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2015年9月29日 (火)

シンドラー社事故、1人は無罪東京地裁判決

東京都港区で2006年6月、都立高2年の市川大輔さん(当時16)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた製造元のシンドラーエレベータ元課長、原田隆一被告(46)ら4人の判決公判が9月29日、東京地裁であった。杉山慎治裁判長は、原田被告に無罪(求刑禁錮1年6月)を言い渡した。 一方、同罪に問われた保守点検会社エス・イー・シーエレベーターの会長、鈴木孝夫被告(72)は禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑禁錮1年6月)、社長の西村裕志被告(56)は禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑禁錮1年4月)、部長の根本邦男被告(69)は禁錮1年2月、執行猶予3年(求刑禁錮1年2月)の有罪とした。事故は06年6月3日、港区の公営マンションで発生。12階に停止したエレベーターがドアが開いたまま急上昇し、降りようとしていた市川さんがかごの床と外枠に体を挟まれ死亡した。(日本経済新聞:9月29日)


シンドラーエレベーターについて考える。


2012年に金沢市のアパホテルにおいて業務用エレベーターで死亡事故が発生している。このエレベーターも上記のものと同じタイプであるとされる。過去にこのブログで扱っている。その際に、記事の事故の裁判を確認したら、東京地裁で公判前整理手続き中となっていて驚いたのを記憶している。公判前整理手続というのは、2004年5月の刑事訴訟法改正によって新設された制度で、2005年11月に施行されている。被告人は、2009年7月に業務上過失致死罪で在宅起訴されている。時間関係からすると、公判前整理手続が原因で遅れたというのではなく、起訴して裁判を維持するのが検察側に難しかったのだろうと想像される。
製造物責任を問うのは、製造している会社で、メンテナンスしている会社にはならない。ということは、メンテナンスが必須のエレベーターのような装置では、規制する法律がないということになる。刑事罰の対象になったのは、製造元のシンドラーエレベータの二名と、メンテナンス会社のSECの三名である。無罪になったのが製造元の課長で、他は執行猶予付きの有罪という判決である。

エレベーターについて、減価償却資産の耐用年は17年のようだ。階数が大きいエレベーターは高くなるようだが、10階程度で定員9人程度だと導入価格は、1,000万円というところのようだ。メンテナンスは平均年間100万円で収まるかどうかというとことで、使用頻度の高いところだともう少し高くなる場合もある。20年間使うとして、導入価格が1,000万円、つまり金利を無視して年間50万円だが、メンテナンスは100万円要することになる。メンテナンス契約の仕方によっては、100万円は掛らずに20万円で済むということもあるようだが、メンテナンスに多くの費用が必要で、メンテナンスで安全は維持されているという実情もある。
長期のメンテナンス契約がエレベーター会社にとってはうまみのある仕事であるようだ。余分な交換の必要はなく、大きな部品交換が発生した場合には、別途請求できれば割が良い仕事ではある。至急対応をすることもあるだろうから、前提になるのは、問題発生の少ない装置であることとなる。事故のあったマンションは、メンテナンスを入札で安い会社に決めたと記憶する。独立系のメンテナンス会社が成立するような環境があれば良いが、東芝のエレベーターを日立がメンテナンスするというのは、この国の商習慣にない仕事だし、良い結果がもたらせられる行為とも思えない。安くするのと同時に、安全を削る行為であったということだ。それなら、値切ったマンション管理組合の問題かというと、命を落とすに至るまで手抜きメンテナンスをするとは思っていなかったという言い訳をすることだろう。ものには限度というものがある。そもそもメンテナンスは、安全に動かす為にするのだから、安全シールを貼ることが目的の行為なら、もっと安くて良いという話になるし、シールも偽装すればもっと安くなると言う話に発展し、それなら……、と際限が無くなる。

国は法律による規制を厳しくする検討をしているのだろうが、難しいから進んでいないというのが結論である。市場の論理というのは正しく機能していて、事故以降シンドラーエレベーターの新規導入は無い様だ。メンテナンスに規制を掛けるのが難しいなら、20年経ったエレベーターは交換しなければならないという規則にすれば緊張感も生まれるだろう。原発の寿命設定も出来ないようではこれもまら難しい話である。
某所のエレベーターは見るからに古かった。業務用といっても許されないのではないかと思うようなものだった。エレベーターの中に貼ってあるシールには10年6月点検とあった。2010年の意味だと思ったら、役所関係のものなので平成であった。つまり設置以降何もしていないものである。階の停止位置はずれているし、停止時の振動は大きい。動作時の音も大きい。もしかしたら落下するのではないかという代物であるが、その会社では社長と関係者しか利用しないそうだ。関係者は迷惑な話である。事故が起きたら誰の責任になるのだろうか。


法律が何とかしてくれるという幻想は捨てなければならない。無秩序を防ぐ道具程度のものである。

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