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2016年4月27日 (水)

三菱自不正 軽市場、2強優位が加速か!? 三菱自のシェア低下必至

三菱自動車の燃費データ不正問題を受け、ダイハツ工業とスズキの“2強”が国内の軽自動車市場のシェアを高めそうだ。三菱自はデータの不正操作を行った軽について、日産自動車向けも含めて販売を停止しており、ブランドイメージの悪化は避けられない状況だ。
三菱自が不正を発表した翌日の4月21日、三菱自の株価が年初来安値となる一方、スズキやホンダなどの株価は上昇した。市場では三菱自から流出した顧客が、他メーカーに向かうとの見方が強い。平成27年度の軽の販売台数は約180万台。シェアはダイハツが32.3%、スズキが30.3%と2強で約6割を占め、ホンダが17.7%で追いすがる状況。三菱自は3.2%にすぎず、日産も10.9%にとどまる。軽は割安な価格や維持費を武器に、26年度の国内新車販売に占める割合は初めて4割を超えた。ただ昨年、軽自動車税が増税となり、その後の販売は苦戦。ダイハツが27日発表した28年3月期決算も減収減益だった。三菱自の相川哲郎社長は27日の記者会見で「軽からの撤退は考えていない」と述べたが、シェアのさらなる低下は避けられない。(産経新聞:4月27日)


軽自動車市場と三菱自動車について考える。


先日扱ったばかりだが、引き続き考えることにする。国内の乗用軽自動車の販売台数を、会社別にまとめたのが下である。

■ 乗用軽自動車販売台数 (3月末〆)
  会社名     2016     2015     2014     2013     2012
  ダイハツ   446,620    528,412   547,734   524,992   501,147
  スズキ    411,014    536,956   499,085   444,487   410,550
  ホンダ     292,637   351,188    397,676   331,375   138,809
  日産      162,020   200,733    192,898   121,098   134,658
  三菱      44,710    59,720     60,689    41,578    59,199
  マツダ     31,318    42,398     51,150    41,151    39,243
  スバル     20,860     22,456    39,386    34,525    35,051
  トヨタ      18,703     18,867    32,329    31,969    13,966


軽自動車を乗用に限定したのは、トラックなどの商用車は個人消費とは別の動きをするだろうということと、三菱自動車の経営と関連付けることを意識したことによる。軽自動車市場は既にOEMが活発に行われている。特にいわゆる軽トラックにおいては、ダイハツ (スバル、トヨタ) と、スズキ (マツダ、日産、三菱) が大半を占めていて、例外的にホンダがある。ホンダの生産は八千代工業で行われている。八千代工業はホンダが過半数出資する連結対象の会社である。軽トラックに限定して、OEMを製造元に振り付けて販売台数の推移としてまとめた。結果を下に示す。

■ 軽トラックの生産元別販売台数推移 (3月末〆)
               2015     2014     2013
  ダイハツ       83,684    101,866    95,366
  スズキ        78,893    79,640    97,168
  八千代工業     44,237    34,931    42,794
  (内軽トラック)    18,124    18,972    25,236


八千代工業は、ホンダのNシリーズ以外の、バモス、アクティとS660の製造を行っている。それらの合計と、アクティトラックのみとを上に示した。ダイハツ、スズキは8万台規模での生産量であるが、八千代工業は複数のシリーズ合計で4万台である。規模の効果が大きな産業である自動車製造においては、競争できるレベルに達していないというところだろう。8万台というのは三菱自動車の販売台数の二倍に相当する。モデル構成の単純な軽トラックでの台数というのは大きい。利益が大きいか否かは別の問題になるが、特殊なモデルを少量作るという八千代工業のスポーツカー製造とは別の世界の話になる。
八千代工業とて、ホンダの製造委託のみの事業を行っている訳では無い。これと比較すると、三菱の水島事業所の生産量の三菱向け分は、八千代工業程度に過ぎない。つまり、日産ありき、日産の販売網に乗せることをしないと維持できない事業所であり、この会社の経営状態になっていると判断して良い。国内での自動車製造は、軽自動車を別にして、大型SUVであるパジェロの新製品開発の中止が報道されていて、OEMでの検討になるのだろうと予想される。最盛期に8万台売れたモデルが、2千台になっては新製品の方向性は大きく変えなければならないだろう。小型モデルのミラージュはタイでの製造に移っているが、国内販売の不振は続いている。同じくタイでの製造である日産マーチは、販売網の充実しているにも関わらず前のモデルに劣る実績しかないから、途上国生産を市場は歓迎していないということなのだろうか。インドの製造であるスズキイグニスが、これらのモデルと同じ結果になるかが気になるところである。2月の新車販売台数が 2,089台、3月が 2,215台と月の販売目標台数の1,500台を超えている。これが続くのなら、生産地ではなく、商品力と価格の問題ということになる。

三菱自動車をどうするかという話になるのだろう。日産は国内の自社工場で軽自動車製造を行いたい事情があり、三菱自動車を引き取る理由は乏しい。タダでくれると言っても、今回の不祥事を金銭で解決する方が得と考えるところだろう。他の会社でも国内の生産拠点の拡充の必要なところはないだろう。それでは海外はというと、タイ工場があるのだが、特別買収したいと日本の会社は考えないかもしれない。日本の自動車産業は苦しい状況にある。それでも、三菱商事も、三菱重工も、銀行もこんな会社の面倒を見たくないと思っているだろうから、引き取り手は海外の会社ということになる。現実的な候補としては、中国の自動車会社ということになるのだろうか。かなり買い叩かれる気がする。

燃費を見てクルマを選ばないという意見を口にする者があるが、それは決定的に間違っている。この国の怪しげな税制により、燃費が良いとされるモデルは、税金の減免措置が取られている。燃費ではなく、税金で選ぶ動機があるのだ。こんなことも知らない人が関係者としてインタビューに答えるところに、こうなる必然性を感じずにはいられない。


シャープの自動車産業版になりそうだ。

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