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2016年2月29日 (月)

プラチナ投資、安値でブーム コインや証券化商品

貴金属のプラチナ(白金)が投資商品として人気を集めている。通常なら金より高価だが、逆転して安くなっているため売れ行きを伸ばしている。日本で人気が高い金貨を販売するオーストリア造幣局は4月に純プラチナ製のコインを発売。延べ板だけでなくプラチナを証券化した金融商品なども売れ行きを伸ばしている。
オーストリア造幣局は1トロイオンス(31グラム)サイズのコインをまずは5000枚製造する。純金製のコインに続き、需要が急速に伸びてきたプラチナにも手を広げる。他国に比べ金貨の店頭販売に勢いがある日本市場で7割に相当する3500枚を販売する計画だ。加工費なども加味した販売価格は、現在の国際相場で算出すると1枚13万円弱。販売代理店となる貴金属大手、田中貴金属工業は「資産用ビジネスの裾野が広がる」と期待を寄せる。プラチナは金に比べ景気の影響を受けやすい。2015年は新興国景気の不透明感などを背景に金よりも大幅に値下がりし、貴金属店でプラチナが飛ぶように売れた。店頭価格は現在、1グラムあたり約3700円で1年で1千円以上安くなった。田中貴金属では昨年のプラチナ延べ板の販売量が14年比3.6倍の1万6732キロと過去最高になった。三菱UFJ信託銀行が手がける純プラチナ上場信託もブームに乗り、資金が流れ込んだ。資産残高は重量ベースで2.8トンになり、1年間で4倍以上に膨らんだ。(日本経済新聞:2月29日)


白金について考える。


白金の需要と供給について、Johnson Matthey の資料から推移を確認した。結果を下に示す。

■ 白金の需給状況推移 (単位:1,000oz)
●供給 年     2004   2005   2006  2007  2008  2009   2010   2011  2012  2013  2014  2015
南アフリカ     5,010  5,115  5,295  5,070  4,515  4,635  4,635  4,860  4,090  4,355  3,115  4,390
ロシア        845   890   920   915   805   785   825   835   800   740    740   715
北米         385   365   345   325   325   260   200   350   310   355    400   395
ジンバブエ       0   155   165   170   180   230   280   340   340   405   405   385
その他        250   115   105   120   115   115   110   100   110   215   220   155
供給合計     6,490  6,640  6,830  6,600  5,940  6,025  6,050  6,485  5,650  5,855  5,230  6,100

●需要
自動車触媒    3,490  3,795  3,905  4,145  3,655  2,185  3,075  3,185  3,190  3,160  3,290  3,455
化学         325   325   395   420   400   290   440   470    450   540   575   585
電子         300   360   360   255   230   190   230   230    165   190   190   150
ガラス        290   360   405   470   315     10   385   515    160   155   180   155
投資用         45    15   -40   170   555    660    655   460    455   935   150   260
宝飾品用     2,160  2,465  2,195  2,110  2,060  2,810  2,420  2,475  2,780  2,945  3,000  2,880
医療・生体医学   0   250   250   230   245    250    230   230    235   235   240   250
石油         150   170   180   205   240    210    170   210    205   115    65   160
その他       470   225   240   265   290    190    300   320    390   285   305   310
総需要合計   7,230  7,965  7,890  8,270  7,990  6,795   7,905  8,095   8,030  8,560  7,995  8,205

●リサイクル 
自動車       -690   -770   -860   -935  -1,130   -830  -1,085  -1,240  -1,130  -1,120  -1,255  -1,190
電子          0    0      0     0     -5    -10   -10    -10    -20    -10   -10     -5
宝飾品         0   -500   -555  -655   -695   -565   -735   -810   -890   -855   -775   -530
リサイクル量   -690  -1,270  -1,415 -1,590  -1,830  -1,405  -1,830  -2,060  -2,040 -1,985  -2,040  -1,725

純需要合計   6,540   6,695   6,475   6,680   6,160  5,390  6,075   6,035   5,990  6,575  5,955  6,480
在庫変動      -50    -55    355    -80   -220   635    -25    450   -340  -720  -725  -380


単位の oz はオンスで、約31グラムである。貴金属の単位は分かり難いものが出てくる。宝石のカラットというのもある。売買をしない立場からすれば単位はどれでも良い。同じ単位で示してくれれば十分である。年間6,000キロoz 採掘される白金は、南アフリカが主な産地で、ロシアとジンバブエがこれに続く。近年の出来事としては、白金の鉱脈が地下深くにあり、採掘場所が高温になる。これを冷やさなければならない。一般的には氷を入れて、解けた水を外に出すという方法が取られる。地下深くは、地下2,000メートルというような深さである。電気代も掛るのだが、需要が緩めば生産調整もしなければならなくなる。南アフリカでは人員削減が行われ、それに反対したストライキも発生した。
需要側を確認すると、自動車用が全体の四割弱、宝飾品用が1/3というところである。自動車用は以前もう少し高かったが減っている。排気ガスの浄化用の触媒に用いられているが、貴金属の使用量を減らすことは重要な課題である。その成果ということだろう。自動車用では、これに加えてリサイクルによる回収量も増えている。これも技術革新による成果といえる。リサイクル量は南アフリカの産出量の半分くらいまで増えているから、供給側が生産調整に動くのも頷ける。

金ではなく白金コインを選ぶ理由は相場が激しいことくらいだが、現物取引なら少しはましになるだろう。まあ、現物価格は先物相場で決まるからだからどうしたという話にはなる。まあ、レバレッジを効かせず現物取引をすれば失われる危険は最小限になる。白金の価格が安定していてもドル建てで取引するのだから為替リスクは生じる。つまり、相応のリスクはあるということである。


キログラム単位で現物買いして、眺めて暮らすのは楽しそうだ。少しも思っていないが。

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