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2016年6月27日 (月)

富士フイルム、比でインスタントカメラ生産開始

富士フイルムは6月27日、インスタントカメラ「チェキ」の生産を新たにフィリピンのレンズ工場で始めたと発表した。これまでは中国で生産していた。チェキは販売台数を伸ばしており、2015年度の実績は505万台。16年度は650万台の販売を目指す。神奈川県にある工場では秋以降、フィルムを1割増産する計画。欧米での需要増に対応する。
スマートフォン(スマホ)で撮影した写真をチェキ用のフィルムに印刷するプリンターを7月に発売することも同日発表した。従来品から印刷にかかる時間を4割減らした。新製品「スマホdeチェキ インスタックス シェア SP-2」はスマホに撮りためた写真から、簡単にフィルムにプリントできる。プリントにかかる時間は10秒。想定価格は2万2500円。年間25万台の販売を目指す。(日本経済新聞:6月27日)


インスタントカメラについて考える。


ポラロイド社がインスタントフィルムから撤退したのは2008年である。JOYCAM500フィルム、スペクトラ1200フィルム、SX-70フィルムの生産中止が2006年、600フィルムが2008年になっている。あまり売れなかったi-Zoneの小型フィルムも2006年に中止されているが、売れていないから話題にもならなかった。
ポラロイドのフィルムには電池が入っているのに対し、富士フイルムのインスタントフィルムには電池が無い。ポラロイドのフィルムサイズを小さい方から順に、i-Zone、500、SX-70と600、1200となる。SX-70と600は感度の違いである。i-Zoneは超小型サイズで別になるが、他のサイズの差は小さい。ポラロイドからの供給は絶えて久しいが、別の会社が600と1200で使えるフィルムを供給している。ピールアパートタイプはポラロイドと富士フイルムの差は小さく、互換性があるとされる。若干厚みに違いがあるのか、質の違いか、全く同じということではなく、微妙にローラーの所でうまく抜けないことがあった。
記事に無関係なポラロイドを扱い理由は、スペクトラとSX-70は持っていないが、他のものは所有した経験がある。スペクトラも購入しようと思ったが、解像度が期待したほど高くない割りにフィルムの価格が高かったことから、600の方が扱いやすいと思ったことによる。i-Zoneはプリント倶楽部で得られるものを1枚100円で手軽に出来るという仕様だが、プリント倶楽部に関心が薄いようでは用途に乏しかった。JOYCAMはちょっと便利な印象であったが、とにかく撮るたびにうるさいと感じる製品であった。騒音はポラロイド製品に共通する特徴 (i-Zoneを除く) とも言えるのだが、JOYCAMのそれは安っぽくうるさいというおもちゃのような音であった。それに、カメラサイズが非常に大きかった。ポラロイドのカメラが大きいのは、ミラーを用いて像を反転させる為という。これは、富士フイルムから供給される可能性がないことを意味する。
もう少し解像度の高いモデルを希望したが、デジタルカメラに移行してしまった現在では、この程度の低い解像度が別の味わいがあると感じるようだ。世の中の流れと合っていないのは、昨日今日の話ではない。解像度が高いと、デジタルカメラからの出力機に利用できると思ったが、そういう気持ちの人は多くないというのが市場調査の結果のようだ。面積が限られたフィルムに印字するのは用途は少なそうだ。なら、いっそのことピールアパートの方が面積も解像度も高い (それでも大したレベルでないが) 。カラーより白黒の方が味わい深さもありそうだ。剥がした紙の処理に困るという難点がある。少し臭いから。そうはいってもピールアパートについて、2016年2月に富士フイルムから生産中止が発表されている。

富士フイルムのインスタントカメラに戻す。富士フイルムのインスタントフィルムの問題点は、型式が良く変わることである。ポラロイドの600フィルムが、カメラが安く、フィルムが高いものであるから、フォーマットの変更に対する市場からの反発は少ないのかもしれない。それでも、再び買いたくない気持ちにさせるには十分である。
記事のフィルムには、チェキフィルムと称するチェキ専用のフィルムと、ワイドと称するワイド専用フィルムがあるが、前者の方である。富士フイルムは過去に、インスタントフォトラマフィルムFI-800GT、ACEを販売していたが、製造中止になっている。ポラロイドが供給停止になると、別の法人が供給を開始するという動きがあるが、富士フイルム製品にはそんな動きはない。愛着を持つ製品を供給出来なかったことを反省する必要があると解釈可能だが、愛着を持たれる商品を提供する会社がつぶれているのだから、経済原理は心情的な動きを超えるし、企業経営とはそれを是とするものである。

富士フイルムの社員に写真がすぐに見えること、それも液晶画面ではなく印画紙に出力される魅力を感じる人は多くいるだろう。しかし、会社はフィルム関係に資金を投入する環境にない。利便性一辺倒の結果が良好な経営結果をもたらすのは歴史が示すところであるが、情緒的な商品においてこれで済ますのは難しいことも知られている。インスタントカメラが売れる理由を経営者はどう説明するのだろうか。結婚式などのイベントで良く用いられることは知られるが、それだけで説明が付く訳でもない。利便性原理主義者は、スマートフォンからのデータ転送による出力機が売れると思っているようだが、これは情緒的な商品ではない。人間がすべからく合理的な行動をとるとは限らない。情緒的な商品には、無駄に待たされる時間や、妙な音や匂いがあった方が良い。さて、どんな結果が出るのだろうか。


ポラロイド600フィルムの互換品を検索してしまった。白黒の方が良いかな。

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