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2017年1月16日 (月)

豊洲移転の行程遅れ必至 専門家会議、3月までに再調査

東京都の豊洲市場(江東区)の土壌汚染を調べるため、都が2年間続けてきた地下水検査の最終結果が1月14日公表され、環境基準の最大79倍の有害物質が検出された。調べた敷地内の201カ所のうち72カ所から基準超の物質を検出した。ほとんどが基準値以下だったこれまでの結果と大きく異なることから、都は原因を詳しく調べる方針。築地市場(中央区)からの移転に向けた行程が遅れるのは必至だ。
小池百合子知事は14日、記者団に「想定を超す値で驚いた。今後の方向性を(安全性を検討する)専門家会議などで議論いただき、日程もその結果次第」と話した。「食の安全重視」で移転を延期した小池氏は難しい判断を迫られる。結果によると、検出されたのはベンゼン、ヒ素、シアンの3種類。地下水1リットルあたりの濃度を観測した結果、ベンゼン(環境基準は0.01ミリグラム)は35カ所で最大0.79ミリグラム、ヒ素(同)は20カ所で同0.038ミリグラム、シアン(環境基準は「不検出」)は39カ所で同1.2ミリグラムをそれぞれ検出した。環境省の資料によると、基準値は1日2リットルの地下水を70年飲み続けても健康に有害な影響がない濃度とされる。水銀と鉛は検出されなかった。(朝日新聞:1月15日)


豊洲問題について考える。


東京ガスの跡地だから、いろいろな物が出てくることは驚かない。それでも、建前としては、跡地利用に関して、周囲への環境影響がないように処置しているとしているのだから、地下水から露骨に高い数字が示されると困った問題になる。
世の中には不思議な意見を言う人がいて、当該の地下水を飲む訳でも、鮮魚の扱いに用いる訳でもないとする主張がある。環境基準が、飲んだ場合での健康被害を基準にしているのだから、用途が違うから心配ないという論理である。科学的な理屈に見えても、社会の中での約束事として決めた経緯を無視して、部分の理解を全体に適用しようとする様があさましい。大概の環境基準は健康に問題ないレベルで設定されている。だから大丈夫とすれば、困った問題が生じるから決めたものである。環境基準が決定された経緯を含めて科学的な議論でなければならない。科学的と言う言葉を、殊更に大きな声で発言するのは、科学的でないと推定するのを、概ね正しいと思っている。

先に築地の問題を片付ける。築地市場の環境が、生鮮品を取り扱うのに相応しくないとする意見がある。老朽化した施設である。好ましくない状態であるという想像が付く。こっちの目に見える好ましくない環境と、測定器で計らなければ分からず、加えて厳しい基準を少し超えただけのものとを天秤に掛ければ、後者が優るという論理が続く。目に見えること、分かり易いことが世界のすべてだとする原理主義者には、尊敬を超えて敬服よりない。昨日の事情では今日を予想できずに傷付いた人があったことを、忸怩たる思いであるこそはと取り組んだ科学者があることは、この原理主義者には見えない存在ということだ。反知性主義としてエリートを否定する気持ちは分かっても、科学を否定するに等しい言動と、一方で利便を享受する態度は支持し難い。
老朽化しているから移転の話が出た。規模が大きいから場所がなく、豊洲の東京ガス工場跡地になった。既に大きな資金を投入した。ここまでは事実関係として正しい。しかし、無駄になるのは困るから豊洲に移転というのは、政治的な決断であって科学ではない。豊洲で扱った商品を嫌うのは自由な商品選定として許容されるだろうし、それは差別だとする主張はもっともな話だが、築地の不衛生な環境を殊更に主張するのも、風説の流布と隣り合わせである。政治的な決断というのは、風評被害が生じないようにする作業である。よって、科学的な裏付けを求められるということだ。科学基準がおかしいと言うのなら、この問題とは別にしなければならないが、学会で相手にされるレベルになるのは至難の業ということだろう。

さて、豊洲である。地下水からこれまで検出されていない物質が、突如現れた理由としては、地下水くみ上げが開始されたからと説明するのが常識的なものだろう。測定器の問題はないだろうから、サンプルの管理に問題があって、揮発して抜けてしまったという可能性もある。しかし、分析の専門家が行う仕事としては相応しくない。マスコミが期待するのは、東京都の関係者が分析会社に圧力を掛けて、測定値をねつ造したというものであろうが、なかなかこれは難しい。常識的にはないのだが、豊洲問題では常識など通じないから、あるのかもしれない。しかし、証拠を残すような間抜けな真似はしていないと信じたい。別に信じなくても良いが、プロがする仕事が杜撰であるのは悲しい。
今後何度か測定をすることになるが、測定値が低いレベルに落ち着いたとしても、このような場所での卸売市場の営業許可を農水省が出さない可能性がある。理由は、政府が東京都を悪者にして、政府は悪くないと言いたいからである。この瞬間に、自民党都連は悪者になっても、自民党は助かることになる。お金は東京都のものだから、国の財布は痛まない。最悪、都連と、知事である小池とが一緒に沈んでくれれば、都合が良いということも起きるかもしれない。
小池は、自民党都連が悪いと仕立てたいところだが、作業の基本は東京都の役人が行っているものである。もともとの本丸であった談合にしたって、官製談合の疑いがあると考える事案であるから、東京都に矛先を向けなければならない。つまり、小池の配下にある者達を動かすことであらかた片付けれれる問題である。しかし、これだと、小池が悪者と戦うという図式が完成しないから、小池の政治手法と合致しない。悪代官顔をした都議が必要なのである。


小池のこんなはずじゃなかったが、多過ぎるのは、小池の引きが強いということか。

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