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2015年11月 6日 (金)

BPO、政府と自民党の「介入」強く非難

放送倫理・番組向上機構(BPO)は11月6日に公表した意見書で、放送内容に関し総務省がNHKを厳重注意したことや、自民党が経営幹部を呼び出して事情を聴いたことを「放送の自律を侵害する行為だ」と強く非難した。
NHKが調査報告書を公表した4月28日、総務省は「事実に基づかない報道を行った」などとして、放送法に基づいてNHKを厳重注意した。BPOは「放送法は事業者の自律を保障するもので、政府が個々の番組内容に介入する根拠にはならない。厳重注意は極めて遺憾」とした。自民党の対応についても「政権党による圧力そのものだ」と批判している。一方、高市早苗総務相は6日、「放送法を所管する立場から必要な対応を行った」とする談話を発表。「行政指導は法律上の拘束力はなく、相手方の自主的な協力を前提としている」と反論した。(日本経済新聞:11月6日)


BPOについて考える。


BPOは Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization の頭文字ということだ。日本放送協会 (NHK) と日本民間放送連盟によって設置された第三者機関となっている。1965年に放送連合 (NHK、民放連、放送連合で構成) 内にできた放送番組向上委員会が、1969年の放送連合解散により、NHKと民放連による任意団体である放送番組向上協議会の内部組織として、同じ名前の委員会が同じ年にできた。その後、1997年に放送と人権等権利に関する委員会機構ができ、2003年に統合されて現在の体制になっている。
ホームページでBPOとは、という説明がある。下に示す。

放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関です。
主に、視聴者などから問題があると指摘された番組・放送を検証して、放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促します。


こういう組織である。放送への苦情の受付をしていて、問題があると視聴者から指摘されたものが審議されている。審議を担当する委員の構成を確認すると、放送の自由を重視する立場の人が多いように見える。しかし、どこからか圧力が掛れば変わるかもしれないからあてになる話ではない。
視聴者からの意見というコーナーで抜粋した内容が公開されている。批判されるのは、暴力、性に関する表現、喫煙・飲酒、ギャンブルといったものが代表である。実話誌などはテレビやラジオに流せない記事をもっぱら扱っているということになる。ヤクザ映画を地上波で放送するのは、困難な時代になっているということだ。菅原文太が亡くなった際に、追悼番組としてトラック野郎を放送していた。愛川欽也でも同様であった。トラック野郎が問題なら、他は推して知るべしということである。暴力シーンが多い作品や、反社会勢力が主役の作品というのは、二次使用収入が限定されるということである。二次使用のうち、テレビ放送というのは大きな収入源であるから、テレビ放送無しでDVDだけ (この手の作品でグッズ収入も期待できないだろう) ということになる。
難しい時代になったのは古い映画やドラマ、といっても20年前で十分だ、を見ると分かる。喫煙シーンが無暗に出てくる。男性が多い場面に顕著である。現在のドラマでタバコが出てくるシーンは極めて限定される。念の為に記すと、タバコを喫うのはこの国では合法である。喫煙を禁止している国はないようで、最も厳しいのがブータン王国ということだ。この国では販売が禁止されている。他はせいぜいエリア禁止である。日本に振り返れば、タバコを喫う場所に問題がなければ良いという程度のことである。こんな例は数多あって、銀行強盗をした犯人が自動車で逃亡を図るが、必ずシートベルトを着用する。着用するのも良いが、それなら制限速度を守った安全運転をするのだろうかと想像が膨らむ。それなら銀行強盗は良いのかという話に立ち返らなければならないが、それだと作品にならない。そんなことを言ったら、犯罪に関係した話は扱えなくなる。この手の問題は、法的な規制があるとか、BPOが指摘するガイドラインがあるとかという話では無く、テレビ局の自主規制によるところだという。慮って行動するというのはこの国の文化、風土といって良いだろうが、誰に対してかが不明確に慮るというのは無責任というものだろう。自身、自社の価値観であるのなら、それを明示すれば良い。NHKはともかく、営業放送を行っている民放なら、株主に対する説明責任として行わねばならないだろう。スポンサーの顔色を窺うのも結構だが、スポンサーからすれば明確なルールを示された方が行動し易いだろう。

BPOの視聴者からの意見は多岐に渡る。幾つか2015年10月に寄せられた記事より引用する。

福島県内の放射線量に関する報道について疑問を持っている。報道では「風評被害」と言っているが、”風評被害”とは「根拠のない噂のために受ける被害」のことであって、今の福島の肉、魚、野菜などで基準値以上の数値が出ているといわれている。そのため”風評被害”という言葉はふさわしくない。地元のことを知らない人は報道を信じて、多量の放射線物質を含んだ食品を口にしてしまうだろう。いずれにしても、正しい情報を伝えてほしい。

基準値以上の数値が出ていることを合理的に示せないなら、報道は風評被害を引き起こすことになる。”いわれている” とされることが正しい情報であるなら、それを報道しないことが真に問題にすべき事柄である。放射線量が高いに違いないと信じて、そうでないとする立場を批難しても何も生み出さない。きっと天が崩れ落ちてきはしないかと心配しているのだろう。恐らく、そんなことが起きることだろうから、毎日心配した方が良い。BPOに同情する。

沖縄県の知事による「米軍基地移転承認の取り消し」について伝えていた。その際、男性キャスターが「知事は沖縄の民意を貫こうとしている」などと説明し、移転承認の取り消しが沖縄県民の総意であるかのように表現した。移転に賛成する県民もかなりいるそうなのだが、ニュースではそれらの人達の存在には触れず、反対派の主張だけを報道した。報道の偏りと言われても仕方がない。

逆の報道をしても偏っているとなる。番組単独では特定の傾向を重視した構成にするにしても、次回は別の立場の意見を展開するとか、局全体では両者の意見を示すとかの工夫は必要だろう。これも行き着くところは、報道しないということで、それでも報道しなければならないなら問題を回避する手段として、大本営発表をそのまま流すという行動を取ることだろう。

必要のない海外ロケが多い気がする。番組を盾にした海外旅行のように見える。スタッフ一行が泊まったホテルのタイアップ宣伝映像を長々流し、それで毎回宿泊代を浮かしているのか。電波の私的流用のような気がする。

別に、番組の宣伝に出てくる俳優が多いという意見もあった。レストラン等の紹介番組も含めて、実質的にCMとして作られているコーナーがある。もしかすると店舗から資金提供されているかもしれない。場所と料理を無料で提供するのは良しとしても、資金提供があればCMである。日本民間放送連盟放送基準に違反するものになるが、どの民放局も行っているのなら、問題がないことになってしまうのだろう。問題は資金不足によるもので、資金がないからと安易に外注する。その本質は、資金不足を言い訳に番組が作れないと嘆く社員しかいないことである。

いろいろあるが、まあありそうな意見が沢山あった。そうした意見もあると承っておくよりない。BPOはそういう機関である。
総務省と自民党への批判はもっともな話であるが、政府や自民党は妥当な仕事と主張するだろう。自由な報道というのは、権力者が介入することを回避することから始まる。日本共産党がNHK幹部を呼び付けても問題は生じない。もし、怯えるようなことを言ったら別の法律に抵触する。放送法の扱いでは無い。権力者が不都合な報道を止めようとするのは過去に数多あった。それはダメでしょうという主張である。自由を重視する立場からすれば当然である。自民党は大本営発表以外の内容を放送するのがお気に召さないようだ。自民党や政府の発表記事を流す場合には、当局の発表によるもので、放送局で真偽を確認した内容ではありませんと、テロップを流すことにしなければならない時代が近くくるようだ。


これでいくと、消費者金融も規制対象になりそうだ。銀行との違いが分からないが。

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