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2016年11月11日 (金)

入れ墨調査「適法」確定=拒否の大阪市職員敗訴―最高裁

大阪市が行った入れ墨の有無を確認する調査を拒否し、懲戒処分を受けた職員2人が処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は11月9日付の決定で職員側の上告を退けた。
取り消しを認めない二審判決が確定した。大阪市は2012年、市職員の入れ墨が社会問題化しているとして、全職員を対象に調査を実施。拒否した2人は職務命令違反で戒告とされ、「プライバシーの侵害で憲法に違反する」として提訴した。(時事通信:11月11日)


入れ墨について考える。


高等裁判所の判決が支持されたという結論である。高裁の判決は2015年10月15日、山田知司裁判長であった。第一審の大阪地裁の判決 (中垣内健裁判長) は、2014年12月17日にあり、こちらでは職員側が勝利している。判決内容は、市の個人情報保護条例に違反し、処分を取り消す。最初の提訴を理由とした配置転換も取り消し、市に110万円の賠償を命じる。というものであった。しかし、この地裁判決においても、入れ墨調査について「必要で正当性もあった」としていて、違憲性はないと判断している。どの判決も、必要であることは動かなかった。
単純にここだけを切り取ると、必要性を認めるのも凄いと感じる。大阪市は2012年5月に、橋下徹市長の指示により、市教委所管の教員らを除く約3万3500人に記名式の調査を実施した。手足や頭部など人目に触れる部位に入れ墨があるかを回答するよう義務付けている。見える部分が問題で、背中に倶利伽羅紋紋が派手にあっても、これは調査対象ではない。背中にあって、腕に無い状態が想定し難いのではあるが。この調査で110人が入れ墨があると回答している。そもそも、大阪市職員が入れ墨があることで恫喝する事件があったからである。地裁も高裁も、市職員の問題行動があったが故に、調査について必要性、正当性を求めているということなのだろう。必要性、正当性を前に置けば、回答を拒否した職員が再三の指導にも従わず、職場の秩序を乱したのだから、市の懲戒処分に違法性はないという結論に至る。

処分対象になり裁判を起こした二人の原告は、いずれも入れ墨はないという。あって拒否したのと、なくて拒否したのとにそれ程の差はないように思うが、あるから拒否したのだろうという評判は出てきてしまう。入れ墨を入れている職員など普通にはいないと思うのは、大阪市であっても他の地域であっても同じである。しかし、アンケートにあると答えた110人の職員のうち、73人が環境局であることが公表されている。この部署は、同和問題対策と関連した採用が多くいる部署とのことである。ある種の利権になっている体制にメスを入れると言うのが、市長に立候補した橋下の公約であったから、アンケートは必然的な行動であったのだろう。利権は問題だが、差別対策を放棄するのも問題である。後者に重きを置いた人は原告を応援するだろうが、差別問題との関わりが薄い人は前者を取るだろう。裁判所は、公益に関わる市役所の職員の問題行動を重視し、市長に与えられた市民に対する公益性を優先することを当然と判断したと解釈できる。

タトゥーをファッションとして海外では認められていると主張する人がいるが、海外の国の役所でタトゥーを見せびらかす職員がどれほどいるのだろうか。問題の主旨が違っている。スポーツ選手がというのも、世の中の基準になり得るのか甚だ疑問である。問題を複雑にして分かり難くするのは、学問の無い者の特徴的な行動である。学問のある者は、事柄を単純化するものである。


反社会勢力の区分に入れ墨をする時代になるのだろうか。

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