« セーラー万年筆 社長解職劇、法廷闘争へ | トップページ | 小笠原空港「五輪までになんとかしろ」 二階氏が一喝 »

2015年12月16日 (水)

アナログレコードプレーヤー発売 アマダナなど

デザイン家電のアマダナ(東京・渋谷)と音楽大手ユニバーサルミュージック(東京・港)は12月17日、音響機器の共同ブランド「Amadana Music」の第1弾としてアナログレコードプレーヤー「SIBRECO(シブレコ)」を発売する。
新製品は内蔵スピーカーを備え、レコードを載せるとすぐに音楽が楽しめる。木目調の外観にこだわり、レコードを新鮮に感じる若者などの需要を見込む。価格は税別1万5000円で、初年度に世界で5万台の販売を目指す。2016年春にはザ・ローリング・ストーンズとブランドを使った同シリーズのレコードプレーヤーも発売する。音楽関連の機器やソフトで品ぞろえを順次増やす計画だ。(日本経済新聞:12月15日)


デザイン家電について考える。


アマダナという会社は、2002年設立という会社である。資本金1億円で、本社は東京都渋谷区神南とある。会社のホームページで取り扱っている製品を見ると、イヤホン、ポータブルDVDプレーヤ、USBスピーカーと音楽に関係する商品が多いのかと思った。取扱い中止のものも含めて、オーディオ・リモコン、空気清浄機・加湿器、扇風機・サーキュレーター、ヘアドライヤー/デオドラントスチーマー、冷蔵庫、コーヒーメーカー/ケトル、キッチン、電子計算機、ガジェットシリーズ、イヤホン/イヤホンマイクという商品群がある。音楽関係ではないようだ。ホームセンターのコーナーに出来そうな程度の広がりはある。
CEOメッセージの冒頭部分を引用する。

「デザイン家電」という言葉に私は昔から違和感と嫌悪感を抱いていた。
そもそも私は起業した時に「デザインした家電」を作りたいのでなく「家電を使った新たなビジネス」を創りたかったからだ。
色や形といった一般的に「デザイン」と言われる領域を付加価値として戦略に変えたのが「amadana」だと言われてきたが、
我々は家電のビジネスモデルへの新たなチャレンジそのものが、「デザインすべきもの」として捉えていた。
ファブレス経営、家電流通以外の販路展開、電卓を使ったブランド訴求、携帯電話への参入など、ビジネスモデルそのものを「デザイン」として捉えていた。


ということである。デザインするのではなく、デザインで商売したいということのようだ。商売には差別化が必要、というか差別化が商売なのだが、たいそうな話をしているようで、やっていることはホームセンターの家電製品売り場との違いが分からない。分からないのはこっちの都合で、この会社には理屈があって、現に携帯電話では限定数を短時間に売り切ったそうだから、世の中にも支持されているということだ。
電卓が幾つかある。どれも小型で、クリック感に優れるというようなコピーが付いている。12桁表示のものや、通貨変換・税率計算機能があるとか、単位の換算機能とか、製品により付加される機能が異なるが、どこかで見掛ける内容ではある。デザイン重視の製品であると思う。それでも、クリック感に関心があったので検索すると、キーの表面が経年劣化でべたつくというのがあった。初期の製品に限定であるかもしれないが、問題があったようだ。専用ケースとセットにすると一万円前後になるものからすると、不満もでてくるだろうと思う。加水分解した結果べたつくというのは、この手の用途でよくある現象ではある。ということは、対策の仕方もあるということだ。コストを掛けられるか否かの判断のみということは、見た目というデザインとコストを重視して、耐久性を軽く考えたということのようだ。小型でクリック感が良いものなら、HP 12cの方が見栄は張れる。RPNを理解しないといけないが、ALGでも使えるようだ。12桁が必要だとこれにはいかないが、カシオやシャープに安い小型のものが多くある。まあ、こっちに決して行かない人が顧客だから、気にはしないのだろうと容易に想像が付く。

記事のレコードプレーヤーを確認する。レコードプレーヤーはシンプルな部品構成であるので、機能を加えて、代わりに部品の素材をケチると品質が悪いということに繋がる。アナログレコードがCDに置き換わって久しいから、目新しさにつられて買う客が想定される顧客層であるのだろうが、飛び付きやすい価格だが、同時にがっかりする価格にもなっている。レコードを新鮮に感じる若者なら、レコードの品質はその程度かと思って貰える可能性もあるが、それを期待するのは少々乱暴である。
レコードプレーヤーの入門的な位置付けの商品の価格は、記事の製品価格と同等レベルである。伝統的なオーディオメーカーの商品では、5万円くらいからというイメージである。後者に特別な機能が付加されている訳では無く、むしろ単純な物が多い。逆に前者には機能が多くなっている。前者がコストパフォーマンスを追い、後者は性能を追ったというコンセプトと言える。アマダナの商品は、追加した機能に優れたデザインというということで理解して良さそうだ。

優れた製品というのは、愛着を持って長く使うというのが伝統的なイメージだと思う。最低限の耐久性を持たないと、愛着を持つのは難しい。アマダナのいろいろな製品について、ネットでの評判を見ると、品質上の問題を指摘する書き込みを目にする。ファブレスの会社のほうが、品質にうるさくなければならないというのが商売の基本だろう。世間から弱点と思われる経営上の問題点では、決して問題を起こしてはならない。そこですべてが否定される。否定されない唯一の方法は、顧客にその程度であると理解して貰うこと以外にない。デザイン重視で差別化を行うことは、趣味性の高い層を顧客にするということでもある。だから、この程度で良いという見切りは、楽観的過ぎる気がしてならない。趣味性の高いオーディオ機器では尚更である。


CEOメッセージに並ぶ商品が、ホームセンターの展示に見えてしまう。

« セーラー万年筆 社長解職劇、法廷闘争へ | トップページ | 小笠原空港「五輪までになんとかしろ」 二階氏が一喝 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« セーラー万年筆 社長解職劇、法廷闘争へ | トップページ | 小笠原空港「五輪までになんとかしろ」 二階氏が一喝 »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ