとして、書籍に登場する男性が、出版元の扶桑社に出版差し止めを求めて申し立てた仮処分で、東京地裁(関述之裁判長)は1月6日、真実でない部分があり損害も著しいとして、差し止めを命じる決定をした。
裁判所がベストセラーの出版を差し止めるのは異例。日本会議の研究は昨年出版。保守系団体の日本会議と特定の宗教団体の関係を探り、安倍政権による改憲に向けた動きを批判する内容で、各書店でベストセラーランキングの上位に入った。(共同:1月6日)


出版差し止めについて考える。


記事の書籍は、保守系団体「日本会議」の沿革や活動をまとめた内容で、元幹部について「(同団体を)支配する人物」などと記している。また、元幹部の宗教団体での活動に関する一部記述についても、「著者は元幹部に取材自体を行っていないと自認しており、第三者に取材したという資料も提出されていない」と裁判長が指摘している。この結果、真実ではない可能性が高いと判断され、元幹部が受ける損害を避けるために販売差し止めが必要だとする結論に至っている。出版の差し止めの仮処分を裁判所が認めるのは、かなり珍しい例のようだ。
裁判所は、当該書籍で記述のある6箇所について、真実ではないとする原告の主張について判断している。判決で、このうち5箇所については訴えを退けたが、1箇所については真実ではない蓋然性があるとした。その結果、裁判長は、「販売を継続することで男性は回復困難な損害を被る。問題の部分を削除しない限り販売してはならない」とした。随分大胆な判断を行ったものである。原告が6箇所を主張したが、過去の例からすれば、この程度で出版停止の処分が出るとは思えない。しかも、認められたのが1箇所に過ぎないから驚く。
百田尚樹の『殉愛』の記述をめぐって故・やしきたかじんの娘が起こした名誉毀損裁判があった。この裁判では、長女が発行元の幻冬舎に出版差し止めを求めたが、東京地裁は4件でプライバシー侵害と名誉毀損を認めたものの、差し止めに関しては「頒布することで原告が被る不利益は大きいが、回復するのが著しく困難と認められない」として棄却している。この程度が相場である。つまり、百田がいくらデタラメな記述をしようとも、それでも出版差し止めという表現の自由の剥奪には至らぬと考えるのである。
今回の裁判は思い切った領域に踏み込んでいる。その割に、大きな話題にならないのが不思議な話ではある。


司法も政府の顔色を窺うようになったのか。

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