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2016年1月19日 (火)

グリコ、タイでアイスクリーム販売 現地企業に生産委託

江崎グリコは1月19日、タイでのアイスクリーム販売を27日から始めると発表した。「ジャイアントコーン」など既存4ブランドを販売する。1個60円から120円程度とタイ国内のアイスでは「中の上」の価格帯で、2020年までにスーパーなどに約1万台の専用アイスケースを置く。20年にタイでのアイス事業の売上高を20億~30億円にしたい考えだ。
同社が海外でアイスを本格的に販売するのは初めてとなる。アイスの製造と小売店への配送は現地企業に委託する。販売するのはジャイアントコーンのほか、「パナップ」や日本では自動販売機で販売する「セブンティーンアイス」など。これにあわせ、15年に100%出資の現地法人を設立した。今後はインドネシアでもアイスの製造販売を予定する。同社はタイで菓子を販売しており、一定の知名度があるため、日本ブランドのアイスの方が需要が見込めると判断した。(日本経済新聞:1月19日)


アイスクリームについて考える。


アイスクリームというのは、成分によって呼称が分けられている。国によって違いがあるというのは当然あるが、日本での定義を示す。成分規格の根拠となっているのは、食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」と、「食品、添加物等の規格基準」の二つの法律である。乳成分の量によって、種類別アイスクリーム、種類別アイスミルク、種類別ラクトアイス、種類別氷菓の四つに分けられる。下に定義を示す。

■ アイスクリーム類の定義
    種類別       乳固形分     うち乳脂肪分
  アイスクリーム    15.0%以上     8.0%以上
  アイスミルク      10.0%以上     3.0%以上
  ラクトアイス       3.0%以上       ―
  氷菓              上記以外のもの


上の三つは、アイスクリーム類乳製品、氷菓は一般食品に区分される。国内市場から確認する。日本アイスクリーム協会の発表値を下に示す。

■ 国内アイスクリーム形態別販売金額 (単位:億円)
   年   紙カップ プラカップ スティック コーン  モナカ マルチパック ホームタイプ その他 業務用  合計
  2005    657    317    310    240    215      948     55     471    320   3,533
  2006    680    317    336    227    227      952     57     422    340   3,558
  2007    654    350    346    251    218     1,001     47     469    370   3,706
  2008    622    330    373    273    232     1,102     55     477    381   3,845
  2009    631    323    345    273    245     1,147     54     447    367   3,832
  2010    611    356    397    314    242     1,226     54     473    390   4,063
  2011    604    378    400    302    234     1,204     52     484    400   4,058
  2012    700    365    425    285    227     1,202     56     497    424   4,181
  2013    716    414    448    308    249     1,212     55     496    432   4,330
  2014    713    410    443    323    271     1,233     55     520    401   4,369


日本アイスクリーム協会の発表の数値は、アイスクリームを乳脂肪分などを意識した正確な分類ではなく、氷菓まで含めた一般的なアイスクリーム類ということなのだろう。気候の影響を受ける商品であるかと思ったが、全体として成長している市場になっている。年率2.4%の成長というのが大きいか小さいかは議論の分かれるところだろうが、国内の食品市場を主とする企業の解説には、少子化による将来的な市場の縮小という言葉で修飾される。それですべてを片付けるのも芸の無い話であると思うが、マクロな市場環境の分析としては正しいとは思う。そんな市場への海外からの輸入がどうなっているかも確認する。結果を下に示す。

■ アイスクリームの輸入実績 (単位:百万円)
   年   アイスクリーム シャーベット    合計
  2005    6,272      227       6,499
  2006    6,101      249       6,350
  2007    4,687      412       5,099
  2008    3,146      540       3,686
  2009    2,289      445       2,734
  2010    2,241      294       2,535
  2011    2,124      371       2,495
  2012    2,644      186       2,830
  2013    2,928      268       3,196
  2014    3,421      302       3,723


出所は、財務省関税局の日本貿易統計による。単位は百万円なので、2014年の輸入金額は37億円である。国内市場が4,369億円あるから輸入量は限定的である。海上輸送することになると思われるが、使用するのは所謂リーファ・コンテナという冷凍機能付きのコンテナである。一般に使用されるドライ・コンテナに比べ輸送料金が高くなる。輸送量が高くなると価格競争力が削がれるが、加えて関税が掛る。アイスクリームの関税率は21~29.8%になっている。幅があるのは上で述べたアイスクリームの定義の話に加え、しょ糖の含有量によって扱いが変わることによる。砂糖の関税と結びつきがあるのだろうと想像するが、門外漢には分かり辛い。そんなに砂糖が入ったものが日本で人気とも思えないし、乳成分の割合が高い高級品であろうと想定すれば、関税率は29.8%が適用されると思って良さそうだ。なお、アイスクリームに砂糖が入っている理由は、アイスクリームが冷えた状態で食べる為に、甘味を感じにくくなりること、滑らかにすることがある。反面、溶けやすくなるという効果もある。
どこから輸入されているかを確認した。下に結果を示す。

■ アイスクリームの2014年国別輸入実績 (単位:トン)
  ニュージーランド   5,524
  台湾           912
  ベルギー        878
  フランス         577
  アメリカ         272
  韓国           249
  イタリア         150
  マレーシア        90
  オーストラリア      75
  香港            52
  その他          167
  合計           8,946


ニュージーランドが圧倒的に大きい。TPPにより関税が撤廃されれば、ニュージーランドからのアイスクリームがさらに多くなると予想される。乳製品が安いのだから、付加価値の付いた加工品も輸出したいというのは経済的な合理性がある。

タイの話に移る。タイのアイスクリーム市場規模は、50億バーツとも150億バーツとも言われる。数字に大きな開きがあるのは、アイスクリームの定義の問題と、販売方式の違いなども関係しているのだろう。市場占有率が高いのは、ユニリーバとネスレで、合わせて八割くらいと推定される。スーパーなどで販売されるアイスクリームの価格は、日本製のものは80~90バーツと高い。記事の60~120円というのは、20~40バーツに相当する。赤城乳業の「ガリガリ君」を30バーツくらいで販売しているというが、販路が日系スーパーに限定されている。量を売ることを意識したときの最低限の価格競争力は、ここらあたりまでということのようだ。

日本でのアイスクリーム販売において、アイスクリームは気温がセ氏22~23度を超えると売れるようになる。しかし、30度を超えると逆に氷菓やかき氷が売れるようになってしまい、アイスクリームの売り上げが鈍る傾向があるという。タイにこの公式が当てはまるのなら、かき氷の方が有力になる。ガリガリ君の方が市場適性があるようだが、どう考えているのだろうか。


慣れない商品を扱うと数字が多い。

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