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2016年11月 9日 (水)

名古屋高裁は「合憲」判決 参院選・一票の格差訴訟

今年7月の参院選で、選挙区間の「一票の格差」が最大3.08倍だったのは投票価値の平等を定めた憲法に違反するとして、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の判決が11月8日、名古屋高裁であった。孝橋宏裁判長は、今回の定数配分を「合憲」と判断し、請求を棄却した。原告側は即日上告した。
弁護士の一人は判決後の記者会見で、「高裁判決は『投票価値の不均衡はなお看過し得ない』と言いながら、『違憲状態』と認めなかった。ひと言で言えば評価に値しない」と語った。二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部で計16件の訴訟を起こし、この日の名古屋高裁で判決が出そろった。「違憲状態」が10件、「合憲」が6件となった。今後、最高裁が統一判断を示す見込み。(朝日新聞:11月8日)


一票の格差裁判について考える。


今回の一票の格差裁判について高等裁判所の判決が出揃った。裁判官名と判決をまとめて下に示す。

■ 2016年7月参議院議員選挙一票の格差高裁判決
  10月14日   広島高裁岡山支部(松本清隆裁判長)    違憲状態
  10月17日   名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)  違憲状態
  10月18日   東京高裁(小林昭彦裁判長)           合憲
  10月18日   高松高裁(吉田肇裁判長)             合憲
  10月19日   福岡高裁宮崎支部(西川知一郎裁判長)    合憲
  10月19日   仙台高裁秋田支部(山田和則裁判長)    違憲状態
  10月19日   広島高裁(生野考司裁判長)          違憲状態
  10月20日   大阪高裁(中村哲裁判長)           違憲状態
  10月20日   福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)    合憲
  10月26日   広島高裁松江支部(栂村明剛裁判長)    違憲状態
  10月28日   広島高裁(森一岳裁判長)           違憲状態
  10月31日  福岡高裁(金村敏彦裁判長)          違憲状態
  11月02日   札幌高裁(佐藤道明裁判長)           合憲
  11月02日   東京高裁(河野清孝裁判長)          違憲状態
  11月07日   仙台高裁(市村弘裁判長)           違憲状態
  11月08日   名古屋高裁(孝橋宏裁判長)           合憲


違憲状態が10、合憲が6である。2013年の衆議院議員選挙についての高等裁判所判決を下に示す。

■ 2013年衆議院議員選挙一票の格差高裁判決
       合憲  違憲状態   違憲   無効
2013年    0      2       14     2


合憲はなく、違憲状態が2、違憲が14でその内2が選挙の無効にまで踏み込んでいた。今回裁判の対象になった参議院議員選挙は、県を跨いだ合区が行われるなど、一定の進展があったと認識できるが、それでも格差は3倍を超えているし、都道府県単位に議席を与える合理性に疑問を投げかけた過去の判例を見るに、十分な対策が行われたとは言い難い。合憲判決が下されたのは、アリバイ作り程度であったせよ、合区を実施したことを評価したのだろうが、裁判はそんな情緒的な事情で判決を下すものでもない。合憲を下した高等裁判所では、合区を実施したことに関する情状証人の出廷があったのだろうか。

過去に何度も書いているが、一票の格差を2倍以上で認めてしまうと、この国の立法府は正式に国民の代表であることの信頼性を失う。その結果として、最高裁判所が憲法判断を回避する理由として用いる統治行為論は否定されることになる。つまり、国権の最高機関が国民を正式に代表していないとなれば、過去の論理は根底から破壊しかねない。
無効にすれば大きな混乱を招くことを懸念しているようだが、先送りすることの問題の大きさも考慮しなければならないだろう。司法側が法律を作るのは避けたいようだが、一票の格差を次の選挙までに改善させなければこうするぞと命じれば良いと思う。一つには、選挙区に関係なく投票する方法であるが、実質的に選挙区を破壊するから嫌われるだろう。もう一つの方法としては、最低獲得得票数を設定し、これを超えないと当選できない制度にすれば良い。これなら開票に掛る作業は現状と同じで、当選を通知する前に未達者が生じるだけである。一票の格差が大きい地域は、得票数が少ないことが必然的に発生するのだから、政治家は放置すると誰も当選しない地域が生じる恐れが出て、格差解消に動く筈である。最低獲得得票数が難しいから、次点候補と入れ替える方式でも良い。当選者を獲得投票数順に並べ、次点候補についても同様に行う。格差が1倍なら0、1.1倍なら1人、2倍なら10人入れ替え対象となり、得票数が多い方が当選とする方式である。現状3倍あるから20人が入れ替わる可能性がある。簡単にできそうだから、前回の選挙結果で検討してみることにしよう。


さて、世間は米国大統領選挙の結果一色である。トランプがクリントンに勝ったことが番狂わせだということである。しかし、選挙戦を通じてクリントンが勝って、女性初の大統領になることへの高揚感がまるで感じられなかった。嫌われ者どうしの選挙ではあるが、嫌われる内容が、愛嬌のある嫌われ方と、不快感を覚えるものとの違いがあったようだ。トランプには両方あるが、クリントンには後者しかないといえる。
日本への影響を論評しているが、誰がなろうと米国大統領は米国の利益の為に働くものである。日本の首相がシエラレオネの為に働いたら国民は怒るだろう。それは曲論で、日本にとって有利不利はあると言うだろうが、有利も不利もあるのだら、総論として論じるのは無理だというものである。


結構、差別的な国なのだということが示された。

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