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2015年11月20日 (金)

ディー・エヌ・エー、横浜スタジアム買収を発表 98億円

ディー・エヌ・エーは11月20日、傘下のプロ野球・横浜DeNAベイスターズが、本拠地球場である横浜スタジアムの運営会社を買収すると発表した。TOB(株式公開買い付け)を実施し、過半数の株式取得を目指す。買い付け総額は98億円を見込む。球団と球場の一体経営により、迅速かつ大胆なファンサービス強化や長期的な地域密着、経営効率の向上を図る。TOB期間は2015年11月24日から16年1月20日までで、普通株1株を1500円で買い付ける。買い付け予定株数は656万株で、応募数が下限の308万1株に満たない場合は買い付けない。資金はディーエヌエからの貸付金で対応する。(日経QUICKニュース:11月20日)


プロ野球と野球場経営について考える。


日本のプロ野球では、球場が民間企業の施設、ないしはそれの相当するものなのが当然のようになっているが、米国のメジャーリーグで球場を100%民間の球場は、ロサンゼルス・ドジャース(2000年)とサンフランシスコ・ジャイアンツ(1962年)に限られる。米国での球場建設の費用は500百万ドル、日本なら400~500億円という水準のようだ。同じようなものだと理解して良い。メジャーリーグで球場使用料がただ同然というのは、以前は正しかったが、最近の話としては正しくはないようだ。自治体が建設して、野球の公共性を重視して安く貸しているというのは現在もその通りのようだが、球団経営者が集客に積極的に関わる為に球場経営に参画するというのが近年の傾向のようだ。この背景にあるのは、メジャーリーグの経営方式によっている。メジャーリーグでは、各球団の収益の31%をMLB機構に納め、30球団に均等分配するセントラル・ファンド(Central Fund Component) と呼ばれる仕組みがる。また、権利ビジネスは、メジャーリーグ内のコミッショナー事務局で一括管理され、各球団に分配されている。この辺りの事情が日米で大きな差がある。
さて、メジャーリーグの球場で不人気な三球場を下に示す。

■ 不人気なメジャーリーグ球場
  オー・ドットコー・コロシアム    オークランド・アスレチックス
  トロピカーナ・フィールド      タンパベイ・レイズ
  ロジャース・センター        トロント・ブルージェイズ

この内ふたつは、人工芝球場である。メジャーリーグの使用されている人工芝球場はこれだけである。(オークランドが人気がないのは、設備の老朽化が著しくから) 最近のメジャーリーグの球場の流れは、天然芝を用いた Ballpark である。人工芝を用いて多目的使用にすることより、野球専用球場で多くの集客を目指すというものである。屋根が付いていて多目的に使える、日本のようにコンサート会場にする場合もあるし、アメリカンフットボールに使用する場合もある、という使い方より、野球に特化した方が総合的な収益性が高いというのが米国の事情ということである。
逆に人気のある球場の代表にPNCパークがある。ここは、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグにある野球場で、ピッツバーグ・パイレーツのホーム球場でもある。注目すべきは、建設費を極限まで抑えて建設されていて、総額2億1600万ドル (竣工当時のレートで約272億円) のうち1億5000万ドル (約189億円) はペンシルベニア州やピッツバーグ市など地元自治体が公金を捻出し負担している。加えて、ファンからも寄付を募り、実際に寄付してくれたファンの名前を球場わきの舗道のレンガに記すことで名誉を称えた。広島球場に似ていなくもないが、スケールが違いそうだ。なお、球場名は、命名権を20年3000万ドル (約38億円) で買い取った地元ピッツバーグに本社を置く金融会社PNCファイナンシャル・サービシズにちなむ。
日米の比較になったので、年棒総額の比較を行う。日本は2015年、米国は2014年のデータとなったことを了承して貰うとして、多い順に示す。

■ 日本のプロ野球12球団  (2015年)
   1位   福岡ソフトバンクホークス     46億3400万円
   2位   読売巨人軍              44億1930万円
   3位   オリックスバッファローズ      37億5265万円
   4位   阪神タイガース            33億7330万円
   5位   東京ヤクルトスワローズ       28億0660万円
   6位   中日ドラゴンズ            25億2617万円
   7位   広島カープ              25億0050万円
   8位   千葉ロッテマリーンズ        24億4625万円
   9位   埼玉西武ライオンズ         24億3870万円
  10位   北海道日本ハムファイターズ   22億9895万円
  11位   東北楽天ゴールデンイーグルス 22億4560万円
  12位   横浜DeNAベースターズ      22億3030万円
         年俸総額356億9812万 (パ:178億1615万円、セ:178億8617万円)


■ 2014年のMLBのチーム年俸総額
    1. ロサンゼルス・ドジャース      2億3529万5219ドル
    2. ニューヨーク・ヤンキース      2億0281万2506ドル
    3. フィラデルフィア・フィリーズ     1億8005万2723ドル
    4. ボストン・レッドソックス       1億6281万7411ドル
    5. デトロイト・タイガース        1億6222万8527ドル
    6. ロサンゼルス・エンゼルス     1億5569万2000ドル
    7. サンフランシスコ・ジャイアンツ   1億5418万5878ドル
    8. テキサス・レンジャーズ       1億3603万6172ドル
    9. ワシントン・ナショナルズ       1億3470万4437ドル
   10. トロント・ブルージェイズ       1億3262万8700ドル
   11. アリゾナ・ダイヤモンドバックス  1億1268万8666ドル
   12. シンシナティ・レッズ         1億1239万0772ドル
   13. セントルイス・カージナルス     1億1102万0360ドル
   14. アトランタ・ブレーブス        1億1089万7341ドル
   15. ボルティモア・オリオールズ     1億0740万6623ドル
   16. ミルウォーキー・ブルワーズ    1億0384万4806ドル
   17. コロラド・ロッキーズ            9583万2071ドル
   18. シアトル・マリナーズ            9208万1943ドル
   19. カンザスシティ・ロイヤルズ        9203万4345ドル
   20. シカゴ・ホワイトソックス          9115万9254ドル
   21. サンディエゴ・パドレス          9009万4196ドル
   22. ニューヨーク・メッツ             8905万1758ドル
   23. シカゴ・カブス                8900万7857ドル
   24. ミネソタ・ツインズ             8577万6500ドル
   25. オークランド・アスレチックス      8340万1400ドル
   26. クリーブランド・インディアンス     8253万4800ドル
   27. ピッツバーグ・パイレーツ        7811万1667ドル
   28. タンパベイ・レイズ             7706万2891ドル
   29. マイアミ・マーリンズ            4756万5400ドル
   30. ヒューストン・アストロズ         4454万4174ドル


日本で最高のソフトバンクにしても米国の最低に届かない。ソフトバンクはヤフードームを使用するのに、年間48億円を支払ってるというから、この金額の半分を選手に使えれば米国最低クラスには入る。実際、米国の球場では、1991年のシカゴ・ホワイトソックスから2012年のフロリダ・マーリンズに至るまで、30カ所程の球場で大規模改築や新設が、公的資金が使われている。それでも、公的資金で面倒を見られているというのでは、経営の発展を制限されるというところに入っていて、球場でのもろもろの収入に球団が関わる状況を拡大する為に、資金も出すという方向になっているようだ。日本のプロ野球関係者は、口を開くと米国は球場がただ同然と発するが、もう少し状況の理解をした方が良い。親会社から出向 (転籍かもしれないが) してきて、野球に詳しいような事務方は怪しいと思わねばならない。まあ、グランドの制服組は首から上で使うのは、ボールの扱いに関することばかりだから仕方ない。だが、高い契約金を受け取ってチームに加わった瞬間から、興行の世界にいると言う自覚くらいは持った方が良い。綺麗事を口にしたいのなら、契約金も年棒も気にしない態度でいることである。それでも無関係ではいられないんだが。

DeNAが横浜スタジアムの運営会社を買収する目的は、球場収入をチームに流れるように変更する為に過ぎない。この考えはメジャーリーグの近年の動きに近いが、放送料収入のあり方などは違いが大きいから、こちらにも手を付けなければならないだろう。他所のチームに関することもあり、難しい問題であるし、フランチャイズの考えが薄い日本では定着しないとも言える。そのくらいまで手を入れないと、黒字経営は難しいということである。


米国ではストライキ以来、プロ野球への関心が薄くなったかと思っていた。

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