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2016年5月24日 (火)

シチズンHDとセイコーHDの時計2社 今期、広告宣伝費積み増し

シチズンホールディングスとセイコーホールディングスは2017年3月期に広告宣伝費を積み増す。両社とも年明け以降の円高で海外収益が目減りし、今期の連結営業利益は前期に比べ1割前後減る見通し。宣伝コストを抑えれば営業増益もうかがえるが、ブランド力の向上を優先させる。
セイコーHDの今期の連結営業利益は前期比10%(13億円)減の120億円を見込む。一方で広告宣伝費は前期より20億円ほど多い200億円超を計画する。前年並みに抑えれば増益の可能性もあるものの、服部真二最高経営責任者は「積極的な広告宣伝で中価格帯のイメージから脱却し、スイス時計に対抗できるだけの高級ブランドに脱皮したい」と語る。
シチズンHDも今期の広告費を前期より15億円多い230億円と4期連続で増やす。営業利益は6%(約20億円)減の285億円を見込む。やはり広告費が前期並みなら営業利益はほぼ横ばい近くを確保できる計算だ。同社の腕時計はアジアや南米で振るわないが、売り上げの3分の2を占める日米では堅調。「今後も両国で重点的に広告宣伝費をかける」(戸倉敏夫社長)方針で、短期的な増益確保より中期的な成長を優先させる。(日本経済新聞:5月24日)


日本の時計会社について考える。


シチズンとセイコーの時計事業について、売上高、営業利益と会社全体の広告宣伝費の推移をまとめたのが下である。

■ シチズンHDの3月期時計事業売上高、営業利益と広告宣伝費推移 (単位:百万円)
   年      売上高    営業利益   広告宣伝費
  2016    181,384    20,582    21,512
  2015    172,417    19,669    20,852
  2014    165,621    17,215    18,882
  2013    142,593    10,957    14,741
  2012    143,408    13,047    15,499
  2011    140,817    14,452    13,553
  2010    123,714     9,751    11,901


■ セイコーHDの3月期時計事業売上高、営業利益と広告宣伝費推移 (単位:百万円)
   年     売上高    営業利益   広告宣伝費
  2016    164,453    12,722     18,366
  2015    159,075    12,334     16,624
  2014    150,739    12,253     13,343
  2013    121,022     7,874     9,476
  2012    112,452     7,380     7,962
  2011    106,965     7,965      ―
  2010     64,563     2,231     7,482


二社の時計事業の規模は同じくらいと思って良い。広告宣伝費も近いイメージである。広告宣伝費の金額がどのくらいなのか想像が付かないので、東洋経済が2015年8月にまとめた広告宣伝費の多い会社10社を金額と共に下に示す。なお、調査対象企業は約920社で上場企業の4分の1に相当する。

■ 広告宣伝費の多い会社 (単位:億円)
  ソニー         4,444
  トヨタ自動車      4,351
  日産自動車      3,367
  イオン         1,721
  セブン&i HD      1,656
  ブリヂストン      1,243
  マツダ         1,224
  武田薬品工業    1,132
  NTT           1,012
  三菱自動車      1,012


200億円で50位、100億円で100位というところである。有価証券報告書に販管費の内訳は、10%以上を占めた項目しか開示義務がない。金額の小さな会社では公表されないということになる。東洋経済によると、広告宣伝費の平均は59億円で、売上高に占める比率は同3.5%であった。
シチズン、セイコーとも、時計事業の売上高に比較すると広告宣伝費が高いように見えるが、他の事業もあるのだから単純な話ではない。まあ、時計事業の割合が高いのは事業構成から見て当然ではある。近年、広告宣伝費が大きくなっているのは、高級ブランドになりたいという欲望が見て取れる。沢山作って、性能も高いのに、安物扱いは不満が出て当然である。

スイス時計の高級ブランドに対抗したいという気持ちがあるのだろう。Rolexは、ゴルフのマスターズ、自動車レースのF1、テニスのウィンブルドン、ヨットも乗馬もあると記憶する。基本的に貴族趣味のにおいがする。性能以外の部分で差別化が図られた高級ブランドというのは、この鼻持ちならない貴族趣味というのが必要になるのだろう。樹脂のケースに、液晶表示で5年は電池交換不要という時計に、貴族趣味は感じないだろう。性能としてはこれに劣る、樹脂ケースのアナログ表示の時計は、メンテナンス不可 (電池交換は可能) というモデルを大量に、しかも、不当に近い高値で売ることで、貴族趣味の高級ブランドを支える事業構成を作っている。大衆性を感じる日本のブランドで、貴族趣味は難しそうだ。カシオのような潔さにこそ差別化は達成されるのだろうが、シチズンやセイコーでは採用されないだろう。


宣伝すれば高級になるというのは、どの世界にもない。

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