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2016年11月 7日 (月)

61年ぶりの選挙戦、現職が当選大分・姫島村長選

61年ぶりに選挙戦となった大分県姫島村長選が11月6日、投開票され、現職の藤本昭夫氏(73)が、新顔で元NHK職員の藤本敏和氏(67)=いずれも無所属=を破り、9選を果たした。当日有権者数は1946人。投票率は88.13%(前回1955年は97.81%)だった。昭夫氏は1199票、敏和氏は512票だった。
姫島村長選は55年の選挙戦を最後に16回無投票が続いていた。昭夫氏の父熊雄氏が60年から7回連続、死去後の84年から昭夫氏が8回連続の無投票で当選を重ねてきた。今回は敏和氏が村政の刷新を掲げて立候補し、一騎打ちとなった。選挙ポスターは村に掲示条例がなく、両陣営とも作らなかった。選挙戦で昭夫氏は32年間の実績を強調。県や国とのパイプを生かし、水産・観光による村づくりを続けると訴えた。多選批判には「村民が支持したから無投票が続いた」と反論した。一方の敏和氏は「8期32年は長すぎる」などと訴えたが、及ばなかった。村は瀬戸内海西端にある東西7キロ、南北4キロの姫島の全域。特産品はクルマエビやヒジキなど。(朝日新聞:11月6日)


小さな村の選挙について考える。


姫島島は大分県の北東部にある離島である。姫島村はこの島で構成されている。島の面積は約7平方キロメートルで、人口は1,957人という。合併が続いたことで、面積人工共に小さな村というのは減少している。人口の少ないところは多くの山を抱えて面積が広いとか、人口が少ないところは周辺の市町村と合併するとか、この条件から外れるのは島嶼部に限られることになる。これまで何度か話題にした、東京都に属する伊豆諸島の村で比較する為に列挙する。

■ 伊豆諸島の村の面積と人口
   村名      面積(km2)    人口
  三宅村        55       2,346人

  御蔵島村      21        329人
  利島村        4         342人
  新島村       28       2,684人
  神津島村      19       1,843人
  青ヶ島村       6        168人


伊豆諸島の交通の便が良い島 (本州に近いという意味でしかないが) の方が人口が多いが、絶対的には火山性の島であるから、一定の面積が無ければ生活するスペースもないということになる。姫島も広い意味では火山島といえるのだろうが、活動の程度が相対的に小さいことが、面積の小さな島で生活が可能な理由になっているのだろう。

姫島村の前回の選挙というのがどんなものだったのかを確認する。1955年に二人の候補によって争われた。

■ 1955年姫島村村長選挙結果(投票率:97.81%)
  藤本憲吉      1,166
  鹿野亀太郎     1,061


元村長で公職追放を受けて解除されたばかりの藤本と、新人の鹿野の争いだったという。しかし、当選した藤本は1957年に甥が村有地から石を盗掘した疑いが村議会で問題となり、その直後に病気を理由に辞職している。その後にあった村長選では、前回選挙に立候補した鹿野亀太郎氏のみが立候補し、無投票当選した。この鹿野氏も一身上の都合で1959年12月に突如辞職している。1960年1月の村長選では当時の村議会議長の藤本熊雄のみが立候補し、無投票当選した。
投票率から推定される投票しなかった人は50人程度 (無効票は分からないので無視している) あったと計算されるが、それが全部次点の候補に流れても届かない。島を二分する選挙というのは当たっているのだろう。当選した村長が病気が理由としても、実際のところは身内に不正があったことが原因だろうし、次に村長になった選挙の次点候補も辞職している。それが当選後二年でということだと、対立候補側からの脚の引っ張り具合も強烈なものだったのだろう。それに疲れたのか、何かを学んだのか、以降村長は無投票が続いたということである。
藤本熊雄は無投票で7期務め、藤本熊雄の急死を受けて1984年に息子の藤本昭夫が立候補して8期連続で、今回初めての選挙となり9期目の当選となった。選挙の無い島からと思ったら、村議会議員選挙は行われているようではある。しかし、村議会は基本的には質問が行われず、村が提出した案を原案通り可決して一日で議会が終わるような状態になっているという。村長の独裁化が進んでいると指摘されそうだが、島の住民の8%が公務員か公営企業の職員であるということからすれば、必然性を感じないではない。

当選した村長が、「選挙は良くない。村民が疑心暗鬼になる」と発言しているのは、過去の経緯を考えればもっともな話とも思えなくもないが、これを政治家が口にしてしまっては駄目だろう。水産業や観光業を発展させようと考えれば、他の地域との協力が必要なのであるが、村人の既得権益を守ろうとする発想では縛りがきつ過ぎる。何かを変えて豊かになることを選択するか、変えることなく貧しさを受け入れるかの選択は難しい。この国全体での議論も同じテーマである。村長には、そんな壮大なテーマに取り組んでいるという志を掲げ、成果を上げて貰いたいものである。


県や国からの補助金を獲得するだけで終わりそうだと思ってしまうが。

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