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2016年7月12日 (火)

HDDの米シーゲイト、計8000人超削減 パソコン低迷映す

ハードディスク駆動装置(HDD)大手の米シーゲイト・テクノロジー(カリフォルニア州)は11日(米国時間)、全従業員の14%に相当する6500人を2017年6月期末までに削減すると発表した。削減のために1億6400万ドル(約170億円)を費用として今期に計上する。
シーゲイトは6月29日に1600人のリストラを発表しており、短期間で合計8000人超の削減を決めたことになる。世界的にパソコン需要が飽和し、記憶媒体もHDDから半導体メモリーを使った装置に切り替わりつつある。シーゲイトは中東や東南アジア、中国に工場や販売拠点を持つが、グローバルの事業体制を見直すとしている。
シーゲイトは16年4~6月期の売上高が26億5000万ドル、総利益率が26%になるとの見通しを示した。どちらも従来予想(売上高は23億ドル、利益率は23%)を上回ったが、現在の雇用を今後も維持できるほど業況が大幅に好転するには至らないと判断した。パソコンの販売は世界景気の鈍化や、機能の飽和に伴う買い替えの伸び悩みを受けて低迷している。データセンター向けの需要は旺盛だが、HDD全体の需要の伸びは鈍っている。競合する米ウエスタン・デジタルはフラッシュメモリー大手の米サンディスクを買収し、品ぞろえの幅を広げている。(日本経済新聞:7月12日)

HDD市場について考える。


HDDの製造会社が整理されて、現在では記事のSeagateの他に、WDと東芝の三社に過ぎない。WDが日立GSTを買収する際に欧州の公取委がデスクトップ系のHDDが二社になることを指摘し、3.5"デスクトプ系のHDDの生産設備の一部がWDから東芝に移動した。この結果、規模の大小はあるにしても、三社ともすべてのHDDカテゴリーに参入している。
2.5"以下のHDDと、3.5"HDDの出荷数量の推移から確認する。結果を下に示す。

Hdd_3
縦軸は対数である。2.5"HDDは1995年から10年間で一桁出荷数量を増やした。その後の5年間も同様に増加したが、タイでの水害発生の影響で出荷数が減った2011年末から数量は減少に転じた。市場調査に従えばノートPCでHDDがSSDに置き換えられているとされる。現実には、ノートPCが売れなくなったというのが正しいようだ。
3.5"HDDについては横ばい状態が10年続いている。デスクトップPCがノートPCに置き換わるか、あるいはデスクトップPCでも消費電力の少ない2.5"HDDに置き換わると言われたが、映像保存用途には面積が大きいことで、結果容量が大きい3.5"がコンシュマー製品で好まれるという結果になっている。
2.5"より小さいHDDに、1.89"と1"があったが、どちらもSSD製品と直接競合することになり市場を失った。こちらの分析はどこも同じ意見で、各社が撤退していることからして間違いはないようだ。
PCの出荷数の推移を下に示す。
Pc
デスクトップPCがノートPCに抜かれたのが2009年である。デスクトップPCはディスプレイサイズの大きなモデルは残るものの、HDDは省エネ性・省スペース性が高いこと、ファンなどの冷却機能が小さく出来ることなどから、2.5"HDDに置き換わるという流れとされていた。実際には、法人での利用ではその流れがあるのだろうが、個人使用では容量の大きく安いモデルの方が好まれる傾向は残っているようだ。
ノートPCのピークは2011年で、それ以降減少に転じた。要因はタブレットPCの出現である。タブレットPCの定義は製造元によって若干の違いがあるし、調査会社でも同様である。主な違いは、キーボードが脱着可能なものをタブレットとするかノートとするかである。上記ではノートに含めている。加えて、スマートフォンとの境界である。ディスプレイサイズ以外に性能上の違いは小さいのだが、タブレットは相対的に大きなものを指している。
そのタブレットPCも2014年から現象に転じている。この原因は明確でスマートフォンの機能向上によるものだ。機能といっても、多くはディスプレイサイズとアプリケーションによる。法人用としては中途半端に大きなタブレットでは、スマートフォンとノートPCの組み合わせに劣るという判断になる。実際の台数を引っ張ってきた製品は、安いモデルであり、顧客は個人であったろうから、顧客からスマートフォンと差が無いと思われれば市場の一部を失う必然性はある。

Seagateの判断は、三社の寡占状態であるHDD産業で、今後激しい競争にさらされる心配は少ないから、生産販売の合理化を今から計るということである。三社の中には東芝があり、もっとも市場占有率も低く、特徴的な技術も無い状況では、撤退することも起こり得る話である。東芝のHDD事業を買いたいと思う企業もないだろうから、その先はWDとの二社になる。現状、規模もラインナップも拮抗しているから、体力のある方が有利ということになる。財務的に少しでも優位に立ちたいと言う判断なのだろう。


世の中デジタル情報だらけになってしまう。使うのも貯めるのも大変だ。

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