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2017年1月30日 (月)

「初乗り410円」きょうから 都心部のタクシー

東京都心部(23区と武蔵野市、三鷹市)のタクシーの初乗り運賃が1月30日から、「約1キロ410円」となる。現行の「2キロ730円」から大きく変わり、短距離の利用は値下げ、長距離は値上げとなる。
今回の運賃変更は、初乗り(1.052キロ)運賃を380円から410円まで、10円刻みの4種類から業者が選ぶ仕組みで、ほぼ全業者が410円を選択した。全国の都市部では最安値だ。初乗りの距離を超えると、走行237メートルごとに80円が加算され、時速10キロ以下のときは90秒ごとに80円かかる。計算上は、2キロ弱まではこれまでより安く、6.5キロ以上になると割高になる。2キロ弱~6.5キロは、ほぼ変わらない。30日午前0時以降に仕事を始める車両が新運賃の対象となる。料金メーターの設定変更が必要となるため、29日から継続的に営業している一部のタクシーは、30日も旧料金で営業することになるという。(朝日新聞:1月30日)


タクシー料金について考える。


都市部で、短い距離の利用を推進するように、料金の値下げを行ったというものである。田舎の老人の利用とかは無関係だし、値下げ競争の激化で問題になった京都などの例とも異なる話である。初乗りが安くなって利用する人が増える可能性はあるが、どの程度あるのだろうか。
今回、料金の見直し対象になった地域は、タクシー台数が全国に比べて減少している地域である。タクシー乗務員の待遇が悪い状況を改善するには、台数の制限を行うというのが、一つの方法なのであるが、規制緩和による競争原理の導入が料金を下げ、サービスを向上させるエンジンであると信じて、行政が監督するのは安全面などに限定するというのが近年の流れである。行政には価格を下げるには競争原理か、価格指定かのいずれかしかないと信じる集団であるから、後者が採用できなければ前者になるということになる。

役所が市場価格を安く誘導する必要はなく、売上高が増えて税金が増えるのならば、価格設定に関しては無関係であった。ただし、過当競争が安全性に影響する場合も懸念されるというお題目を掲げて、同業各社の談合を表面上隠した形で調整の指揮していた時代があった。今にしても思えば幸せな時代である。関税で守られた国から、開国するように諸外国、といっても米国なのであるがここには逆らえないから、関税の見直し、サービスに関する行政の支配の排除、という自由競争が加速した。マスコミは価格が安くなるとはやし立てたが、自由競争の導入だけで完成する筈もない。価格競争が労働環境の悪化に繋がり、結果は安全軽視による事故の誘発となるだけだ。別の事例に、銀行や損害保険業界がある。大蔵省監督下で仕事をしていたものが、外資の参入が容易になり競争市場になったように表面上はなっている。しかし、金融庁の免許業務として監督する必要性は高くある。それが理由ではないのだろうが、サービスの価格設定に調整を行うことは官製談合になるからしないにしても、実態はそれ以前の状態と変わらない。ATMの引き出し手数料がどこも同じ理由をどう説明しよう。損害保険には外資が多く参入したが、民族資本との関係を持たないと国内市場へのアクセスが悪いという状況もある。これと同時に、この国で市場の縮小が始まり、景気の低迷が続く状況では活躍する場所も見出せない。

東京でタクシー業務を行う労働環境が改善したかというと、良くない状況が続いている。価格競争が過剰になった京都の例に比べれば常識的なレベルであろうが、タクシー台数はもう一息減らす必要があるだろう。一方で、地方ではタクシーがなかったり、予約しなければならないという利便性の低さがある。これこそ自動運転を導入した方が良いところである。短い距離を利用するようになって、駅前にタクシーが溢れている状況が改善しなければ、売上は減少することになる。恐らく、横ばいにとどまると思うが、何もしない訳にもいかない事情に同情しなければならないということかもしれない。


得する人が見えてこない。

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