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2016年11月14日 (月)

首相は否定したが…竹下国対委員長「強行採決して残念」

自民党の竹下亘・国会対策委員長は11月14日夜、同党参院議員のパーティーで、環太平洋経済連携協定(TPP)承認案の衆院通過時の採決をめぐり、民進、自由、社民の各党が退席したことを念頭に「衆議院は強行採決して、ぐちゃぐちゃになってしまう残念な結果だった」とあいさつした。国会運営の司令塔である国対委員長自ら、「強行採決」だったと認めた形だ。
一方、安倍晋三首相は同日の参院特別委員会で、民進議員の質問に「我が党は立党以来、強行採決をしようと考えたことはないのは事実」と答弁。その上で「TPPの衆院での採決の際にも、野党である維新の会は出席され、かつ賛成もされている」と述べ、「強行採決」を否定した。(朝日新聞:11月14日)


強行採決について考える。


安倍の「我が党は立党以来、強行採決をしようと考えたことはないのは事実」というのは、高い芸術点を狙った答弁なのだろう。日本のこころを大切にする党と並んで衛星政党である維新の会は、野党臭が世間に漂う分だけありがたい存在である。衛星政党の最初の方は、吸収されつつあるから、後者の役割の重要性は増している。
竹下が強行採決を認めてしまったのは、せっかく芸術点の高い発言をして、後世に名を遺すチャンスだったのに、そのそばから破壊してしまって残念なことである。恐らく数時間、長くても一両日中には、竹下は訂正発言をすることだろう。

強行採決をする気がないのなら、自民党は共産党の主張でも聞き質疑することになる。形式的には聞くが、実質は何もしないで処理するのが通常オペレーションであるから、オペレーション時間を半分にしても影響しないと主張すれば、それと強行採決の差が見出せなくなる。そこで重要なのが衛星政党という訳である。
民主主義の非効率化は明らかであるが、この他の方法による継続的に一定の確からしさを維持した国民の意見を反映する手法が、なかなか見出せないでいる。恐らくそんな方法はなくて、正解を出す蓋然性を高めることは無理だと諦めるにしても、せめて効率化は何とかなるだろうと思うのである。その先に陥るのが、専制政治という罠である。安定多数を与党が獲得すれば、国会での審議は円滑に行われるから、非常に効率的である。安定多数が大きければ大きいほど、国会議員は効率化に邁進し、審議時間の圧縮により、他の活動に精を出すことだろう。野党は反対するものの、答は変わらないのだから、効率化を邪魔した存在とされて、次の選挙が難しいというジレンマに陥る。
竹下の発言は、結果は変わらないのだから、せっせと進めよ、という主旨のもので、巨大与党の力の大きさを誇示するものである。強行採決は巨大勢力が故に誇れるものであり、これは永遠だと信じている。誇れるものでも、永遠でもないのが事実なのだが、自民党が野党であった時代のことなど、記憶の中から消えてしまう程度の容量しか持たないのなら仕方ない。そこの最高責任者にしても、強行採決をしようと考えたことはないと、自分以外の者も巻き込んで新たな事実を公表するのだから、記憶容量の小ささは驚くほどであるのだから。


身内ウケしか芸がないのを政治家と呼ぶ。

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