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2016年2月25日 (木)

マラソンの福士、一般参加で登録 名古屋ウィメンズ

リオデジャネイロ五輪代表選考を兼ねた名古屋ウィメンズマラソン(3月13日・ナゴヤドーム発着)の主催者は2月25日、1月の大阪国際女子を制して、代表入りが確実視されている福士加代子(ワコール)が、一般参加でエントリーしたと発表した。
福士は選考レースの大阪国際女子で日本陸連設定記録を突破して優勝したが、名古屋ウィメンズで複数選手が設定記録を突破した場合に、落選する可能性が残ることから、出場する方針を明らかにしていた。また、アテネ五輪金メダルの野口みずき(シスメックス)、ロンドン五輪代表の木崎良子(ダイハツ)、昨年優勝者のユニスジェプキルイ・キルワ(バーレーン)ら国内外招待選手14人を発表。昨年11月の選考レース、さいたま国際で日本人最高の2位に入った吉田香織(ランナーズパルス)は一般参加でエントリーした。(共同:2月25日)


選手の選考について考える。


五輪代表の選考基準を確認する。日本陸連が決めた五輪選考の対象大会と結果を下に示す。

■ リオデジャネイロ五輪女子マラソン代表選手対象レース
  1. 第15回世界陸上競技選手権大会 (2015/北京)    伊藤 舞   2時間29分48秒 (7)
  2. 第1回さいたま国際マラソン (2015/さいたま)     吉田香織   2時間28分43秒 (2)
  3. 第35回大阪国際女子マラソン (2016/大阪)      福士加代子 2時間22分17秒 (1)
                                       堀江美里   2時間28分20秒 (2)
  4. 名古屋ウィメンズマラソン2016 (2016/名古屋)            ―


この対象大会のうち、1の世界陸上のみ別格扱いで、日本人トップ・かつ8位入賞以内なら内定となる。2,3,4の大会については、日本人3位以内の競技者から選ばれる。五輪の参加標準記録が2時間44分00秒であるのでこれを満たさないといけない。加えて、日本陸連設定記録として2時間22分30秒がある。これを満たせば決まりだろうと思えるが、3人という定員があるので沢山の選手が満たせばその中からということになる。1人は決まるということだから、福士は唯一満たしている選手となっている。
現状、伊藤舞が内定していて、福士はその次に位置するが内定ではない。名古屋ウィメンズマラソンの結果によっては落選も有り得るという話である。そこで、福士は暴挙とも言える出場を選んだということだ。暴挙というのは不適切だと思えるかもしれない。しかし、三つのレースが設定され、その中から大会を選んだという話である。名古屋のコースが有利と思えば福士はそれを選べば良い。大阪を選んだのは、競技活動を京都を中心に行っているし、所属企業が京都の会社であることも影響しているのだろうが、それとて福士の都合に過ぎない。三つとも出ても構わないが、福士の内定を出せという姿勢は批判されて当然である。仮に、名古屋で2時間19分台で走った選手が二人出たとして、それでも福士を選べば陸連は批難されるだろう。スポーツであってはならないのは、競技前に決定されているルールを、競技開始以降に都合により修正することである。
現時点で、伊藤舞が内定、次が福士で、対象大会の記録でそれに次ぐのが、大阪の堀江美里、さいたまの吉田香織となる。このままでは選ばれないと判断があったのだろう、吉田は名古屋に一般参加でエントリーしている。日本陸連が福士は有力だと表明し、名古屋への出場を取りやめるように発言するのは、内定と言えばルール変更になるからで、最大の譲歩というところである。

こんなことになる背景には世界陸上競技選手権大会の代表選考が関係している。この大会の対象大会と結果を下に示す。

■ 第15回世界陸上競技選手権大会代表選手対象レース
  1.  第17回アジア競技大会 (2014/仁川)         木崎良子   2時間25分50秒
  2. 第6回横浜国際女子マラソン大会 (2014/横浜)   田中智美  2時間26分57秒
  3. 第34回大阪国際女子マラソン大会 (2015/大阪)  重友梨佐   2時間26分39秒 *
  4. 名古屋ウィメンズマラソン2015 (2015/名古屋)   前田彩里  2時間22分48秒 *
                                      伊藤 舞   2時間24分42秒 *
  5. 2014北海道マラソン (2014/北海道)          野尻あずさ 2時間30分26秒


* が選ばれた選手である。問題になってのは、大阪大会2位の重友梨佐と、横浜大会1位の田中智美である。大会によってコースも違うし、コンディションも考慮すれば記録の比較は難しい。それでも1位というのは特別なものではないかという考えと、記録の単純比較で決める他にないとする考え方の違いである。前田彩里が抜き出ていて、伊藤舞が続くが、他は団栗の背比べということだったという選考である。差がないものに差を付けるのだから、異論は出てくる。参考の為に結果を記す。

■ 第15回世界陸上競技選手権大会女子マラソン日本代表結果
   7位 伊藤 舞  2時間29分48秒
  13位 前田彩里 2時間31分46秒
  14位 重友梨佐 2時間32分37秒


重友が田中であってどうだったかという仮定の話には答えようがないが、これくらいを是としなければならないのだろう。悪い結果があったとして、陸連の選考が適切でないと結論は出せないが、決めた結果について責任を取るという姿勢は必要だろう。

福士が名古屋に出場して結果が悪ければ、選ばない理由になるし、出場を取りやめれば故障を疑われて、これも選ばない理由になる。選ばれる側が選ぶ側に文句を付けても仕方ない。一つの大会で選出する方法でなければいつまでも続くだろう。複数の大会を指定するのは、それはそれで意味のあることもある。福士は自分自身の陸連での評価が低いと不安なのかもしれない。選ばれる理由を声高に叫ぶのは、選ばれない不安がそれ以上い大きいという証拠でもある。理性のある周囲に恵まれなということのようだ。


福士はオリンピックで勝つより、出ることに価値を見出すのだろうか。

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