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2016年12月16日 (金)

自民幹事長「国民の大半はがっかり」 日ロ首脳会談

日ロ首脳会談の結果を受け、自民党の二階俊博幹事長は12月16日、党本部で記者団に「国民の大半はがっかりしているということを心に刻んでおく必要がある」と述べ、今後の交渉に期待を示した。公明党の山口那津男代表は「プーチン大統領の訪日を得て首脳会談ができた。一定の合意ができた。それ自体が大きな成果だった」と強調した。
二階氏は「そうそう甘いもんじゃないと思い知ったことがひとつの参考になるのではないか」と指摘。安倍晋三首相が首脳会談の成果を掲げて衆院解散に踏み切るとの観測が浮上していたことに関しては「解散のテーマにはならないと思っていたので、何でもない」と話した。ある派閥領袖は「経済協力を差し出さない限り、北方領土返還の交渉の場についてもらうことすらできないのが現状なのだろう」と指摘した。
民進党の蓮舫代表は「領土問題は置き去りにされ、大規模な我が国の経済援助で終わってしまった印象がある」と述べた。「領土、ミサイル、経済制裁について何を言われたのか分からないのはおかしい。国会で議論したい」として、来年の通常国会で党首討論を開くように求めた。
共産党の志位和夫委員長は「領土問題はまったく進展がなかった」と強調。共同経済活動について「北方四島に対するロシアの統治を政治的、経済的に後押しするだけだ」と批判した。(日本経済新聞:12月16日)


外交交渉について考える。


テレビ番組では北方領土交渉が進む期待から、様々な報道番組 (実質はバラエティー番組か) が放送されていたし、ネット上でも色々な意見が出ていた。歴史確認からすれば、ポツダム宣言受諾以降にソ連が侵攻し、武力的に北方領土を制圧したことから、四島の帰属は日本にあると考えて良い。千島列島、南樺太の帰属問題についても、どこの国にあるのか不確定な地域であると主張して良い。サンフランシスコ講和条約で日本は放棄しているというのは、ソ連がこの条約に署名していないのだから、日本とソ連の間で制約が生じるものではない。加えて、ソ連は、武装解除した日本人をシベリア抑留した。65万人というのが定説であるが、これより多いとする説もある。そして、6万人がシベリアにおいて病気などで死亡している。これも確定した数字ではない。そもそも、日ソ中立条約に違反し対日侵略したのはソ連であると主張することも正当である。例え、終戦前の日本が、ソ連への攻撃を検討していたとしても。

さて、外交交渉である。二つが話し合う作業には、交渉と議論がある。このどちらにも属さない重要なものは挨拶であろう。これらの三つを除けば、残りは時間つぶししかない。国の代表者が話すのだから、議論か交渉かということになる。無論、どっちにおいても挨拶はする。この二つは似ているようでいて、作業手順に明確な違いがある。議論であるならば、自身が考えている主張の札を切る。これがなければ議論は始まらない。一方、交渉であるのなら、最初に切るのは、相手が喜ぶ札である。逆にしたら、何も成立しないのは明らかだ。議論で相手の顔色を窺う愚かさ、交渉で自分の主張を押し付ける我の強さ。何も生み出さないばかりか、多くの憂いを呼び込む。
今回の交渉で、日本がロシアに切った札は、極東地域における経済投資を政府が支援することである。一方でロシアが切った札は何だろうか。ロシアが日本の投資によって生じたエネルギー資源を日本に優先的に供給するとしても、これは有利な札には成り得ない。日本がエネルギー開発を行う前提があるのなら、日本の経済投資は、エネルギー関係以外でなければならなくなる。極東地域に最初に行うのは、エネルギーが輸送関係のインフラというところに限られる。つまり、前提が不確定なら成立しないものは、有利に働くことが確定しないから使えない札である。もし、投資に協力するのなら、投資する地域の法律について、日本として扱うというのなら提案として成り立つ。しかし、そこまで踏み込んではいない。要するに、安倍の顔を立てて、故郷を訪問したということだ。
なめられたものである。これなら議論を吹っ掛けても良い位である。南樺太も、千島列島も帰属不確定だと国際法上明らかだ、と冒頭に安倍が主張すれば、プーチンはすぐに帰ることだろう。1973年にモスクワで、田中角栄がソ連共産党中央委員会書記長であるブレジネフとの会談で、日ソ共同声明の文言の中に第二次世界大戦の時からの未解決の諸問題を含ませたのとは、雲泥の差がある。

安倍は北方四島について、米軍施設を置くことをある期間しないこと、日本の防衛上の設備も最小限にすることを約束する程度の準備はしなければならない。米軍がロシア領に侵攻するイメージはロシアには最悪なシナリオである。これは日本が切らなければならない札である。ロシアは、この札を切ることが日本が出来ないことを見越して、返す振りをして何もしないで、経済投資を呼び込むという算段だったのだろう。
結果としては、何もしないよりましだとする意見と、何の成果も見出せないとする意見の間に留まった。少なくとも、衆議院を解散して勢力を維持しようとする思惑は消し飛んだ。


もう一回、日露戦争をしなければならないのか、と安倍はつぶやいても良かった。

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