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2016年6月28日 (火)

超小型EV 実証実験 日産九州と行橋市、連携協定

日産自動車九州(福岡県苅田町)と福岡県行橋市は6月27日、電気自動車(EV)などの普及に向け、連携協定を締結した。同社が自治体と協定を結ぶのは初めて。高齢化が進む地域の足として今後需要が見込める2人乗りの超小型EVの活用法を探る。市も従来の購入補助金に加え、マンションへのEV用充電器設置補助金を8月に新設するなど普及を後押しする。
協定では、日産九州側が2人乗りの「日産ニューモビリティコンセプト」2台を行橋市に貸与。市は今後、福祉・介護や教育などの分野で超小型EVの実証実験を行い、効果的な利用法を探る。超小型EVならではの利用法が見つかれば、日産側にもフィードバックしていく。また、日産自動車は同日、EVワゴン車「e-NV200」も市に無償貸与した。最大1500ワットの電力を供給できる「走る蓄電池」として活用できるのが特徴。公用車として使ってもらうとともに、被災時などの非常用電源としても役立ててもらう。(日本経済新聞:6月27日)


EVについて考える。


日産ニューモビリティコンセプトは、超小型EVに属するものであるが、この国の交通法規に合致しない、彼らが使うであろう言葉としては、法律が予定していない製品になっている。スズキのセニアカーというのは電動イスというカテゴリーになっている。これを車両扱いしようとすると、電動車いすの扱いに困ることになる。速度制限があってセニアカーのような電動で動くいすでは時速6km、歩行補助具では時速9kmを超えない仕様になっている。小型特殊自動車の最高速度が時速15kmであるから、免許が不要で歩道走行となるとこれくらいという規制になっている。
超小型EVの法律上の問題は、車両の安全基準と保険の取り扱いが大きなものになる。超小型EVをあてこむカテゴリーとして、車両として大きい方から順に、軽自動車、自動二輪、原動機付自転車ということになる。トライクやミニカーは、それぞれ自動二輪、原動機付自転車で含めて考えて良い。軽自動車だと、車検が必要で、車両の安全基準も要求が高い。普通自動車免許で乗れるが、都市部だと車庫証明が必要になる。自動二輪の場合には、定格出力1kW超であれば軽二輪扱い (250cc以下と同じ) になる。出力が0.6kWを超え1kW以下の場合には、小型自動二輪(50cc超125cc以下と同じ)扱いになる。車検がない、車庫証明不要、二人乗り可となるが、免許が自動二輪の免許が必要になる。原動機付自転車扱いなら、0.6kW以下の制限があるのと、一人乗りのみという制限が加わる。
何年か前から超小型EVが普及するとする意見が、ネット上で見ることが多かったし、雑誌などでも扱われたが、一向に普及する兆しが無い。法律の隙間にはまってしまった感はあるし、大学などの研究機関の報告は市場全体を見ていない印象が強い。今回の日産の位置付けでみると、福祉施設での利用を意識しているようだ。地方の福祉施設なら、軽自動車と普通自動車のワゴンでカバーしきれそうだ。走る蓄電池というのも、取って付けた感がある。最大1500Wといっても、目安になる供給能力は1000Wで8時間である。家庭用蓄電池として8kWhは大きなものであるが、福祉施設としてみたら十分なものとは言えないだろう。しかし、ないよりも良いとは言える。その程度である。商用車としてe-NV200を使うとすれば、遠出する用途ではないだろう。カタログで170kmというのは、半分程度と見れば良いが、老人の移動に用いるとなると、寒い時には暖房に多くの電力を使うことになるだろう。送迎用途に使い勝手が良いというものでもない。

超小型EVの提案事例を読むと、都市部の商品配達業務=バイクより大きくて有難いことはない地域である、保育園などへの子供の送迎=自転車利用でも保育園は困っているのに、更に大きなもので来園されては困るだろう、地方でも福祉関係の利用=軽自動車でも困らないのだが、と疑問を持つ提案ばかりが並ぶ。もちろん、都市部でも超小型EVで助かる可能性もあるし、保育園の送迎に自動車を使って欲しくないところもあるだろう。地方でガソリンスタンドが遠いから、近距離の利用にEVが馴染むというものもあろう。しかし、日産という自動車製造を営利事業として行っている会社がその程度に組みして良いということはない。
日産が行うべき仕事は、超小型EVの法的な位置付けを明確にする作業である。一人乗りに限定する必要はないから二人乗りにして、普通自動車免許で可能にする。問題があるという意見があれば、普通免許+講習会にすれば良い。三輪、もしくは四輪で、出力は交通の妨げにならない適切なレベルとする。衝突安全性を確保するのは難しいから、無いに等しい二輪車と同じ訳にはいかないので、新たに設定することにする。税金や保険制度は、小型自動二輪に準じるレベルが良いが、徴税当局は贅沢品だからともっと高いものを要求するだろう。愚かなことである。都市部の渋滞緩和や、環境改善に貢献できれば、税金が使われる金額の抑制につながるものである。自分の所属部署の権益しか考えないことを公表すれば黙るに決まっている。

実証実験というのは、千台の単位で運用することである。数台の世界にいつまでも留まっていては、あの売れないリーフと同じになってしまう。売れないと言っても、ゴーンの大風呂敷程ではないという程度で、相応の車両数になっている。そこからだと考えるが如何か。


自動車を走らせないで何が分かるというのだ。

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