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2015年8月20日 (木)

キユーピー、欧州で初の販売子会社設立

キユーピー 欧州で初の販売子会社「キユーピー トレーディング ヨーロッパ」をオランダのアムステルダムに設立したと8月19日発表した。資本金は18万1600ユーロ(約2500万円)で9月から営業を始める。マヨネーズやドレッシングを英国やフランス、ドイツなどの外食企業や小売店に販売し、2020年までに年間売上高20億円を目指す。
現在は欧州で日本からの輸入品を販売し、売上高は1億円程度。子会社設立と併せ、オランダの食品メーカーにマヨネーズを生産委託する。(日本経済新聞:8月20日)


キユーピーについて考える。


過去に何度かこのブログで取り上げている会社である。国内市場に大きき依存している傾向のある食品会社の代表として扱っているのだが、比較の為に他の会社にした方が良いのかもしれないとも感じている。しかし、海外展開を考えているとか、新製品を検討しているというのは、食料品では極めて少ない。
食料品を広く捉えると、国内で大きな会社は、JTとビール会社である。これは別枠で考えなければならない会社で、この他の会社となると味の素となる。その次がキユーピーとなる。味の素は1兆円クラスの企業であるので、売上高で約半分である。海外売上高の割合は、大きく異なり、味の素は半分が海外であるのに対し、キユーピーは九割以上が国内という偏りがある。新規j業への取り組みでも差があるようだ。比較するのが目的ではないので、キユーピーの決算推移から確認していく。

■ キユーピー11月期決算推移 (単位:百万円)
   年     売上高    営業利益  経常利益  当期純利益
  2005    455,007    12,830    12,829     5,465
  2006    456,067    14,159    14,262     6,071
  2007    468,006    15,824    15,836     7,328
  2008    473,951    14,036    14,184     7,721
  2009    452,239    17,731    18,414     9,036
  2010    471,010    22,119    22,762    10,613
  2011    486,435    20,816    21,912     9,449
  2012    504,997    23,368    24,467    12,291
  2013    553,404    22,402    23,749    12,567
  2014    530,549    24,343    25,368    13,366

売上高は年2%程度で増加している。利益に関してもそれ以上に伸びている。安定した会社である。これで何が問題かといえば、高齢化、少子化していくということは、食品市場は必然的に縮小傾向になる。この小さくなる市場で強くても将来は厳しいという判断が出てくるということである。国内と海外の売上高と営業利益について半期毎で推移をまとめたのが下である。

■ キユーピー11月期地域セグメント売上高・営業利益推移 (単位:億円)
              売上高          営業利益
   半期       国内    海外      国内   海外
  2012上期    2,389     94      113     4
     下期    2,477     90      113     4
  2013上期    2,483    112      111     4
     下期    2,584    126      101     8
  2014上期    2,580    150      101    10
     下期    2,638    166      115    18
  2015上期    2,651    178      116    18

上記の前の決算資料では、海外売上について報告する水準に達していないという扱いで、報告はなかった。しかし、中期経営計画で海外市場を重視していくとして以降、発表しているし、成長している。2012年上期では3%程度であったものが、2015年上期には6%まで達している。海外市場を意識するという経営方針を明確に示すことが成果に繋がっているようだ。黙って成果を出すという方法もあるだろうが、株式を公開している会社の取る方法としては、経営方針を明示することだろう。
記事の欧州売上高の目標が、2020年で20億円というのは、現状300億円ある海外売上高からすると、少々つつましやかな目標に思えるが、現状この市場で1億円の売上高であるのなら、この位というところなのだろう。キユーピーの海外売上はアジア圏が中心になっているのだろう。
キユーピーの製品セグメントの売上高と営業利益の推移をまとめたのが下である。

■ キユーピー11月期製品セグメント売上高 (単位:億円)
   年          2011     2012     2013     2014
  調味料       173,488   138,552   145,367   151,465
  加工食品        -     59,061    58,431    57,152
  ファインケミカル   18,462    8,341     9,676    10,726
  タマゴ         85,743    85,573    91,158    99,513
  サラダ・惣菜     85,801    91,570    58,431    57,152
  物流システム   117,122   115,697   120,320   126,786

■ キユーピー11月期製品セグメント営業利益 (単位:億円)
   年           2011     2012     2013     2014
  調味料        14,370    11,473    11,519   11,510
  加工食品        -     -1,030     -896     164
  ファインケミカル     1,510      973       909    1,030
  タマゴ          3,786     4,888      3,414    3,756
  サラダ・惣菜      2,217     3,075      3,460    3,279
  物流システム      3,020     3,218      3,208    3,613
    ※ 2011年の加工食品は、調味料とまとめて扱われている。

物流システムは、キユーピーの各種製品の輸送を取り扱っているキユーソー流通システムである。大きな企業体の輸送部門は売上高が大きくなるものの、利益は落ちないことになっている。売上高と利益とで総合的に見ると、調味料が中心商品であることは動かない。つまり、マヨネーズとドレッシングで事業を営んでいる会社である。
離乳食や老人食向け、つまり赤ちゃんからお年寄りまでという加工食品は、利益に貢献するには至っていない。キユーピーのブランドが競争力になるのは、調味料製品に限られるようだ。ブランド力というのは深く浸透し、強力なものになっていても、商品を広げるというのは別の仕事が求められるということだ。逆にブランドが強いほど、他の商品に違和感を生むという厳しい事情が生じる。同じ食品の枠組みの中でも少し違えば別ものということだ。難しいものである。そういえば、カット野菜の事業について以前扱った。売上高が減っているのは連結に関する事情の変化が影響しているだろうが、利益は伸びているから市場は成長しているのだろう。そのうち扱うこともあるかもしれない。
海外市場は、国内で競争力のあり、商品のラインナップが充実するマヨネーズとドレッシングによるようだ。


食品はとっても保守的なのだろう。欧州のなかでも合う国とそうでないところがありそうだ。

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