« 再婚禁止期間訴訟で大法廷弁論 初の憲法判断へ | トップページ | BPO、政府と自民党の「介入」強く非難 »

2015年11月 5日 (木)

河合楽器とオンキヨーが資本業務提携 次世代電子ピアノ開発

河合楽器製作所とオンキヨーは11月5日、資本業務提携すると発表した。11月下旬にそれぞれ第三者割当増資を実施し、互いに約10億円ずつ投じて株式を持ち合う。両社で技術協力を進め、高音質のハイレゾリューションや無線通信などに対応する「次世代の電子ピアノ」の早期実用化を目指す。
河合楽器はオンキヨー株式の9.94%(約808万株)、オンキヨーは河合楽器の株式の5%(約45万株)を取得する。オンキヨーは電子ピアノ用のアンプなどの部品を河合楽器に供給し、楽器関連分野に本格参入。新たな収益源を育てる。楽器の音を扱うノウハウを蓄積し、音楽ホール向け音響設備などの事業にもつなげる考えだ。河合楽器はオンキヨーのオーディオ技術を活用し、電子ピアノ分野で先行するヤマハなどに対抗する。提携効果で2019年3月期の電子楽器売上高を従来見込みの100億円に10億円上乗せする。河合楽器の金子和裕副社長は「マンネリ感を打破し、経営をスピードアップしていく」と話した。同社は8月に学研ホールディングス(HD)との資本業務提携を発表し、教室事業で連携を進めている。(日本経済新聞:11月5日)


河合楽器とオンキヨーについて考える。


楽器会社の経営が難しいのと、音響メーカーが経営不振にあえいでいることも過去に記した。その組み合わせで解決するというほど単純な世界でもないが、何もしないで生き残れるものでもない。何かをすることで悪くなるかもしれないが、何もしないで終わるより良いという消極的な判断はあるだろう。両社の決算推移を確認する。

■ 河合楽器製作所の3月期決算推移 (単位:百万円)
        売上高    営業利益  経常利益  当期純利益
  2015年   66,342    1,556    1,940    1,054
  2014年   60,387    1,911    2,517    1,547
  2013年   54,740    1,171    1,694     943
  2012年   58,058    2,528    2,500    1,608
  2011年   58,601    2,626    2,269    1,859
  2010年   56,057    2,100    1,929    1,319
  2009年   61,593     674     -146     -784
  2008年   71,029    2,390    1,678    1,153
  2007年   68,234    2,857    2,843    3,149
  2006年   66,776    2,462    2,634    3,293
  2005年   68,376    2,164    1,607    1,223
  2004年   69,283    1,749     714    -7,077
  2003年   73,554    2,215     980    -2,715
  2002年   76,548    -1,382    -1,296    -3,342

■ オンキヨーの3月期決算推移 (単位:百万円)
        売上高    営業利益  経常利益  当期純利益
  2015年   35,563    -2,616    -3,483     -4,060
  2014年   36,060     291      -451      -459
  2013年   35,538     740      384       437
  2012年   43,414    -2,283    -2,464     -3,394
  2011年   52,613     433      277       58
  2010年   50,962     558      815       303
  2009年   85,023    -1,939    -3,825     -6,320
  2008年   59,093    1,730     1,084       477
  2007年   46,485     803      590      -557
  2006年   45,050     -519     -626      -894
  2005年   44,424     777      348       369
  2004年   44,870    2,828     2,237     1,268
  2003年   50,909    2,818     2,185     1,305
  2002年   47,934    1,197      805      156

河合楽器の経営の方が安定して見えるが、成長性があるとは思えない。一方で、オンキヨーはというと、繰り返し大きな損益を計上することになり安定していない。伸びる事業領域を見出せないでいる様子が想像される。セグメントとしては、オンキヨーはひとつの事業領域と言ってよい。河合楽器の方は最新の決算で事業セグメント下のようになっている。

■ 河合楽器製作所の2015年決算事業セグメント売上高・利益 (単位:百万円)
            楽器    教育関連  素材加工  情報関連  その他
  売上高     34,962    16,633    11,290    3,243     211
  営業利益     ▲41      875      737      73    ▲12

提携の対象は楽器事業になる。河合楽器の主要な事業セグメントであるが、この中の電子楽器領域では河合楽器は強くない。将来の話として、次世代の電子ピアノというのが、どのくらいの市場規模が期待されるのか分からないが、河合楽器の現在のリソースで早期に完成するのが難しいので、外部に頼って早期に実現するという判断をしたようだ。この手の仕事は継続的な受注があれば利益が期待できるので、赤地セグメントに成長分野を見出すというには適するのだろう。オンキヨーは音響設備に期待しているのだろうが、こちらの方が保守的である可能性が高く期待したほどの効果が出ない懸念がある。音楽関係というのは難しい事業領域であると感じる。
河合楽器のもう一つの資本提携先である学研HDの決算とセグメント状況を確認したのが下である。セグメントは変更があったので、最近のものに限定している。

■ 学研HDの9月期決算推移 (単位:百万円)
          売上高   営業利益  経常利益 当期純利益
  2014年    90,134     280     478      31
  2013年    86,858    2,081    2,327    1,778
  2012年    80,659    2,245    2,374    1,536
  2011年    80,249    1,927    2,121     550
  2010年    78,105    1,818    1,981     305

■ 学研HDの9月期セグメント売上高推移 (単位:百万円)
           教室・塾     出版  高齢者福祉・子育  園・学校
  2014年    27,474     30,035     10,513     16,089
  2013年    23,702     32,122      8,208     15,778
  2012年    20,976     33,835      2,830     15,941

売上高は記事の二社より大きい。その内 1/3弱は塾関係である。提携の結果として、カワイ音楽教室と、学研教室が同じ場所で開設され、国語、算数、音楽が同じ場所で学べるとアピールしている。始まったばかりの試みであるが、教室を増やそうとしていることからすると、特徴的な分野として力を入れているようだ。少子化のなかで、塾の競争は厳しくなっているようである。


提携効果で電子楽器売上が10億円増なのは、読みが堅いか、そのくらいの市場なのか。

« 再婚禁止期間訴訟で大法廷弁論 初の憲法判断へ | トップページ | BPO、政府と自民党の「介入」強く非難 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 再婚禁止期間訴訟で大法廷弁論 初の憲法判断へ | トップページ | BPO、政府と自民党の「介入」強く非難 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ