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2015年10月24日 (土)

小春日和について

日本語の用法について考える。


ある自動車評論家のブログを見ていたら、小春日和という言葉があった。ブログの写真によると、10月22日11時32分で、場所は調布飛行場とある。天気を確認すると、晴 (快晴かもしれない) で、この時間の気温は20度前後 (最高気温は14時に22度) 、湿度は60%くらいで、風は 2m/s (最大は15時30分で3.3m/s) というレベルである。
小春日和というのは、小春つまり陰暦十月(神無月=現在の11月頃) の異名で、一般的には、立冬を過ぎたあとの、よく晴れて春のように暖かい日々のことを指す。2015年の立冬は、11月8日である。2週間前の適用と早い。俳句で用いたのなら、季語が合わないと指摘されるところだが、散文ならそこまで厳密でなくても良いと思う。小春日和を2月下旬に用いて、間違いを指摘されるという誤用はしばしば見掛ける。字面が、春の様な少し暖かくなった日よりのようだから、2月に用いるのは心情的には理解する。一方、11月に用いるには知識がある人に限られよう。
ブログでの用法に違和感があるのは、当該日の前の気温がそれほど低くないことである。一週間を確認すると、16日の最高気温は20度を下回っているが、他は20度越えで寒いという感じでもない。人は気温の絶対値を感じるのではなく、変化に敏感に反応するものである。変化もないのに、春めいたと感じることもない。
季節の話を加える。気象用語での定義は、春が3月から5月まで、 夏が6月から8月まで、秋,が9月から11月まで、冬が12月から2月までの期間となっている。小春日和を気象用語の冬で用いようとすると、12月以降になる。これだと、2月に用いて良いことになるが、上記の理由で嫌われる。気象は二十四節気とつながりが深いから、無関係とはいかないのである。

当該ブログでは、敷居が低いという用語が用いられている。用法としては、心理的、経済的な抵抗に乏しく、接し易いという意味であろうと想像される。読者からのコメントに答える形で追記されている。それによると、敷居が低いは、このような使われ方が一般的で、むしろ広辞苑にある本来の意味でこの表現が使われているのに遭遇することはない、という。敷居が高いは辞書で見掛けるが、低い方は見た経験がない。敷居が高いは、不義理をして入り難い様を表す表現になる。不義理に限らず、心理的な抵抗、最も一般的な例としては、格式が高いことをもって用いられている。金銭的な問題ならハードルが高いという表現でも使えそうだが、格式では使い難そうである。そこで敷居の出番ということになるらしい。
暖かい日が続きで済むもの、とっつきやすいで良いような表現を、わざわざ古い言葉を用いた言い回しをモディファイして用いても別の難解さを生むだけである。言葉など伝達手段に過ぎない。伝達効率を低下させることもあるまい。敷居を不義理と関連付ける用法が、死語に近いというのは正しいだろう。実際には、不義理という精神が死語になっていることであり、敷居という建造物の高さがあるということが、日常性から離れているということだろう。


不義理というのは、金銭的なものを除けば、対人関係で守るべき道理として意識されたものから外れる行為である。つまり、近しい人、心情的な支援者と解釈して良かろう、との距離を大きくする行為と言えよう。助けたり、助けられたりという人間関係が、過去に比べて希薄になっているという状況が、不義理という言葉が無くなっている背景だろう。落語や歌舞伎の世界なら、勘当して、二度と敷居を跨がせない、というセリフも出てこよう。しかし、これを日常生活では聞くことはない。その頃とは、社会制度が変わったということである。アコムに不義理があって、というのは状況としては正しい用法だろうが、不義理を許す株式会社はないから、コントにしかならない。

半世紀以上生きてきて不義理もないというのは、ドライな生き方、今日的な合理的な生き方かもしれない、であるのだろうが、不幸な状況に接したことのない人であるとも言えよう。薄っぺらと言うのも容易だが、幸せな日常を送っているという表現の方が適切である。自動車業界というのは、このドライな人達で構成されているということか。
書き掛けのページを放置して書くほどの内容でもないのだが、過去の記事に関連していたので書いた次第である。


自動車業界の言葉はバリアフリー化が進んでいる。

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