« 規制委、建屋の汚染水処理指示 東電に「早期に方策を」 | トップページ | ダイハツ、マレーシアで小型セダン 現地大手と開発 »

2016年7月20日 (水)

夏でも新鮮、ジビエ解体車 捕獲してすぐ処理・保冷、流通拡大狙う

NPO法人「日本ジビエ振興協議会」(埼玉県)などが、捕獲したイノシシやシカなどの野生動物を現場近くで解体できる車を作り、7月19日、新潟市で公開した。素早い解体、冷蔵により夏でも野生動物の肉「ジビエ」の流通を広げられる可能性がある。8月から各地で実証実験を始める予定だ。
解体車はトヨタ自動車の2トントラックをベースに、特殊車両などを手がける北村製作所(新潟市)などが協力して、約1500万円かけて作製。荷台には解体室と衛生管理のための中間室、5度に保つ保冷室を備える。動物をつるして洗え、汚水も外に出さずに回収できる。シカやイノシシを1日に最大5頭処理できる。シカやイノシシは狩猟や有害鳥獣としての駆除で、それぞれ年間約50万頭捕獲されている。野生動物の肉を流通させるには、捕獲後に都道府県の許可を受けた施設で解体する必要がある。だが、夏場は、捕獲後1~2時間で肉の質が悪くなるため、鮮度を保つのが難しく、大半が廃棄されている。協議会などは、解体車について食肉処理施設として必要な許可を長野県を手始めに申請し、来月以降、長野、福岡、鳥取、愛知で実際に使い、肉の味や衛生面を確かめる。協議会の藤木徳彦理事長は「捕獲されたシカやイノシシを活用できる割合を増やしたい」と話す。(朝日新聞:7月20日)


有害鳥獣駆除について考える。


タレントが兎を貰って、食用に処理したとブログに書いて、話題になったことがあった。兎を処理するのが残酷だというのである。日常的に口にする鶏も豚も牛も同じであるのに、兎だと残酷という扱いになる。難儀なご時勢である。
食肉用に飼育している農家では、鶏が50日、豚が180日、牛が900日というのが出荷までの日数である。飼育期間を短期間にして、生産性を向上するという方法をこの半世紀進めてきたと理解して良い。この方法で衛生管理はしっかりとしたものになり、同時にこの管理からはみ出すものを排除する法律を作って、安心して食すことが出来ると言うのが管理する側の論理である。法律の目指すところは、公衆衛生の確保であるから、栄養価の問題に触れることはまずない。よって、鳥獣駆除を行った場合に、食用にする作業は猟を行った者が行う訳ではない。解体処理場に移動して処理するという手順になっている。それでも十分とは言えないから、野生動物を食用にする場合の注意喚起を役所は行っている。
生産性を極限的に向上させる方法の結果として、これでは物足りないという人も出てくる。獣臭というのは、一般に嫌われる表現であるが、本来持っているものだとする考え方もある。豚より猪の方が強いだろうし、羊やヤギの独特の匂いを好む人もいる。牛でも、肉牛ではなく、乳牛を食肉処理されたものは、匂いが強いという。これは一般に流通しないで、加工用に流れるものだろう。

さて、野生動物の食肉についてである。ジビエというのはフランス語で、gibier と書くそうである。狩猟によって捕獲された野生の鳥獣を食用にするもので、畜産との対比として使われることが多い。猟で捕獲するというのは安定的ではなく、食肉処理に法律の網を掛けられれば、安定した流通を達成するのは難しい。そもそも、安定供給の達成が難しい課題になる。
狩猟した動物には、シカやイノシシ、ウサギ、カモ、シギなどがある。フランスの市場には、季節になれば、これらの肉が並ぶという。この中で、特にシカが代表的で、、山の草や木を食べて育ったシカの肉は野趣あふれる山の恵みと言われる。どれも、初期の血抜き処理が大切で、それを怠ると臭みが強くなる。これは畜産品でも同様であるが、計画的に処理するものと、成り行きで処理するものとの大きな違いになる。
市場規模の確認の為に、国内の食肉生産量の推移を農林水産省の資料から抜粋したのが下である。

■ 国内食肉生産量推移 (単位:1,000トン=農林水産省食料需給表)
   年       1965   1975   1985    1995    2005   2014
  牛肉      196   335    556    590    497    502
  豚肉      431  1,023   1,559   1,299   1,242   1,250
  鶏肉      238   759   1,354   1,252   1,293   1,494
  その他の肉   22    6      6      8      7      5
  鯨        218    76     15     36      6      2
  --------------------------------------------------------
  肉類     1,105  2,199   3,490   3,152   3,045   3,253


シカ肉の国内の消費量は400トン程度と推定される。北海道で有害獣として処理されるものが最も多いとされるが、エゾジカが5万頭以上処分されているという。ここで文章に推定が多いのは、これらの統計が存在しないことによる。農作物への被害が大きくなっていることから、もうしばらくすれば数値の公表があると思われる。
有害獣として処分されても、食肉用になるのは一部に過ぎない。これは食肉処理環境が整えば改善するというのが、記事の示す試みである。2トン車が入れる場所と、捕獲場所との距離が2時間でカバー可能かというのに、非常に疑問も持つのであるが、現状の時間に比べれば小さくなるのは間違いない。
こういった肉の流通に関して、衛生上の問題が懸念されることから、十分な加熱処理を行うように国や自治体が公表している。飼育している訳ではないから、衛生上想定される問題がかなり広い範囲を想定しなければならなくなる。役所はこの手の話は苦手だから、自己判断でとしたいが、野生動物の食用への利用を推奨するには避けて通れなくなる。悩ましい問題である。


奈良や広島で猟をするのは、いくらなんでもということである。

« 規制委、建屋の汚染水処理指示 東電に「早期に方策を」 | トップページ | ダイハツ、マレーシアで小型セダン 現地大手と開発 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 規制委、建屋の汚染水処理指示 東電に「早期に方策を」 | トップページ | ダイハツ、マレーシアで小型セダン 現地大手と開発 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ