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2015年8月28日 (金)

山口組分裂、離脱団体が新組織 総本部移転に反発か

国内最大の指定暴力団山口組(直系組長72人)が8月27日、13団体を絶縁や破門の処分にしたことが警察当局への取材でわかった。山口組は分裂し、離脱する10団体超が「山口組」の名前をつけた新組織を発足させる方針。警察当局は、双方が衝突する恐れがないか動向を注視している。 捜査関係者によると処分を受けたのは、神戸市灘区の総本部で27日に開かれた緊急の執行部会に欠席したり、離脱の意向を示したりしている団体。2千人の組員がいる最大組織の山健組(神戸市)や宅見組(大阪市)、俠友会(兵庫県淡路市)など関西の組織が中心という。山口組では最近、篠田建市(通称・司忍)組長(73)が出身母体の弘道会の本拠である名古屋市に総本部を移す考えを示したという。これに対する反発が分裂につながったと警察当局はみている。(朝日新聞:8月28日)


山口組について考える。


山口組で処分されたとされる団体と、それに同調するであろうとされる団体を下に示す。

■ 山口組の処分対象団体
   組名     組長    本部所在地   絶縁処分   破門     破門引退
  山健組   井上邦雄   神戸市        *
  宅見組   入江 禎    大阪府        *
  池田組   池田孝志   岡山県        *
  侠友会   寺岡 修    兵庫県        *
  正木組   正木年男   福井県        *
  松下組   岡本久男   神戸市               *
  黒誠会   剣 柾和    大阪府               *
  西脇組   宮下和美   神戸市               *
  真鍋組   池田幸治   兵庫県               *
  大志会   清崎達也   熊本県               *
  雄成会   高橋久雄   京都府               *
  奥浦組   奥浦清司   大阪府                        *
  毛利組   毛利善長   大阪府                        *
  川合組   川合康允   岐阜県


絶縁と破門があるが、絶縁は復帰不能な処分で、破門は事情によっては復帰があるという処分である。引退とあるのは、組長の引退が付くのだがここでは気にしなくて良い。名古屋の弘道会と、神戸の流れの山口組との対立に見える。
今回の処分に関係して、組の分裂が発生した場合に現実に問題になるのは、指定暴力団である山口組は、弘道会の所属する組織で、分裂して新たに出来た組織は指定団体ではないということである。新組織は、神戸山口組という仮称で、本当に組織となればそうなるのだろう。この組織は指定外なので、警察の取り締まりを受け難い状況になる。暴力団の取り締まりなど指定があろうとなかろうと出来るだろうと思ってしまうが、末端の組員を上げることは出来ても幹部を立件するとなると容易ではない。そこで警察と検察が出した知恵は、使用者責任を問うことである。過去の事例では山口組の3次団体の組員が起こした事件で、山口組の組長の責任までつなげている。裁判において使用者責任の認定に関わる三要件を求めた。下に示す。

 (1) 下部組織にも山口組の名称、代紋を使用させていた。
 (2) 上納金が山口組組長に取り込まれる体制がとられていた。
 (3) 組長の意向が末端まで伝達徹底される体制だった。

無理を感じる話である。山口組を日本国にして、代紋を日の丸として、組長を首相としたとしよう。景気回復を必要以上に迫って、消費拡大を計る為に、日の丸を前面に出して、消費を要求した人がいたら、首相が使用者責任になるという想像をしてしまう。税金は国庫に入るし、首相の意向は国民に知らしめられる。これが飛躍があるというなら、こんなのはどうだろう。自民党の党員が、党員を増やす為に強要をした。自民党の党費は本部に行くシステムが出来ている。党の方針は、党総裁が決定したものが、末端の党員にまで伝達徹底されるようになっている。この強要で安倍晋三を使用者責任で逮捕するか。暴力団は大嫌いだが、これを取り締まるのなら何でも許されるという思想はもっと嫌いだ。
下部組織の起こした問題は、下部組織の中で使用者責任を問うことは可能だろう。山口組の組長を3次団体に所属している組員からひも付きにするのは、正直なところ無理があると感じている。おまけに、3次団体や2次団体の組長を使用者責任で裁こうとはしていない。(しようとしてない訳でもないのだろうが)
マスコミでは一般市民を巻き込んだ事件が起きる心配をしている。心配はもっともだと思う。しかし、今日街中で発砲事件があったら、警察はその組を壊滅するように動く。一般市民が巻き込まれることがあったのなら、警察は桜田門の代紋の名にかけて行動するだろう。広域暴力団というのは、というかヤクザというものは、自分と組のメンツの為なら損得は問わないが、それ以外は損得勘定だけで動くものである。加えて、組織がつぶれかねない行動をメンツで動ける時代でもない。それくらい近年の当局からの締め付けは厳しく、経済的に困窮しているとうことである。

山口組が三代目の跡目に関係して分裂して一和会との大規模な抗争があった。ここで四代目組長の竹中正久は殺されている。その竹中の弟である武は、山口組五代目を巡る山竹抗争が発生し、竹中組の組織は急速に弱体化した。前組長の命を奪った一和会の壊滅を目指す竹中組は、山口組にとってはやっかいな存在になっていた。五代目組長になる渡辺芳則は、竹中正久の位牌と仏壇を山本武に返している。先代の位牌の管理をしないというのが、近代ヤクザの価値観というところである。
六代目の司忍体制になって、伝統的なヤクザ組織の論理は後ろに行き、経済原理が支配する組織運営がなされているようだ。これが三代目からの伝統に共感する神戸側との対立点になっているのだろう。もともと一和会が出来た理由も、古い価値観へのノスタルジーであり、切り崩されてしまったのもまた同様に菱の紋への感傷であった。置き去りにされる側はいつでも過去を美しく思い、新しい行動者は経済原理で動く。そして、経済原理が勝利してきた。今回の対立を見ると、過去の例になぞらえれば名古屋側の勝利であるが、経済的に困窮する事情を考慮すれば、どちらも勝たないのではないだろうか。無論、桜田門が勝利するという理想的な結果には至らない。つまり、桜田門が有利になる抗争はしないということである。

新組織にはスパイも入っているだろう。絶縁組にはスパイはいないだろうが、そこの組員がどこかの組に入る可能性もあるから、絶対にないとまでは言い切れない。なかなか難しいものである。


東西分裂といっても、維新の会の話ではない。

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