« 県公式HPの地図1500枚、許諾得ず掲載 香川県謝罪 | トップページ | マンゴー栽培、IT活用 沖縄セルラー、琉球大と共同研究 »

2016年11月17日 (木)

養子縁組業者を家宅捜索 千葉県警、営利目的の疑い

特別養子縁組を巡り営利目的で不正に現金を受け取った疑いがあるとして、千葉県警が児童福祉法違反の疑いで、同県四街道市の養子縁組あっせん業者「赤ちゃんの未来を救う会」(伊勢田裕代表理事)の関係先を家宅捜索していたことが11月17日、捜査関係者への取材で分かった。
児童福祉法では営利目的で子供をあっせんすることを禁じており、罰則規定もある。県警によると、同様の業者への強制捜査は全国初という。県は9月、優先的に子供をあっせんすると持ち掛け、東京都の希望者夫婦から現金計225万円を受け取ったとして救う会に無期限の事業停止命令を出し、救う会はその後解散した。県によると、東京都の夫婦は今年6月、神奈川県の20代女性が産んだ男児の引き渡しを受けたが、その後、女性から県に「最終的な同意確認がないのに病院から男児が連れ出された」との連絡があり、男児は7月、女性に帰された。(共同:11月17日)


特別養子縁組について考える。


裁判所がまとめている統計データから、家庭裁判所で扱われる特別養子縁組に関する件数の推移をまとめた。結果を下に示す。なお、平成21年と20年の数字が同一であったことから、いずれかが間違いであるのは明らかであるが、確認のしようもなかったので、平成21年のデータとして、平成20年はブランクにしている。

■ 特別養子縁組の成立及びその離縁に関する処分 (出所:裁判所統計)
    年度     総数    旧受   新受    総数    認容   却下  取下げ その他  未済
  平成27年    924    303    621    657    544    31    81    1    267
  平成26年    900    275    625    597    513    11    67    6    303
  平成25年    851    255    596    576    474    21    81    -    275
  平成24年    669    161    508    414    339    16    59    -    255
  平成23年    627    202    425    466    374    18    72    2    161
  平成22年    619    193    426    417    326    21    68    2    202
  平成21年    607    189    418    414    327    19    66    2    193
  平成20年
  平成19年    586    161    425    384    289    17    75    3    202
  平成18年    571    187    384    381    314    27    63    6    161
  平成17年    599    217    382    380    307    23    81    1    187
  平成16年    639    210    429    429    322    20    78    2    217
  平成15年    674    241    433    432    359    21    82    2    210
  平成14年    673    216    457    456    350    14    67    1    241
  平成13年    650    232    418    414    346    18    67    3    216
  平成12年    691    260    431    459    362    13    81    3    232


特別養子縁組が裁判所に認められる件数は年間500件を超えるようになった。少し前は300件代の半ばで推移していたことを考えると、社会が制度について理解が進んだか、裁判所の判断に変化があったかがあるのだろう。受付件数が増加していることを考慮すれば、前者が支配的要因と考えて良さそうだ。
特別養子縁組については2013年7月に東京都内の民間団体ベビーライフについて扱った。都がこの団体に立ち入り調査をしたというものだが、問題になったのは、養父母側から寄付などの名目で100 万円を超える現金を受け取っていたとされることである。営利目的の養子縁組あっせんを禁ずる児童福祉法に違反する疑いである。この記事の後、実際に立件される可能性があると注目していたが、処分には至らなかったようだ。営利目的による養子あっせん行為は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金となっている。人身売買を防止する目的だが、団体があっせんする場合には、立件するのは難しいだろうと想像される。女衒の様な人身売買なら個人経営だろうし、ヤクザが人買いをするのも、団体がないか非合法であるのなら、団体で処分されるなど考えようもない。団体が活動することを、法律が予定していなかったという理解で外れていないと考える。
厚生労働省は1987年に、事業者が養父母から受け取れる金を交通費や人件費などの実費に限定するよう通知している。2006年には、寄付金は任意の場合に限ることを明記し、実費の範囲も具体的に示した通知を出した。問題になっているのは、この範囲を超えたと考える金額が動いているという。具体的には、実態とはかけ離れた実費であり、任意ではない一律の寄付金である。民間の養子縁組あっせんがどのくらいあるかをまとめたのが下である。

■ 民間の養子縁組あっせん事業推移
  平成25年    196
  平成24年    115
  平成23年    127
  平成22年     67
  平成21年     39
  平成20年     42
  平成19年     22


最近100件を超えたということである。あっせん業者には、NPO、社会福祉法人、医療法人があるが、営利目的を疑われるのはNPOが多いだろうと想像する。医療法人は財務的に強そうだし、社会福祉法人なら他の事業がある筈だ。NPOが事業範囲を無暗に広げることもないから、養子縁組を専門とする団体になるだろう。あるNPOが年間10件の取りまとめを目標としているとして、この手間が掛る作業の取りまとめには数人の常駐職員が必要になるだろう。事務所関係の費用も考えると、年間1000万円で維持は難しい。講演活動や書籍の出版もするだろうが、これらが収入の柱になることはなく、現実的には啓蒙活動や広報活動にとどまり、収支をまとめればトントンなら御の字になるものだ。成功した10人から、実費以外に100万円寄付して貰うというのは、この仕事を継続する上で必要なことになる。
とはいっても、実質的に人身売買を事業としていることを認める訳にもいかないし、養子縁組を希望する親側の都合を必要以上に尊重してしまうことも起きそうだ。尊重と書いたのは、特別養子縁組をペットの購入のような選ぶ作業が認められないからである。非常にデリケートな問題であるので、知識の乏しい人間が扱うのは憚られる。ということで、理性的にここまでで止める。

国会で養子縁組斡旋法案が審議されている。この国会で成立するだろう。法律の目的は悪質な民間業者を排除することである。年間200人に満たない弱い存在を守る法律は、審議に入れば速やかに成立するものである。しかし、そんな少数の為の法律は、選挙で票にならないと手を付けない、とは言わなくとも、感心が薄いことは否定できない。
特別養子縁組で親になるには、子供が成人したときに65歳以下であること、つまり、45歳以下であることをやんわりと求めている。母親で考えたときに、不妊治療の年齢限界と近い年齢になっている。不妊治療を限界まで頑張って、もう駄目だと思って、特別養子縁組制度を知って、これを考えようとしたら候補になれないことに気が付く。親になる側の都合だけで考えても、このようなケースには最適とは言えないのだろう。なんとも難しい問題である。


科学技術の進歩が人を痛めつける。心に寄り添うのは自然科学の領分ではないか。

« 県公式HPの地図1500枚、許諾得ず掲載 香川県謝罪 | トップページ | マンゴー栽培、IT活用 沖縄セルラー、琉球大と共同研究 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 県公式HPの地図1500枚、許諾得ず掲載 香川県謝罪 | トップページ | マンゴー栽培、IT活用 沖縄セルラー、琉球大と共同研究 »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ