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2016年3月 3日 (木)

部落解放同盟「安倍政権と対決する」 参院選の運動方針

部落解放同盟は2~3日に東京都内で第73回全国大会を開き、2016年度の運動方針を決めた。安倍政権による安保法制の制定や、憲法に「緊急事態条項」を加えようとする動きを「戦争推進政策」と批判。7月の参院選は「安倍政権と対決する候補者を推薦し支援する」と決めた。
ヘイトスピーチを禁じる「人種差別撤廃施策推進法案」の成立を支援し、「人権侵害救済法」の実現をめざすとした。被差別部落の地名リストを書籍として販売するとの情報に対し「差別の助長や拡散につながる部落差別行為であり人権侵害」として、販売中止などの「厳正な対処」を求める申し入れを法務省などに行ったことも明らかにした。(朝日新聞:3月3日)


部落解放同盟について考える。


部落解放同盟というのは、部落問題に関連する当事者団体である同和団体のひとつである。同和団体は、異なる政治的背景を持つ複数の団体が存在していて、運動方針においてそれぞれ独自の路線を打ち出している。日本政府が交渉対象団体として認めているのは、自由同和会と全国地域人権運動総連合と部落解放同盟 の三つの団体である。以前は、全日本同和会も政府の交渉対象団体だったが、同和利権がらみで不祥事が続発したために排除された。
同和団体というのは、人権団体であるのだが、同和問題以外の人権団体というのには、北朝鮮の拉致問題、中国残留日本人孤児、障害者の支援活動、冤罪被害者の支援などいろいろある。同和関係以外は、それほど大きな組織では無い印象がある。大きいか小さいかの印象は、公的な予算のイメージで決まっている気もする。正しくはないが、世の中の基準の多くは、金銭で測定されるというのもまた事実である。三つの団体を記す。

     団体名              関連政党
   自由同和会            自民党系
   全国地域人権運動総連合   共産党系
   部落解放同盟           民主の他、自民、公明、社民など

会員数などは公表されていないが、自由同和会は支部が26都道府県にあり会員数は98,000人としている。時期も内容も明確でないものである。自由同和会は、1986年に全日本同和会から分裂したものである。全日本同和会は古い組織で、歴史的に部落解放同盟に次いでおり、部落解放同盟と共に政府に対して同和対策の積極的実施を要請していた。自民党と結びついた組織であったが、分裂の原因ともなった不法行為が増加していた。分裂する頃である1987年5月の段階では、登録員約35万人、43都道府県に支部を持っていた。分裂後も全日本同和会は継続し、自民党のタカ派議員などを中心につながりは保っている。
政党との関係といっても単純ではない。例えば、共産党系と言われる全国地域人権運動総連合でも、会員規約で「思想、信条、政党支持、政治活動の自由」を謳っているし、市場原理主義や小さな政府を支持する表現もある。つまり、国の政治を中心とした組織ではなく、同和問題の解決を目的にした団体だと単純に理解すれば良い。しかし、それならなぜ複数の団体があるかという疑問も出てくる。自らの団体の目標の実現には、政党と連携するのが早道であり、それを拒むと道が狭まるというのは事実であろう。結果として政党と手を組むことになるのだが、それが幾つも出てくる。素朴に、人が集まれば政治の世界になるということで理解するよりない。

同和問題の解決を目指して、同和対策事業特別措置法が1969年に制定されている。この法律はもともと10年の時限立法でだったが、期限内に事業は完了せず、その後5度にわたって延長されることになった。この法律の目的は、同和地区住民に対する不当な差別と偏見を排除し、社会的・経済的地位の向上をはばむ諸要因を解消することとなっていた。2002年に終結している。理由としては、法律のあった期間に、同和地区の住環境が大きく改善されたこととなっている。実態として、差別が無くなったという判断ではなく、法律が当初予定していた状態とは変化したという理解が妥当なところだろう。また、法律がもたらした利益と同時に、法律に従って実施された事業で不正がなされているという別の問題も生じたことからすれば、そもまま継続するということは許されないという事情もあったことだろうと想像する。
同和問題を解決しようとする活動は理解するが、所謂エセ同和に協力するつもりはない。エセ同和は、こわい、面倒だ、できれば避けたいの心理に付けこむと決まっている。これがあるから、対策事業が歪んだ構図にはまることになる。良かれと思った仕事でも、良心に従わない (想定している人とは別の思想だといわなければならないのだろうが) 人が世の中に存在すると思うような効果が表れない。不正な利益を獲得するというのは、薄く広く集めた金銭を、非常に限定された集団がせしめる作業である。最初は正しくても、悪意の者が紛れ込んでしまうと破綻する。

部落解放同盟が現在の政権を批判するのは理解する。格差が拡大し固定化する流れでは同和問題の解決に寄与しない。しかし、大きな政府にして福祉を厚くする方法を取るのが解決に直結する訳でもない。予算を掛けたことで解決しなかったことが示している。予算の掛け方が悪いというのは正しいが、正しい掛け方の解が見出せないのなら、答が無いのと同じ袋小路である。現政権を差別的と言うのは容易いが、悪いと言うだけでは先に進まない。近年の政治家の一部が門地によって選ばれ、その一部が支配階層になって他の政治家を選ぶ構図が固定化すれば、良いことが起きないと思うのは当然である。おそらく、同和問題に留まらず問題がある。それでも、同和問題解決に関わる予算が使われている中で、政治活動に口出しすれば良くないことになりそうではある。この辺りがこの問題解決の難しさの本質であるのかもしれない。


ロクでも無い資料ばかり見るのは気が滅入る。

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