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2015年10月 6日 (火)

東洋鋼鈑、富士テクニカ宮津を買収 車用金型大手

東洋鋼鈑は10月6日、自動車用金型大手の富士テクニカ宮津を買収すると発表した。2016年1月をめどにTOB(株式公開買い付け)を実施する。買収額は約93億円の見通し。東洋鋼鈑が主力とする飲料缶用鋼材は市場縮小が続く。富士テクニカ宮津が金型で築いた自動車メーカーとの関係を活用し、自動車向け事業を新たな柱に育てる。
まず、富士テクニカ宮津株の82.12%を持つ投資ファンド、フェニックス・キャピタル(東京・千代田)から全株式をTOBで取得する。その後、他の株主からもTOBなどで残りの株式を買い取り、完全子会社化する。記者会見で東洋鋼鈑の隅田博彦社長は「自動車関連事業を伸ばし、飲料の落ち込みを補える」と話した。東洋鋼鈑は金型の補修など自動車向け事業を抱えるが、売上高は全体の1割弱の約110億円にとどまる。今回の買収で両社を単純合算すると約230億円になり、22年3月期に320億円をめざす。自動車用金型と一体営業することで自動車用鋼板も拡販したい考えだ。富士テクニカ宮津は自動車用金型国内2位の富士テクニカが同3位の宮津製作所(群馬県大泉町)を2010年に買収して誕生。旧富士テクニカはリーマン・ショック後の需要低迷で経営不振に陥り、当時の企業再生支援機構が国内の金型技術を守るため支援を決めた経緯がある。(日本経済新聞:10月6日)


東洋鋼鈑について考える。


東洋鋼鈑は、缶材料向けのブリキ、薄板及び各種表面処理鋼板を製造販売している会社である。飲料用の缶、特に小型のもの、つまり、業務用ではなく個人消費者向けの飲料缶が大きな柱になっているが、製品の多くにアルミが使われ、PETボトルの用途拡大もあって事業への影響が出ている。東洋鋼鈑の3月期決算の推移から確認する。

■ 東洋鋼鈑3月期決算推移 (単位:百万円)
   年     売上高    営業利益  経常利益  当期純利益
  2015    123,005     6,563     7,211     4,977
  2014    120,875     6,454     6,550     4,607
  2013    109,112     2,966     3,298     1,927
  2012    113,942     3,926     4,195     3,156
  2011    119,200     7,114     7,094     3,457
  2010    106,588     3,482     3,350     2,168
  2009    119,259     3,944     3,953     1,846
  2008    119,342     5,196     5,096     3,367
  2007    129,122     5,345     4,780     1,038
  2006    134,059      139      -163      479
  2005    128,803     4,387     4,142     1,624

この十年は、PETボトルもアルミ缶も用途拡大は一服した状況になっているようで、売上高が減少する状況ではないように見える。しかし、別の仕事を見付けないと事業の行き詰まりは免れないというのも事実である。事業セグメント別の売上高を確認する。

■ 東洋鋼鈑3月期決算セグメント売上高推移 (単位:百万円)
    年    鋼板関連  機能材料関連   その他     計
  2015     88,034     28,456     9,116     125,607
  2014     88,474     26,863     8,128     123,466
  2013     84,969     18,447     7,890     111,308
  2012     90,339     17,624     8,331     116,295
  2011     96,349     17,101     8,352     121,803
  2010     86,167     17,939     2,486     106,593
  2009     97,080     20,640     1,571     119,292
  2008     95,175     23,274      900     119,350
  2007    102,838     26,553      ―      129,392
  2006    108,951     25,224      ―      134,176
  2005    108,726     20,598      ―      129,324

減っていないと高を括っていたら、飲料缶用が主な用途である鋼板関連事業は減少傾向にあった。機能材料事業にはハードディスク用のアルミ基板が大きな割合を占めている。一時はガラス基板の事業に拡大したが、採算が取れずに撤退している。HDD会社の統合により内製アルミ基板との競合が激化して売上が落ちる心配があったが、3.5インチHDD市場が下げ止まったこともあり回復したようだ。
セグメント利益についても確認する。

■ 東洋鋼鈑3月期決算セグメント利益推移 (単位:百万円)
   年    鋼板関連   機能材料関連  その他    計
  2015     2,412      3,233       886    6,533
  2014     3,391      2,337       712    6,441
  2013      909      1,386       630    2,926
  2012     1,405      1,751       734    3,891
  2011     3,695      2,333      1,075    7,104
  2010     1,326      1,114      1,039    3,480
  2009     2,118      1,381       443    3,943
  2008     2,712      2,335       146    5,193
  2007     1,747      3,596        ―     5,343
  2006    -2,404       2,543        ―      138
  2005     2,374       2,007        ―    4,382

鋼板関連には、第一に飲料缶は缶コーヒーが大きな柱になるが、販売量が減少している。電気・電子部品向けというのは、電池の容器であるがこれは少し良いようだ。次いで、自動車用、建材用となる。建材用は少なく、自動車用はベアリングシール用途やガスケット用途といったもので、堅調であるようである。スチール缶の柱になる缶コーヒーが売れないとこのセグメントは良い結果を得られない構造になっている。
機能材料関連はハードディスク基板の他は、光学用機能フィルムである。前者が大きい。
その他の中に、記事の金型関係が含まれる。梱包資材用帯鋼、機械器具、硬質合金とあって、最後が該当する。売上高は伸ばせないし、利益を増やすのも容易でない製品群であるので、新規製品に期待するよりないという事情があるようだ。


伝統的な製造業でも、市場環境の影響を正しく受けるようである。

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