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2015年11月13日 (金)

伊ピニンファリーナ、印マヒンドラへの身売りで近く合意の見通し

イタリアの自動車デザイン会社ピニンファリーナ(PNNI.MI)は11月12日、インドの自動車大手マヒンドラ・ アンド・マヒンドラ(MAHMNS)に買収されることで数週間後に合意に達する見込みだと明らかにした。
ピニンファリーナは「経営権をもつ株主ピンカーが保有するピニンファリーナの株式売却や債務再編について、ピンカー、債権銀行、およびマヒンドラとの交渉は決裂していない」と述べた。ピニンファリーナは、フェラーリやマセラッティ、ロールスロイス、キャデラックなどのデザインを手がけた。しかし、独立のデザイン会社に発注する代わりに自社でデザイナーを調達する自動車メーカーが増え、ピニンファリーナは事業存続に苦慮。何年にもわたって損失計上が続き、6月末時点の純債務は5270万ユーロ(5700万ドル)となっていた。(ロイター:11月13日)


カロッツェリアについて考える。


カロッツェリアは、ボディをデザイン・製造する業者を指すが、検索するとカーナビゲーションシステムの方が多い。デザイン事務所とも読めるが、これなら日本にあるが、製造までするとなると該当するものがない。特殊車両を製造する自動車メーカの関連会社はあるが、ここでデザインしていてもカロッツェリアとは呼ばない。イタリアの会社というイメージである。

■ 主なカロッツェリア
  ベルトーネ      1912年に創業し、2008年に事実上倒産。デザイン会社として再出発
  ギア          1915年に設立し、1970年にフォードが買収
  ザガート        1919年に創立する。
  トゥーリング      1926年に設立し、1966年に活動を停止
  ヴィニャーレ     1948年に設立し、1973年にフォードが買収
  ミケロッティ      1949年に設立し、自動車関連の事業は事実上停止している。
  スカリエッティ     1951年に設立し、1960年代にフィアットが買収
  イタルデザイン    1968年に設立し、 2010年に、フォルクスワーゲングループが買収
  I.DE.A         1978年に設立

自動車の量産 (限定的な数量ではある) を行っていたのは、ベルトーネ、ギア、トゥーリング、スカリエッティとピニンファリーナといったところだろう。コーチビルダ―と呼ばれる仕事だが、モノコックボティが主流になれば、仕事は自動車会社の内部に向い、外部への発注はなくなっていく。それでも会社が残ったのは、少量のスペシャルを作成するのに、量産メーカのラインは適さないから外部に発注する姿が残ったからと言える。ベルトーネを例にすれば、生産量の少ないスポーツカーや、量産車からの派生モデルであるカブリオレを生産している。ほかも事情は似ているが、派生モデルに軸足を置いたのは企業規模の拡大によるもので、本来はフェラーリのようなスーパースポーツの生産までだろう。ベルトーネは倒産した時点で製造関係の社員が1,000名いたという。この規模の会社を維持するには、量産モデルの生産受注も必要になるのだろう。それすらも社内に取り込むのが、自動車会社の事情であるようだ。
上記はイタリアの会社であるが、英国にもコーチビルダ―があった。ロールスロイスは、1920年代まで外部のコーチビルダーに発注して好みのボディを架装するのが標準であった。当然、コーチビルダーが多く存在したが淘汰されている。有名なところは、パークウォードやH・J・ミュリナーという会社であるが、1960年過ぎにロールスロイスに吸収されている。外部のコーチビルダーモデルの最後になったのがジェームス・ヤングで、1968年のシャドウベースの2ドアクーペと言われる。ロールスロイスは1965年から発売したシルヴァーシャドウでモノコックボティを採用している。高級車を取り扱うロールスロイスをもってしても、技術の流れから外れることはないということである。参考の為に記すと、シルヴァーシャドウの前のモデルであるシルヴァークラウドシリーズは1955年から1965年に生産されている。このモデルの量産数のコーチビルダーへ依頼した数は下記のようになっている。

■ ロールスロイスシルヴァークラウドのコーチビルド台数
     モデル名          全生産台数    コーチビルド仕様台数
  シルヴァークラウドI       2,259台                         156台
  シルヴァークラウドII       2,716台                          147台
  シルヴァークラウドIII       2,297台                          375台

この時代のコーチビルド仕様というのは、スペシャルということである。高級車では飽き足らない顧客に提供するものという位置付けである。金持ちの欲望というのは限りがない。

コーチビルダーの仕事がなく、カロッツェリアの仕事はデザインが中心になる。ロールスロイスの例では、シルヴァーシャドウからピニンファリーナとの関係が強化され、カロッツェリア以上の関係になったと言われる。しかし、ロールスロイスが1998年にドイツ資本の傘下に入ってしまえば、生産性の改善を求められれば従来通りにはいかないのだろう。
マヒンドラ&マヒンドラはインドの大手企業である。ブランドイメージの向上を重視する企業が、伝統的な企業を取り込むというのは、どんな業界でも見掛ける流れではある。


企業に国籍を振り付けても意味の無い時代のようだ。

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