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2016年8月31日 (水)

都知事、建設費急膨張も問題視 築地移転延期

東京都の小池百合子知事は8月31日の記者会見で、11月7日に予定していた築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転を延期すると正式に表明した。施設の建設費がもともと計画していた990億円から2752億円へ急膨張したことを問題視。「3倍近い増大は精査する必要がある。都民に説明する必要がある。その理由を私も知りたい」と述べた。(日本経済新聞:8月31日)

築地移転について考える。


築地の移転を延期する表面上の理由は、土壌汚染の問題である。しかし、小池の狙っているところは、移転費用が膨張している過程に問題があり、都議会議員を含めた業者選定に不正があった、あるいは、談合があったというところだろう。この目指す本丸を掲げたいところだが、事実が明らかにならなかった場合には小池に大きなダメージが跳ね返ってくる。普遍的な問題として、食の安全を出し、金額が大きくなったことに税金の使い方として妥当かを検証する、と穏やかで問題、つまり返り血を浴びない状態にしている。東京都が国から支援されない団体であるから、他の道府県にある国からのチェックを受けずに済んでいる。これが不正の温床になっているという想像は、それほど外れてはいないだろうが、不正の程度が深刻な状況であるか否かについては分からない。
談合と書いたが、競争入札で安くなるというのを無制限に信じてはいけない。幻想と思って良い。競争入札の目的は品質の維持にあると理解するのが良い。この国では仕事の成果物に対する誇りの意識が強いから、手抜き工事がはびこることはそれほどない。しかし、誤解による受注は完全には避けられないから、これを回避する知恵である。もちろん、無暗に高い請求を受けないようにという予防効果はあるだろう。ならば、と例を示す。
工事の仕様を満たす可能性のある会社は一社しかない。この会社しか成し得ない業務であるから、この会社の言い値で受注するか、競争入札が不調になるかのいずれかしかない。不調になった場合には、仕様を変更して別の技術に劣る会社に発注するしかない。この仕事が必要である前提があるのだから、仕様変更は意味がない。結果として、随意契約と同じことになるが、随意契約なら相談して発注になるが、競争入札の体を装うなら金額は言い値である。
熊本地震で壊れた熊本城の場合を考えよう。石垣を積める会社などそうはないだろう。城を作らなくなって久しいから、技術の伝承などされようもない。上屋より深刻であろう。関連する技術経験がある限られた業者に発注しようとすれば、多額の見積もりが出るだろう。一方で、外観上は似ている物に仕上げる条件で、中身は最も安い手法で造るとなれば、大手のゼネコンの手によって予算の半値以下の見積もりがでるかもしれない。更地にして、外から見える部分にだけ昔のイメージを残す、そう歌舞伎座みたいなものである。それで良いかどうかは別の判断になるが、造り手がいないとなれば致し方無い。一般に修理は、最初から作ることより高くなるものである。文化財など一言ある向きが多いだろうから、着手するまでの作業の方が膨大だろう。それに比べれば、文化財でもない市場の建物である。何とでもなるし、何とも言い難い金額の上昇である。

競争入札で安くならないとは言っても、一般的な事案ではそれほど高くならないというのも事実である。需給による価格決定がなされるにしても、二倍以上に上がるというのは、その仕事は成立しないというか上昇である。それなのに何も点検されずにコスト上昇を当然のものとして進めることが、東京都という組織の問題ではある。


小池が開けたのはパンドラの箱には、自身に降りかかる不幸も中にあるのだろう。

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