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2016年8月18日 (木)

福島第一の凍土壁、凍りきらず 有識者「計画は破綻」

東京電力福島第一原発の汚染水対策として1~4号機を「氷の壁」で囲う凍土壁について、東電は8月18日、凍結開始から4カ月半で、なお1%ほどが凍っていないと原子力規制委員会の検討会に報告した。地下水の流れを遮るという当初の計画は達成されておらず、規制委の外部有識者は「破綻している」と指摘した。
東電の報告によると、3月末に凍結を始めた長さ約820メートルの区間の温度計測点のうち、8月16日時点で99%が零度以下になったが、地下水が集中している残りの部分はまだ凍っていないという。東電は、セメントなどを注入すれば凍らせられると主張した。凍土壁の下流でくみ上げている地下水の量は、凍結開始前とほとんど変わっていない。外部有識者の橘高(きつたか)義典・首都大学東京教授は「凍土壁で地下水を遮る計画は破綻している。このまま進めるとしても、別の策を考えておく必要がある」と指摘。検討会は、上流でくみ上げた場合の地下水抑制効果の試算などを示すよう東電に求めた。(朝日新聞:8月18日)


凍土壁について考える。


技術的な難しさを伴うとされていた作業であるが、予想通りの結果になってしまった。技術検証する上で重要なのは、下流で汲み上げている地下水の量が変わっていないことである。仮に99%が凍っていても、水が流れ出すのが防げなければ失敗である。流量が変わっていないことを考えれば、温度計測点以外の場所に大きな非凍結部位があると解釈するのが妥当なところだろう。そもそも、温度計測点を基準にするのは、作業チーム内の仕事であるに過ぎず、外部の者からしたら、流出量以外に興味はない。出来ない言い訳としても最低の仕事である。
東電はセメントを注入すれば対策可能としているが、わざわざ冷やしておいてセメントを使うというのも筋が悪そうである。一般に用いられるセメントは低温で問題が生じる。特殊なセメントを用いると主張するのだろうが、そんなことをぐだぐだと議論した先にあるのが、常温でセメントによる流入防止壁であったのなら、凍土壁など要らなかったと言うことになる。失敗を認めず、曲解して正しさを主張するのは見苦しい。新しい技術に挑戦し、失敗したという事実を前面に出した上で、どうした問題点があり、どんな対策を検討しているかを示すことが順番である。気位の高い技術者が正当性を主張しているのだろうが、この頭の良い技術者の趣味嗜好に多くの資金を投入する理由など無い。そんなにこの技術に興味があるのなら、ファンドを組んで資金集めからすれば良いだけの話である。

凍土壁に関する一連の流れを見ていると、作業方針を決定している責任者やその周辺には、工事関係の知識がある人がいないのではないかと思えてくる。高い放射線が出ている地域での作業に制限があることから、作業者の立ち入りが最小限になる方法が最初にあり、効果のほどについては検証する知識もないから、言うがままに従ったということではないか。言うがままの主体は、凍土壁に関する研究を行っている人ということになろうが、この人物が本当の意味で経験があるとは思えない。凍土壁を作って流入防止は可能なのだろうが、現に水が大量に流入している状況で、凍土壁が生成されるには厳しい条件が加わる筈である。99%が凍っていても効果が出ていない状況からすれば、一部に穴があって他から大量に流れ込んだ結果、この部位は更に凍り難くなったと解釈するよりない。そこにセメントを入れれば効果が出るというのは、低温で水が流れる場所でセメントを固めるのは、凍土壁の専門家が思うより難しい技術である。
いつから福島では、多くの実験を実質税金で、緩い審査で行えるようになったのだろうか。東京電力には、理性のある人が既にいないということなのだろうか。


失敗を認めないと、その先も失敗する。そんなものだ。

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