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2016年5月 7日 (土)

連休中のこと

自動車のエアコンが不調になり修理となった。連休中特段の予定もなく、代車は何でも良いという事情が優先され、あてがわれた代車はスズキ・エブリイバンの13万km走ったMT車であった。RWDの簡易装備のハイルーフ仕様は、出力が49ps/5700rpm、最大トルクが6.3kgfm/3500rpmの何の変哲もない軽商用車である。車重は確認していないが900kgを超えることはないだろう。13万kmの痕跡は方々にある。ステアリングにあったであろうエンボスは通常触る部分にない。ここは触らないなと思う部分に触れると、新車の仕様を思い描くことが可能である。シフトレバーには、そんな思い出を探ることも出来ない。しかし、表面の光沢は一定の凹凸が存在したことを想像させる。一般的な感慨としては、人間の手がそこまでの研磨能力があるのかと驚かされる。
困ることはそれほどないのだが、車内の臭いが耐え難い。タバコに慣れていないこともあるが、カビ臭さも強烈にある。走り出する窓を開け、無論パワーウィンドウなどない、その後、コンビニエンスストアで止まって買い物をして、小さなポリ袋に灰皿の中身を移した。気分程度は良くなったが、その程度である。翌日は車内をアルコール除菌ウェットティシュ で拭いて、室内を掃き掃除した。この手のクルマは、運転席を持ち上げるとエンジンが見えるという構造である。そうしてみると確かに地面が見える。走っていて路面からの音が大きい気がしたが、当然のことだと納得した。その周囲も掃き掃除する。幾らか改善した気になったが、連休中の暑い日にエアコンを入れたら強烈なカビ臭がしてきた。これくらいで許すとしよう。
運転して辛いのは、ペダルが左にオフセットしていることである。腰や膝に痛みが出てくる。前輪のホイールハウスが車内スペースを干渉してしまうのだから仕方ない。前輪の直後に乗ることや、エンジンの上に座るというポジションは慣れれば何とかなった。上り坂ではアクセルを深く踏まねばならず、低いギアを選択することになる。高いエンジン音も仕方のないことだと受け入れられる。100km/hの回転数が5000rpmくらいだと思われるから、この位の回転数は常用することになる。最大出力を本当の意味で意識するクルマは、NAの軽自動車くらいだろうと思う瞬間でもある。
何もないバンでもラジオはある。FMも入るが小さなスピーカーでひとつだけ付いているという簡素なものである。連休中の渋滞情報は知っておきたいから、何もないよりずっと優れるといえる。この何にもついていない商用車は、積極的に乗せたくはないが四人で走行することが可能である。荷物も結構詰める。ブレーキはもう少しなんとかならいかと、強く思うのではあるのだが、頼りないタイヤはライトトラック仕様であることを考慮すれば、ブレーキだけの責任ということでもない。サスペンションも軽い車重に350kg積載可能とうたうのなら、こうしかなりようもない。運転者がやるべきことは、車間距離を十分に取ることと、前方への注意をより遠くまで取るということである。幸い視点が高いから容易ではある。

若者のクルマ離れが自動車会社の経営に影響しているとされる。クルマを所有することで得られることより、負担があまりに大きいということのようだ。クルマを持つことがステータスであった時代は昔の話である。しかし、若者が移動する自由を放棄して、スマートフォンの中のバーチャルな世界に閉じこもるのもどうかと思う。エブリイバンのシートでも2時間くらいなら我慢できそうだ。そこまで荷物を積まない前提なら、アルトバンの方がオフセットが小さく姿勢の負担は小さいだろう。何よりアルトバンなら新車車両価格が69万円となっている。実質的に耐え難い後部座席は緊急用なのだからドアは3枚で済む。そんな仕様で作ればあと数キロか軽くなりそうだ。なんてったって610kgのベース車重である。ドアを減らせば600kgを切れる。F1のレギュレーションで最低重量は642kgである。605kgであったのは2009年までだ。
AT限定免許なら8万円高くなるがAGS仕様がある。出力の低いクルマのクラッチなど知れたものだ。フェラーリでMTが無くなった理由が燃費対策とされるが、実態としては大出力のエンジンのクラッチ操作が現実的でなくなっているというのも事情だろう。機械に制御されていることより、制御する自由を重視すれば、多少の不便など受け入れ可能な問題である。
別にバンでなくてもよいのだが、乗用車の場合は、保険が年齢割引の適用が多く用意されていることで、相対的に若年層に割高になる傾向がある。まあ、実際の差は小さいのだろうが、若者にはその小さな金額が大きい。二十代でアルトバンを買って、十年間乗れば良い。13万km走ったエブリイがこの位なのだから、きっと大丈夫だろう。ハイブリッドとかターボとかはない方が良い。複雑な製品は、壊れる期待値が上がるというものである。楽をするのは歳を取ってからの楽しみにして、若いうちは不便を全身で感じれば良い。クラウンなら側溝にタイヤを落とせばJAFを呼ぶよりないが、アルトバンなら二人で持ち上げることも出来るかもしれない。
自動車会社はドアを減らして、その分を前のシートの質の改善に使って欲しい。CDは不要だが、スピーカーは二つあった方が良いだろう。国内のボンネットバンとスポーツタイプの軽自動車の販売台数の推移を下に示す。

■ ボンネットバン軽自動車と2座スポーツタイプ軽自動車の販売台数 (暦年)
           2016      2015     2014     2013
  ミラバン    1,785     7,069    8,506    9,576
  アルトバン   2,766    10,679    13,301    14,052
  コペン     1,671     7,274    6,754       6
  S660      3,260     9,296      0       0


背中にエンジンがあったり、空が見える仕様であって、ターボもついても、200万円で850kgの軽自動車である。自由であることは、軽いこと、安いことである。ミラバンは3枚ドアだが700kgを超える。その意味では、アルトバンの方が最適といえる。ボディーカラーくらい何とかしたいものではあるが。


軽自動車より、自転車の方が自由だと考えるのは良いセンスである。まあ、天候には注意が必要になるものの、重い荷物は積めないことを気にしなければ、100kmの範囲くらいは自由に行動可能だろう。最も重いものは、自分の命だというのは正しい言い草だ。自分自身による点検の他に、専門家に状態を確認して貰うのは、重く大切なものを運ぶのに当然の行為である。保険にも加入するとしても、自動車に比べれば安い。メンテナンスの費用も安いし、そもそも、自転車なら車両価格はアルトバンより安い。カーボンでも30万円くらいで買えるかもしれない。それ以上は幾らもあるだろうが、エンジンを鍛えなければ性能は上がらない。

自転車は自由を標榜するよりない。軽自動車でそれを叫ばなければ、若者のクルマ離れという言い訳をグダグダとする会議に出て、無謀な燃費改善を命令する年寄りに経営を支配され、こんな筈ではなかったとため息をつくのなら、移動する自由を提供する仕事をしたらどうか。市場調査会社はこんな要求はないと結論するだろう。しかし、能書きの多いクルマが十分売れている訳では無い。安いクルマを国内で作るという挑戦をしたらどうだろうか。


ボロイ、カビとタバコの臭いの車内で考えた。

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