« 保育園餅つきでノロウイルス 熊本、52人が症状訴え | トップページ | 北陸新幹線「小浜・京都ルートが適切」 与党PT »

2016年12月13日 (火)

認知症の交通事故216件

警察庁は12月13日、認知症の人が車を運転して起こした交通事故が、2015年までの過去3年間で少なくとも216件あったことを明らかにした。13年は63件、14年は75件、15年は78件と増加傾向にある。
事故後に医師の診断などで認知症と判明したケースのみで、運転手が死亡した例などは含まれていないが、認知症の人による交通事故件数が明らかになるのは初めて。15年の78件のうち27件が人身事故だったが、被害者が死亡した例はなかった。残り51件は物損事故だった。(共同通信:12月13日)


運転免許について考える。


認知症が高齢者に限定した疾病ではないが、該当者は高齢者に多くあるだろう。運転中に求められる判断能力に、一定程度の障害がある場合には運転免許を与えるべきではないという考え方が強くなっている。もっともらしい話は、疑って扱うべしというのが、理性的な生活を送る上での最大の知恵である。
自動車の機能は充実している。オートクルーズは随分昔から実用化されているし、自動ブレーキも多くのモデルに採用された。そもそも、2ペダルのATが現在の市場の大多数を占めている。つまり、限定的な表現が正しいにしても自動運転が実現されている。つまり、自動車運転の負担を軽減し、車内での快適性が向上するように、エアコンは付くし、オーディオはラジオのみから、いろいろな媒体に変遷し、後部座席ではDVDを視聴可能になってきている。自動車のドアポケットが地図が入るサイズより小さいのは、カーナビが標準的になったからで、その機能もスマートフォンで補えるほどになっている。
運転免許の取得がこの程度であるのに、社会の福祉に反すると取り上げる。運転が容易になっているのに、運転適性の基準が上がるというのも不思議な話である。実際的な解釈としては、負担が小さいから不適切な人でも運転可能になったとするほうが良いかもしれない。パワーステアリングもなく、オートチョークもなく、セルモータもなくて、点火時期をずらす必要があったのなら、認識能力の劣る人は自動車を動かすには至らないだろう。そもそも、多くの人が動かせない。もしかしたら、昔のことに関する記憶能力は無暗に高い認知症患者もいるから、この複雑な作業手順は記憶の底に残っていて、現在求められる運転作法が怪しいという例も出現する可能性がある。まあ、道路に自動車がほとんどいないから被害は最小限ではある。

便利の為に加えた機能で、新たな問題が生じるというのは良くある話である。高齢者が関係する交通事故においても、運転者は暴走したと証言し、調査結果はアクセルとブレーキを踏み間違えたで終わる。本当に暴走した可能性について十分に検証したかどうかは報道されないから分からない。はっきりしていることは、暴走したのが複雑なハイブリッドやAT車で、MTの暴走など聞いたことがないということである。便利の為に、新たな危険を抱え込んだというのは、そういうことである。

認知症に関連した事故件数が増えているのは憂うべき問題だが、例えば車両火災の発生件数はこのレベルよりはるかに多い。そして、実害も大きい。エネルギー密度の高い電池を積むクルマが増えれば、新たな問題も生じる可能性もある。車両に関連する事故でも、モデル名が公表されるのは極めて少ない。報道されないのは、自動車メーカに慮ってということでもないのだろうが、過去に三菱自動車の火災例は報道されても、トヨタは報道されないという事実もあった。認知症も火災も問題で、相対化して比較するのは間違いと指摘されるかもしれない。その通りだが、どっちも問題であるし、小さな被害を必要以上に大きく扱う必要もない。なにより、便利の為に加えられた機能が基本にあるのなら、便利を剥がすのが効果的な対策であるが、一方で不便は嫌だというのを我がままと称する。


危険はいつでも潜んでいるものである。

« 保育園餅つきでノロウイルス 熊本、52人が症状訴え | トップページ | 北陸新幹線「小浜・京都ルートが適切」 与党PT »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 保育園餅つきでノロウイルス 熊本、52人が症状訴え | トップページ | 北陸新幹線「小浜・京都ルートが適切」 与党PT »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ