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2015年10月14日 (水)

フリースクールに法的位置づけを 馳文科相、立法後押し

不登校の小中学生らが通うフリースクールでの学習内容を義務教育の制度に位置づける法制化の動きが加速しそうだ。超党派の議員連盟で法案づくりを主導してきた自民党の馳浩氏が文部科学相に就任し、さっそく議員立法を後押しする姿勢を鮮明にしているからだ。
「立法作業を見守り、必要な情報などは提供して法制局とも連携する」10月7日の就任会見。馳氏はさっそく議員立法への側面支援を打ち出した。13日の会見では、文科省内に自らを本部長とする「1億総活躍推進本部」の設置を表明。本部で取り組む課題として、フリースクールなどを念頭に「多様な場で、子どもたちが自信を持って学べる環境の整備」を強調した。不登校の小中学生は約12万人とされているが、フリースクールには法的な根拠がなく、通っても義務教育を修了したとは見なされず、子どもを通わせた保護者も就学義務を果たしたことにはならない。そこで、自民、民主、維新、公明、共産などの各党議員がフリースクールでの学習内容を義務教育として位置づける法案づくりを進めており、馳氏はこの議連の立法チーム座長を務めてきた。文科省も1月、フリースクールに通う子どもへの支援のあり方を考える有識者会議を設置。今年度末までに結論をとりまとめる予定だ。馳氏の大臣就任を受け、同省幹部は「フリースクール支援が進むのは間違いない」と話す。ただ、自民党内には不登校を助長し、学校制度が形骸化するといった懸念や、フリースクールの教育の質を確保する難しさを訴える意見もあり、党文部科学部会は法案の国会提出を了承していない。文教族議員の一人は「教育の質が低いフリースクールや営利目的の民間の参入が相次げば、学校制度の崩壊につながる」と指摘している。(朝日新聞:10月14日)


フリースクールについて考える。


小学校や中学校では、生徒が不登校であったことを理由に卒業させないということは、ほとんどないということである。学校に行かないで卒業というのもおかしな話であるが、義務教育というのはそういうものらしい。以前は、病気による長期欠席があった児童について留年を希望するケースがあったようだが、現在ではこの申し立てをしても認められることはないようだ。つまり、不登校が増えた1990年代以降、このような例外措置を取ると辻褄が合わないという別の事情が生じたということのようだ。
中学校卒業程度認定試験という制度がある。病気などのやむをえない事由により、保護者が義務教育学校に就学させる義務を猶予または免除された子どもに対し、中学校卒業程度の学力があるかどうかを認定する試験である。しかし、実際には国内の中学校に進学したとされた場合には、この試験の対象にはならない。上記の理由で卒業してしまうからである。この試験を利用するのは、現在の若者では海外で生活をしていて修学出来ない事情が生じた場合に限られるということになる。
現在の義務教育制度は、義務教育の年数について就学機会を提供することを国が保証し、親権者に対しても義務付けがなされているが、本人が学校に適合しない事情が生じた場合の救済を考慮されていない。このはみ出した生徒の救済を行っているのがフリースクールという民間施設ということである。フリースクールでは、不登校の小中校生 (高校も対応しているところがある) に学習指導をしたり、体験活動をしたりしている。広まったのは30年ほど前からとされる。文部科学省が今年確認している施設数は474ある。文部科学省の調査によると、活動内容は様々で、月会費は平均3万3千円だという。

フリースクール支援がされることで何が心配されるかという議論が理解できない。中学校で不登校で高校には進学せず、高卒認定試験を受けて大学に進学しようと思って生徒がいたとしよう。高卒認定のレベルは、有名大学に進学することを考えればそう難しくはない。具体的には国立大学の医学部に入学する為に、中学から大学受験に向けた勉強をするとしよう。大学受験に必要な科目を無駄なく行い、不要な芸術科目などに時間を取られずに済むから受験対策としては有利に思える。中学、高校での進学に必要な費用を受験予備校に充てれば良いから、経済的な面でも優れた判断になる。だが、こうする生徒はいるだろうか。
現状、上記の様な国立医学部に進学することを具体的な目標に中学時代から掲げている生徒は、中学をほどほどで卒業し、高校に普通するものであろう。高校に普通に通って卒業していることが当然のことで、これ以外のルートを通れば将来不利になる可能性を排除するからである。小さく思えるリスクが、取り返しがつかない大きな障害原因になることを、世の中で優秀と扱われる者達は理解しているものである。よって、自民党議員の、不登校を助長するとか、学校制度が形骸化するとか言うのは、学校という権威の上に胡坐をかいて座っていたい人の戯言に過ぎない。学校に権威を持たせたいなら不登校対策を実務的に解決する方法を提案すべきだし、学校制度が形骸化するというのは、こういう権威主義者の存在を横目で見ている子供達から始まるものである。

学校の教師が不登校の生徒に当たる時間的余裕がなく、専門的な経験や知識も持ち合わせていないのなら、街の専門家であるフリースクールの運営者に委ねるというのは、実務的な解決を探るというところからすれば良い案かもしれない。資金的には篤志家 (といっても普通の市民が多いのだろうが) に依存している状況を少し改善できるなら結構な話である。金を出すから口も出すというのは解決にはならない。金を出している組織が解決できなかった問題に当っている者に対する敬意を欠く。徹底的に調査を行うだけで良い。全国で情報収集することを五年もすれば、何か分かることもあるだろう。解決は出来なくても、学ぶことは沢山ある筈だ。


妙な人が大臣になり、役人はご苦労なことだとお見舞い申し上げる。まあ、仕事しろということだが。

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