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2015年12月 7日 (月)

昭和電工、15年12月期の純利益を70億円に下方修正

昭和電工は12月4日、2015年12月期の連結業績見通しを下方修正し、純利益が70億円(前期の2倍)にとどまると発表した。従来予想は100億円だった。原油安で、エチレンなどの原料になるナフサの在庫評価損が発生する。パソコンの需要が低迷してハードディスクの出荷枚数も想定より落ち込む。
売上高は7850億円(前期比10%減)で従来予想から400億円、営業利益も340億円(同63%増)で従来予想から60億円、それぞれ引き下げた。石油化学事業が25億円の営業利益の押し下げ要因となる。エチレンなど石化製品の価格が下落する中、ナフサは市況が悪化する前の高単価の在庫が残っており、採算が悪化した。エレクトロニクス事業は20億円の下振れ。「ウィンドウズXP」搭載パソコンの買い替え需要の反動減が予想以上に大きく、ハードディスクの出荷枚数が減った。鉄鋼メーカー向け黒鉛電極が主力の無機事業も、中国の鉄鋼輸出が過剰で東南アジア市況が軟化して苦戦する。(日本経済新聞:12月4日)


昭和電工について考える。


昭和電工12月期決算の推移ついて確認する。加えて、エレクトロニクス (電子情報) セグメントの売上高・利益の推移も加える。結果を下に示す。

■ 昭和電工12月期決算推移 (単位:百万円)
  年      2014    2013    2012     2011    2010    2009    2008     2007     2006     2005
売上高    876,580   848,071   739,811   854,158   797,189   678,204  1,003,876  1,023,238   914,533   811,899
営業利益   20,915   25,953   28,108    47,357   38,723   -4,983    26,792    76,671   68,727    57,191
経常利益   22,102   23,488   23,448    40,018   30,471   -22,325    9,793    59,989   57,514    46,960
当期純利益   3,500    9,065    9,368    16,980   12,706   -37,981    2,451    33,066   28,836    15,647
セグメント売上・利益       
電子情報   138,537   136,548   163,306   165,011  176,397   127,807   188,778   201,013   165,541   128,000
営業利益   25,770    21,940    32,311   30,242   14,621   -9,775    9,259    25,833   28,634    19,700
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
HDD市場   565,249   551,313    558,216   531,600  645,423   561,629   547,297   503,018  430,018    373,728
前年比      103%     99%     105%     82%    115%    103%    109%     117%    115%     122%


エレクトロニクスセグメントの売上高は全体の15-20%であるが、営業利益では以前では30%、最近ではほとんどを出している。昭和電工の収益の柱は、ハードディスク事業であることが分かる。昭和電工の営んでいるのは、HDDの内部にある記録媒体と、アルミ基板の製造販売の事業である。HDDメーカーは三つのグループに統合されたが、この中で媒体、基板ともに製造していないのは東芝のみで他は内製している。内製部門を優先しなければならない事情は、どの会社にもある話だ。媒体の販売をしている会社は、昭和電工の他に富士電機があるが、昭和電工の方が大きい。2013年の市場占有率で、昭和電工が27%に対して富士電機が4%という調査レポートがあった。富士電機の決算にも景気の良い表現は認められないからこのような状況であるのだろう。内製が不足する、内製が対応できない製品を発注するという常識的な判断で考えれば、なかなかHDD会社が統合されると厳しい環境ではある。
上の表で、下にHDDの年間出荷台数 (単位:千台) と台数の前年比を示した。市場が活発な方が売上高が大きい気もするが、傾向と言えるようには見えない。媒体産業は大きな設備投資を伴う構造であり、一定量以上の出荷数になればそれ以降利益が拡大する一方で、損益分岐点未満であれば大きな赤字となる。ということは、富士電機の状況は見るも無残なものなのだろう。


磁気テープが注目される。HDDもこっちに向かうのだろうか。

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