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2016年12月12日 (月)

保育園餅つきでノロウイルス 熊本、52人が症状訴え

熊本県は12月12日、同県南小国町の保育園の園児18人を含む52人が吐き気や下痢などの食中毒症状を訴えたと発表した。うち5人からノロウイルスが検出された。
県によると、9日以降、0~89歳の男女52人(男性19人、女性33人)が症状を訴え、うち15人が医療機関で受診した。重症の人はおらず、全員が快方に向かっているという。この保育園では8日、餅つき大会が開かれた。園児や園の職員に加え、園児が持ち帰った餅を食べた家族にも症状が出たことから、県は餅が原因の食中毒と判断した。(朝日新聞:12月12日)


ノロウィルスについて考える。


ノロウィルスによる食中毒は、冬に多い印象があるし、実際に12月から1月に多く発生している。冬に多くなる理由はウイルス側の都合ではなく、人間側の免疫力の低下に起因するとされる。ウイルスは熱に弱いので、食べ物の中心温度が85度から90度以上で、90秒以上の加熱が有効であるとされる。人間を介在して広がるので、手洗いの徹底、次亜塩素酸ナトリウムで失活化することが知られるので、調理器具に用いることが推奨される。
さて、餅つきである。年末から新年に掛けての風物詩であるが、もち米を蒸かす作業では失活化のに十分な環境に晒されるから、原材料起因の問題はこの時点で無くなる。餅つきをする作業者は、複数の人が関わるから、ここに問題がある人がいると汚染されることになる。臼や杵は熱湯につけたにしても、時間が短く、温度も不十分かもしれない。返し水の温度もぬるま湯程度だから、容器を含めて問題がある。つき終えた餅の扱いは、その場で食す段取りだろうから、のすような作業は入らず、適当なサイズにちぎることになる。皿にのせるだろうから、これも問題になる。何のことはない、ノロウィルスに接触した人が運び込むという話である。
餅つきでノロウイルスが拡散したとなると、さっそく行政の対応が始まった。ユニークなアイデアが出てくるのはこの手の問題の常である。暫定首位に挙げたいのは、つく餅と食べる餅を別にするというものである。ついた餅をどう処理するかについての見解は示されていなかった。常識的な判断としては、食用に供せず処分するというものであるが、行政が食べ物を少しのリスクを理由に捨てろとは、大っぴらに言うには少々問題がある。正しい表現としては、リスクと廃棄の天秤が合っていないということだ。
ノロウイルスが餅に付いてしまっているとして、どうやって失活化するかとなる。オーブンなどで焼けば大丈夫そうだが、電子レンジだと時間が短い気がする。温度が高いから大丈夫なのだろうか。だいたいは大丈夫にようだが、少しの危険は残りそうである。ノロウイルスは低温では失活化しないで、活動が低下することはあっても維持される。温めて人間が食すれば、影響がでるということである。温度処理か、漂白剤かという選択になる。
少しのリスクをノロウイルスの発症と考えれば、気にしないか、大いに気にして食べないかということになる。他人が素手で握ったおむすびは食べられないという人もいるようだ。脳みそで食する人種ということか。カロリーや栄養素で食事をするようだ。バランス良く食べるには、知恵が必要なのは理解する。しかし、バランス良くが先にあって、分析が後からついてきた。人間の知恵とはその程度だが、この先はその程度が少し改善する。しかし、それでも少し増えたその程度に過ぎない。人間の行き着いている地点はここまでだということである。

食べ物を扱うのに手洗いをするのは当然である。外部の環境が悪い、危険性を有すると言う表現が適当か。そこで食べ物を加工するのは好ましくないとする主張は妥当である。しかし、言ってみれば神事のような行事である、つまり、宗教的な習わしに近しい餅つきを、公衆衛生の最先端に適合するようにしても仕方がない。常識的な範囲で衛生に配慮すれば良かろう。中にはお腹を壊す子供も出るかもしれない。食べるというのはそう言う行為であるという事に過ぎない。
農薬不使用の野菜を好む人は、有機栽培という言葉がお好きなようだ。有機肥料という由来の不確定な肥料と、自然界に多く存在する生物のバランスによって、人間が食するものが得られる。バランスを崩す要素を積極的に制御する行為の代表例が、農薬というもので、これが人間の知恵である。農薬を使わない、化学肥料を使わない、となると、収量は減るだろうし、害虫による被害も大きくなる。このブログでたびたび批判している野菜工場も、化学肥料と農薬の世話になって、遺伝子組み換えの種を用いないと上手くいきそうにない。それでも難しいだろうが。食べる行為というのは、危険を伴うものである。危険がどんな因子かを選ぶのは自由だが、確実なのは、何も食べなければ死ぬということである。


乾いた空気に立ち上る蒸かした湯気、杵と臼でつく音。情緒的にはウイルスも存在し得ない場所である。

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