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2016年1月15日 (金)

北朝鮮への制裁強化、政府に要請 自民拉致対策本部が確認

自民党の拉致問題対策本部(本部長・古屋圭司元拉致問題相)は1月15日の会合で、核実験をした北朝鮮への日本独自の制裁を強化するよう政府に求める方針を確認した。同本部は昨年6月に送金の原則禁止などを盛り込んだ制裁案をまとめており、改めて政府に要請する。安倍晋三首相は党の案を参考にするとしている。
古屋氏は会合で「許しがたい暴挙だ」と指摘。加藤勝信拉致問題相も出席し「強い圧力をかけながら、(拉致被害者の帰国に向け)対話の窓口を我が国から閉じることはない」と語った。拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表は「北朝鮮が国際社会と共存共栄するためには拉致問題を解決する必要があると思うように対応してほしい」と述べた。(日本経済新聞:1月15日)


北朝鮮制裁について考える。


日本が行い得る北朝鮮への制裁は、経済的なものになる。そこで、北朝鮮の経済状況について確認することから始める。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が、北朝鮮の貿易動向を継続して発表している。KOTRAとは、貿易振興の為の韓国政府機関だそうで、1962年に設立されている。北朝鮮の輸出入金額の推移を下に示す。

■ 北朝鮮の輸出入推移 (単位:百万ドル)
   年      輸出    輸入
  2001     650   1,620
  2002     734   1,525
  2003     776   1,614
  2004    1,020   1,836
  2005     998   2,003
  2006     946   2,049
  2007     918   2,022
  2008    1,130   2,685
  2009    1,062   2,351
  2010    1,513   2,660
  2011    2,789   3,567
  2012    2,880   3,931
  2013    3,218   4,126
  2014    3,146   4,446

KOTRAの資料に注意を要するのは、韓国との貿易が含まれていないことである。韓国統一部の発表によると、韓国と北朝鮮の2013年の南北交易は11億3,600万ドルに達しているという。北朝鮮の主要な貿易相手について、国別の金額を2014年のものを下に示す。

■ 北朝鮮の2014年貿易相手国 (単位:百万ドル)
   国         輸出     輸入
  中国         2,841    4,023
  ロシア         10      82
  インド          32      56
  タイ           19      58
  バングラデシュ    52       0

韓国との取引額が1,136百万ドルとすると、ロシアもこれに遠く及ばない。2001年の北朝鮮の貿易相手割合を下に示す。出典は同じである。

■ 北朝鮮の2001年貿易相手国割合 ( % )
  中国       32.6
  日本       20.9
  インド       7.0
  タ イ        5.9
  シンガポール   5.1
  ドイツ        4.6
  香 港       3.5

2001年の北朝鮮の輸出入金額は1,270百万ドル(650+1,620)である。これを基準にすれば、中国は414、日本は265である。2014年までの変化は、日本との取引がなくなって、中国との貿易額が大きく成長したということである。取引内容を確認する。輸出入別に金額を下に示す。

■ 2014年の北朝鮮の主要輸出品目 (単位:百万ドル)
  鉱物性燃料          1,178
  衣類・同付属品         642
  鉄鉱・スラグ・灰        339
  魚類・甲殻類           144
  鉄鋼               133

■ 2014年の北朝鮮の主要輸入品目 (単位:百万ドル)
  鉱物性燃料           747
  電気機器・音響・映像機器  425
  ボイラーおよび機械類     329
  車両および同部品       231
  プラスチックおよび銅製品   199

途上国特有の事情として、地下資源に恵まれても開発する資源に欠ける。水爆実験を成功したといっても、レアメタルの開発することが出来ない。このような資源開発に資金を投入して、国と国民を豊かにするというのが社会主義国の政策に相応しいと思うのだが、この北の王朝では異なっているようだ。北朝鮮には石油資源もあるとする推定があるが、実際に開発されるには至っていない。現在の経済活動に石油は不可欠だから、中国からの輸入に頼ることになる。一方で輸出は、鉱物資源の開発は進んでいないから限定的であり、中国の下請けとしての加工産業が行われているというのが現状と言える。それでも貿易額が増えていったのは、中国の人件費が高騰し、中国が発注先として安い北朝鮮を選んだということなのだろう。石油はもとより、レアメタルの開発などが一定の規模を確立するには時間と、政治体制の変化が必要であるということになる。

さて、記事の話である。北朝鮮に強い圧力を掛けるというのが、最近のこの国の保守政治家の人気政策になっているが、拉致被害者からすれば掛け声倒れで一向に解決しないという残念な気持ちでいっぱいになっていることだろう。北朝鮮に周囲の関係国が一致して行動を取れば、やがて北朝鮮は協議に応じるというのが基本となるストーリーだ。しかし、北朝鮮は貧しくなって久しいし、北朝鮮国民が知ることもないのだろうが、脱北して韓国に行った毎年1,000~3,000人近い人達が、韓国で差別され苦労していると言われる。理由は朝鮮半島での、地域対立に関連した差別意識が根底にあるようだが、この手の話は部外者が理解するには理らなければならない情報が多過ぎる。それを置いても、留まることの地獄は想像が付くし、脱北すれば近親縁者に類が及ぶということも理性として認識でいる。加えて、南に行けば出身地差別が必然であるという推定は可能だから、行動する者は限られるということになるのだろう。
北朝鮮の体制側である朝鮮労働党の幹部といえども、安定した暮らしが達成されているかといえば、そうとも言えないのが現状だろう。国の生産性が上がらないまま、軍事に力を入れる必然的な結果である。そんな国に兵糧攻めを仕掛けても効果はない。もし真剣に兵糧攻めをするのなら、中国が関わらないことには成果は上がらない。九割は中国との取引なのだから。日本の政治家が、威勢の良い「北朝鮮が国際社会と共存共栄する為には、……」などというセリフには、支持者へのアピール以外の何の内容も含まれてはいない。もし真剣に考えているのなら、中国との協議を綿密に行わなければならないし、北朝鮮の金体制が壊れた後のことも考えなければならない。
最も現実的な気がする韓国との国家合同は、東西ドイツの統合の比ではない衝撃を世界にもたらすだろう。そもそも、そんなことになったら、中国とアメリカ側の韓国と国境を接することになる。それなら、中国が延辺朝鮮族自治州と統合するかといえば、朝鮮族が四割を切っているという地域に北朝鮮を加えたら混乱するし、この自治州は200万人強の人口しかないから北朝鮮の2,400万人に圧倒される。つまり、中国の領土が減るだけの結果になりかねない。それならアメリカが支配するかといえば、そんな帝国時代のような仕事は許されないし、アメリカも望まないだろう。
あんな国の体制は潰れれば良いと言いながら、潰れた後の話は内政問題だから干渉しないというのでは、随分と虫の良い話である。内政問題といえば、ISの活動家達の論理は、外国から内政干渉され、加えて武力攻撃まで受けたのだから、それに対する報復は当然の権利と考えるだろう。西側への攻撃に対する防御という論理で簡単に整理できるものでもない。それでも、放置して良いということでもないのだから、威勢の良い政治家には次のことにも言及して貰うよりないと考えるのである。


日本が期限を切って統治して、戦後処理を終えるというのは美しい物語だが、誰も受け入れないだろう。

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