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2015年12月 4日 (金)

東芝・富士通・VAIO、パソコン事業統合を検討

東芝、富士通、ソニーから分社したパソコンメーカーのVAIO(バイオ、長野県安曇野市)の3社が、パソコン事業を統合する検討を始めたことが12月4日、分かった。実現すると国内シェアは3割を超え、NECレノボグループを抜いて首位となる。不正会計問題を受けて東芝が進めるリストラをきっかけに、国内のパソコン産業の再編が進む可能性が出てきた。
3社はすでに統合に向けた協議を始めており、年内の基本合意をめざす。関係者は「統合を検討しているのは事実」と認めた。VAIOを存続会社として各社が出資し、事業や従業員を移す方向で検討しているもようだ。国内外で開発から製造、販売までを一体で担う形の統合を検討することになりそうだ。(朝日新聞:12月4日)


国内のPC市場について考える。


最近のメーカ別の国内PC販売台数の推移から確認する。結果を下に示す。

■ 国内メーカー別PC販売台数推移 (単位:千台)
   年       2014   2013    2012    2011     2010    2009   2008
  NECレノボ   4,038   3,980   3,969    1,967    2,978   2,401   2,697
  レノボ      ―     ―     ―     ―       932    587    586

  富士通     2,878   3,008   2,729    2,747    2,963   2,375   2,520
  東芝      1,864   1,823   1,988    1,910    1,787   1,488   1,362
  Sony        239     653    952    1,033     932     822    885

  Dell       1,662    1,686   1,297    1,424    1,558   1,631    2,043
  HP       1,631    1,641   1,462    1,418    1,481   1,214    1,172
  Apple       760     699    733     747     534    405     381

  other      1,845    1,717   2,450    4,438    2,107   2,127    1,975
  合計      14,917   15,191   15,581   15,683   15,271   13,051   13,623
  ----------------------------------------------------------------------
  JEITA    10,849   11,188   11,274   10,868   10,760   8,724    9,297

数字は調査会社が発表している数字をまとめた。下にあるJEITAの数字も参考に示したが、これは国内10社の出荷台数の合計である。会社は事業統合が進んだので、NEC、ソニー、東芝、 パナソニック、富士通の合計と理解して良い。つまり、外資は含まれない。ほとんど輸出はされていないだろうから、米国資本と中国系 (Asus,Acer等) を加えれば国内販売台数に近い結果になっている。Sonyの2014年の数字が少ないのは、7月にVAIOに分社されたことの影響である。全体を見て、国内PC市場というのは成長性が感じられない状況にある。

統合の話が出ている会社について確認する。東芝はダイナブックブランドのノートパソコンが主力で、中国.杭州に製造子会社を持つ。富士通は個人向けのFMVブランドで、島根県出雲市、福島県伊達市に製造子会社があり、ドイツにも製造、販売の拠点を持っている。VAIOは、2014年7月にソニーから分社して発足した会社である。国内市場はノートPCの比率が七割前後という特徴を持っている。会社の違いを製品に出すのに難しい。それを考えると、統合後に各社のブランドを残すというのは、非効率な話になりそうだが、思い入れがあるものでもある。
CPUがIntelで、DRAMと液晶ディスプレイがサムソンであって、HDDも3社のどれかというのなら、ハードウェアに違いは随分と限定される。おまけにOSは共通である。それで、表に書かれた看板の違いを重視する経営者がいるのなら、何を求めているのかを訊いて見たくなる。ハードウェアもソフトウェアも差を出し難いのなら、流通関係に新たな工夫を盛り込むというのが商売というものだろう。話をしてしまえば、直ちに古くなるというのが商売であるから、アイデアを公表することもないだろう。

東芝はPC事業が赤字で、件の不正会計問題で収益改善を緊急に進める必要のある事情を抱える。富士通は円安による輸入部品が高くなり、収支の悪化が進んでいるとされる。先に経営の効率化に向けて分社化を発表してもいる。VAIOの置かれた環境は、先の予想をするのを躊躇うものであろう。これらの事業状況で統合を判断するのは難しいが、統合効果が乏しいとなれば、交渉が長期化というより、白紙に戻る可能性が高いということだろう。
M&Aは消えて欲しい会社を買うというのが基本だと考える。消えそうな蝋燭を三本寄せても明るくなりそうにない。買う主体がはっきりしない統合というのに、明るい未来があるとするなら、競争に力を入れなくて良くなる市場がある場合に限られるだろう。NECが残っているならで競争は無くならないから、どこに解を求めるのだろうか。


消えそうな蝋燭なら、最後はパッと明るくなるものだ。

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