« 青山商事、カジュアル衣料見直し 低価格「キャラジャ」撤退 | トップページ | 自民3都議が会派離脱 小池知事側、都議選へ連携方針 »

2016年12月27日 (火)

ギャンブル・薬物など依存症で対策本部 厚労省

厚生労働省は12月27日、ギャンブルや薬物などの依存症対策を総合的に検討する「依存症対策推進本部」を設置したと発表した。依存症患者の実態を把握し、相談体制の充実などに取り組む。本部長を務める塩崎恭久厚労相は同日の初会合で「依存症による健康障害などの包括的対策について議論したい」と述べた。
同本部は厚労省の幹部職員らで構成。本部の下にギャンブルと薬物、アルコールの3分野の対策チームを置く。依存症になるのを防ぐ啓発方法や医療提供体制などについて今後、協議する。厚労省によると、2013年度の調査で、ギャンブル依存症の疑いがある人は全国で536万人と推計されている。同省はより正確な実態把握のため東京23区や横浜市など11都市で面接調査をしており、結果を今年度中に公表する。(日本経済新聞:12月27日)


依存症について考える。


厚生労働省の依存症に関する研究結果が発表されている。最新のものに統一したかったが、そうもいかなかった。まとめた数字を下に示す。

   ギャンブル依存症      536万人 (疑い)      …… 2014年
   アルコール依存症      440万人 (疑い)      …… 2003年
                      80万人 (要治療)
   薬物依存症           2.9 %  (生涯経験率)  …… 2009年


薬物依存の人数の推定は難しく、違法薬物の生涯経験率として提示されている。人口を1億人とすれば2.9%は290万人に相当する。この内依存症になるのがどのくらいいるのかの推定は難しいということだ。将来参照する可能性があるので、出典を正しく記載しておくことにする。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部によるもので、全国の15歳以上64歳以下の国民5,000人を対象にしている。「これまでに1回でも使ったことがある人の割合(生涯経験者率)」、「この1年間に1回でも使ったことのある人の割合(1年経験者率)」を調べている。結果として、「1年経験者率」はあまりにも低すぎて、統計誤差の範囲内と判断されている。
算出できた「生涯経験者率」の結果は、有機溶剤で1.9%、大麻で1.4%、覚せい剤で0.3%、MDMAで0.2%であり、コカインとヘロインは統計誤差内となっている。これら6種類のうち、いずれかの薬物の生涯経験率は2.9%であった。上記の2.9%はこの数字を用いた。
これらの数字は薬物乱用者に関するものであり、このうち薬物依存に陥ったかは不明なままである。薬物依存になったらまともに回答できないなどと括っては身も蓋もない。ギャンブルでもアルコールでも同じであるが、薬物は出発点が違法である点が他と異なる。つまり、違法行為をしていることの自白を求めるアンケートというのは成立し得ないと思う。まして、違法薬物の依存症状態というのは、精神状態に難があることが予想できるものだろう。まともな薬物依存症患者というのもあるのかもしれないが、こうなるとまともの定義が難しくなる。アンケート結果を疑うつもりはないが、信頼性を確保するには、医療機関などでの調査というような、別方面からの調査結果も突き合せしたいものである。

アルコール依存症について確認する。全国成人に対する実態調査で、飲酒日に60g (純アルコール換算) 以上飲酒していた多量飲酒の人は860万人、アルコール依存症の疑いのある人が440万人、治療の必要なアルコール依存症の患者が80万人いると推計されている。日本が高いという訳ではなく、アルコールが宗教上禁止されているイスラム圏より多いものの、平均より低い位置にある。イスラム圏でもアルコール依存症があるのは、禁止薬物の依存症があるのだから、原理的には同じではある。
アルコール販売はいろいろ制限があるとは言っても、自動販売機で気軽に購入できる国である。未成年の飲酒については問題にしていても、桜の木の下の大騒ぎには寛容である。年末の夜の路上に溢れる集団にもである。法律に違反しないというのを錦の御旗にするのが、これらの輩の主張ではあるが、法律が最上の行動規範でないとするのはかねてより何度も主張している話である。依存症というのは、やってはいけないことは認識していても、やらずにはいられないという制御不能行動である。桜の木の下も、路上も、してはいけない認識があるのだから、広義の依存症であるし、医療的な意味での依存症の予備軍であるのは間違いない。

さて、ギャンブル依存症の話である。ギャンブルは、違法でないアルコールと、違法である薬物の中間に位置する。この国では基本的に違法行為とされるが、公営ギャンブルや宝くじなど一部で認められている。実際に依存症として問題になる事柄に、宝くじがあるとは思えない。無いとは言わないが、宝くじで生活を破壊するとなるのは難しいだろう。公営ギャンブルと、ギャンブルとは警察は認めていないパチンコが柱になるだろう。闇カジノの類に依存症も溢れていることだろうが、闇の部分は別に対策して貰う方が筋が良さそうだ。
依存症になるのは、気持ちが良い経験があるからである。これは、アルコールでも薬物でもギャンブルでも共通である。ギャンブルについては外れることが多いのだが、まれに大きく当たることがある。これがふたたび起きると信じて、と、言うよりこの興奮が忘れないということでのめりこむことになる。公営ギャンブルは手数料として1/4を撥ねて、残りを正解投票者に戻すシステムである。10頭立ての競馬で一着を当てる単勝レースだとすると、100人の人がそれぞれ1万円を投票した前提なら、一着を当てた集団に75万円を戻し、投票数で分けるという方式である。一着と二着を当てるとか、三着までにするとかは、当て方を複雑にして当たり難くする方向性で配当金額を大きくするもので、複勝という方式は当たりやすくする方向性のものである(当然配当金は小さくなる)。競艇は6艘固定で、オートレースは8車、競輪は9車が基本になっているという。当たり易さなら競艇ということになる。大きく当たることへの興奮か、少しでも当たれば興奮するかは人の特性による。単純には競艇が依存症を産みだすと言えるが、アクセスし易さの問題にも考慮の必要があるから、そんなに単純でもないだろう。
アクセスのし易さで議論するなら、パチンコになるだろう。実際に動いている金額も大きい。カジノ法案を通して、ギャンブル依存症対策を考慮するのなら、パチンコの出店制限や、パチンコに課税強化をすれば良い。朝鮮半島系の資本が大半を占めているとされる産業構造にあり、警察との関係も複雑というか、癒着が疑われる産業である。ダークな雰囲気に溢れているが、この産業に従事している人が30万人といえば、禁止してしまえが乱暴なのは理解できる。自動車会社で20万人である。逆に言えば、こんなになるまで放置していたのかという話でもある。この国はギャンブル大国に既になっているから、カジノ法案など大した意味もない。大阪の行政の親分が、小さな賭場の元締めにしか見えないのはそのせいだろうか。所帯博打で国際会議施設を維持するというのも変な話である。所帯博打を広く薄く課税するというのが、頭の良い胴元の仕事と言える。そして、根こそぎ奪うということが決まりである。これでないと博徒は務まらない。依存症にするのが仕事である。依存症対策とは表面上の話で、胴元は逆の方向にアクセルをふかす。

ギャンブルは当たらないことには興奮しない。当たりそうな気がするだけでの興奮では長続きしない。想像だけで興奮するなら、投票しないで済ませられる。つまり、依存症には成り得ないことになる。ギャンブルにどっぷり浸かる人は、最初に当てた人だと言う。当たるとこれからも当たり続けると信じるのだろう。
ギャンブルで勝てると信じている人は、投票している集団の中で、自分が優れていると信じてからである。前回勝ったというのは、今日のレースで通用するものでもない。ましてや、以前当てたというのは無意味である。多くは、将来は私のものだというのも、この根拠のない自信に支えられている。依存症は理性を超えた興奮に支えられているから、この論理で説明付くものではないが、選ばれし者という誉を得る快感があるのは間違いない。この手の人に確実なのは、累積で損益を計算しないということである。


大っぴらに博打をするカジノ法案を通したのだから、対策をしている振りくらい必要だ。

« 青山商事、カジュアル衣料見直し 低価格「キャラジャ」撤退 | トップページ | 自民3都議が会派離脱 小池知事側、都議選へ連携方針 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 青山商事、カジュアル衣料見直し 低価格「キャラジャ」撤退 | トップページ | 自民3都議が会派離脱 小池知事側、都議選へ連携方針 »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ