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2015年9月 8日 (火)

酒除く食品、消費税軽減 マイナンバー活用で政府案

政府は消費税率を2017年4月に10%に引き上げるのに合わせて一部の商品の税率を低く抑える軽減税率の骨格をまとめた。軽減税率の対象としては「精米」「生鮮食品」「酒を除く全ての飲食料品」の3案があったが、対象範囲が最も広い3つ目の案とする。個人の所得に応じて税額軽減を受けられる限度も定める。消費者が来月始まる税と社会保障の共通番号(マイナンバー)の仕組みを使って買い物し、軽減分を所得税から後日還付してもらう仕組みも特徴だ。
来週にも与党が再開する協議の場で財務省が政府案の骨格を示す。年末の与党税制改正大綱に向け税率軽減幅などを詰め、来年の通常国会への関連法案の提出を目指す。軽減税率は自民、公明両党が消費税率の10%への引き上げ時の導入を目指している。ただ税率引き上げによる増収効果が小さくなるほか、事業者の手間が増える課題があり議論は難航。今年6月に与党の協議を一時中断し、財務省に制度の骨格作りを指示していた。
骨格の第1の柱として軽減税率の対象を「酒を除くすべての飲食料品」とした。固有の税体系をもつ酒は外したが、与党が有力視する3案では最も対象が広い。「精米」「生鮮食品」に比べ対象範囲の線引きがしやすく、定義を巡る混乱を避けられる利点がある。一方、酒を除くすべての飲食料品を軽減税率の対象にした場合、1%の税率軽減で税収が6600億円も減る点が難題とされた。そこで軽減税率の対象範囲を広げつつ税収減を抑える仕掛けが、骨格の第2の柱である所得別の限度額の採用だ。具体的な所得基準や軽減措置の限度額は年末までに決める。消費者は買い物の時点では食品にも通常税率にあたる10%の消費税を支払う。仮に軽減後の税率が8%になった場合、月に5万円の飲食料品を買う人は総額5千円の消費税を払う。払った5千円のうち軽減分の千円が後日戻ってくる。その人の所得に応じて年間の軽減税額に上限があり、上限を過ぎると軽減措置を受けられなくなる。骨格の第3の柱が、3日に改正法が成立したマイナンバーの仕組みの活用。マイナンバーはすべての住民に番号が来月配られ、来年1月からICチップ付きの番号カードが発行される。軽減税率を受けるには消費者が食品を買うごとにマイナンバーの番号カードを店頭のIT(情報技術)システムにかざす仕組みが想定されている。
マイナンバーの導入で個人情報の管理はしやすくなる。番号カードをかざすことで蓄積した買い物情報を所得情報と突き合わせ、各人が受ける軽減税額が決まる。年末調整や確定申告の際、軽減税率を受けるはずの金額を所得税から戻す還付を受ける見込みだ。政府はカード番号をかざすITシステム普及に向けた支援策を検討する。消費税は低所得者ほど収入に占める負担が大きい「逆進性」が問題で、軽減税率はその緩和策だ。政府案は軽減税率による負担減の効果を低所得者ほど大きくする内容だ。(日本経済新聞:9月5日)


軽減税率について考える。


5,000万円の消費税対象の売上高がある店舗があるとする。この店舗のみで経営しているとしよう。軽減税率対象になる商品の売上高が2,000万円だとする。通常の消費税税率が10%で、軽減税率が8%としたとき、30万円と16万円の消費税を預かったことになる。消費税が2系統になると、管理負担も2系統分発生する。消費税を下げれば店舗の負担が生じる。4万円分、商品の税込み価格が下がったとしても、店の管理費用がこれより増えれば商品価格に転嫁するよりない。高い商品に振り付ければ良いというのは素人の発想で、生じた費用はその元に戻さないと破綻するものである。合計4万円分税金が免除された商品は、店の費用の拡大によりそれ以上に価格が上がる可能性がある。
大型のスパーなら管理費用は吸収出来るかもしれない。軽減税率の対象品しか扱っていない店も余分な管理費は生じない。つまり、大規模店舗と、小型の専門店にだけ負担がやりくり可能で、それ以外は負担が大きくなる。公明党が軽減税率を声高に主張しても、結局のところ消費者に有利に働く制度になるかは不透明である。公明党も本当のところは分かっていて、収入が少ない人に配慮していますというポーズを取りたいだけなのだろう。公明党の支持者には規模の小さな店舗の経営者もいるだろう。八方美人の政策などどこにもないが、支持者受けを狙えば確実に、支持者の一部を失うのが摂理というものである。それでも、信念を持って政策を実現するというのが政治家というものだろう。

さて、公明党に気を使った財務省案である。目的は軽減税率の実現ではなく、マイナンバーの普及にある。一度集めて戻すという行為が非効率なことなど、誰が考えても想像が付く結果が待っている。おまけに間に入るのが効率と最も遠いところに位置する役所である。軽減税率以上の費用が投入され、消費されていくことだろう。財務省も、政府から頼まれたからといって、自分たちの目的に沿った答えを提示してはいけない。
マイナンバー端末が全国に広がれば大きな利権につながる。財務省にとっては楽しい仕事が増えるというものであるが、こんな大きなシステムを導入すれば、何かにつけて攻撃対象になるというのは必然である。集めなければ還付されないから、集めないというのが正解である。百歩譲ってマイナンバーを使うのなら、他のポイントカードにも参入を許可したらどうだ。PontaとTポイントと楽天カードが参入を表明すれば良い。情報管理の適切な実施が条件になるが、それを満たして参入が認められないなら独占禁止法に触れると主張すれば良い。通る理屈かどうかは怪しいが、そのくらい主張してみるものである。これらのポイントシステムがマイナンバーより確実に優るのは、効率的な仕事をするという業務体形が構築されていることである。効率から遠いところの仕事なら、数千億円くらいの金などすぐに失われる。


必要があって集めているのだから、加減することを考えるのは愚かである。

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