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2015年8月 3日 (月)

「305億円運動公園」に反対80% 茨城・つくばで住民投票

茨城県つくば市で8月2日、総事業費305億円を掛けて市が計画する総合運動公園整備の是非を問う住民投票が実施された。即日開票され、賛成1万5101票、反対6万3482票で、反対が有効投票の80.78%を占めて賛成を大差で上回った。市選挙管理委員会によると、投票率は47.30%。
投票結果に法的拘束力はないが、市原健一市長は2日夜「白紙撤回も含めて検討したい」と述べた。反対派の市民グループは「住民参加の下で根本から計画を検討し直すこと」を強く求めた。市は2月、公園整備の基本計画を策定した。事業開始から10年間で11のスポーツ施設を建てる予定で、市は財源について、補助金140億円を国に求め、工事の進展に合わせて地方債148億円を借り入れて30年間で返済すると説明。残りは市の一般財源などで補うとした。これに対し、市民グループが「700億円前後の財政規模の市には巨額過ぎる」と訴えて署名集めを始め、5月に住民投票条例が可決された。条例は市長と市議会が結果を尊重するよう定めている。(共同:8月3日)


つくば市の総合運動公園整備計画について考える。


つくば市に第1種公認陸上競技場をつくろうというのが事の発端のようだ。公認の陸上競技場がないと、公認記録が作られないという事情があるから希望する気持ちは分かる。だが、第1種ではなく、第2種であってもよい。というより、第1種陸上競技場を使うことなど、国際大会と、国内の全国規模の大会、具体的には全日本選手権や国体など日本陸連が主催のもの、となり限られる。地方都市では国体のメイン会場になるときにしか必要性はないかもしれない。つまり半世紀に一度ということである。(香川県と徳島県が共同開催した1993年のようなケースは今後増えるかもしれないが、40年に1回のレベルを超えない) これにインターハイを加えても良いが、規模は随分と小さくなる。
第1種の下には第2種がある。この二つの違いは、補助競技場に第3種レベルを求めることと、夜間照明 (必須と望ましい) 、収容人数 (1,500人以上と5,000人以上) といったところである。夜間照明と収容人数を確保すると、規模の大きなものになり、維持費をどう捻出するかという問題も抱えることになる。関東近県の第1種陸上競技場を確認したのが下である。

■ 関東近郊の第1種陸上競技場とサッカーJリーグ使用状況
 Jリーグ     競技場名                    所在地
  〇   笠松運動公園陸上競技場           茨城県那珂市・東海村
  △   栃木県総合運動公園陸上競技場      栃木県宇都宮市
  〇   群馬県立敷島公園県営陸上競技場     群馬県前橋市
  〇   熊谷スポーツ文化公園陸上競技場     埼玉県熊谷市
  〇   千葉県総合スポーツセンター陸上競技場 千葉県千葉市稲毛区
  ◎   東京スタジアム                  東京都調布市
  ◎   横浜国際総合競技場              神奈川県横浜市港北区
  ◎   川崎市等々力陸上競技場           神奈川県川崎市中原区
  ◎   山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場    山梨県甲府市


◎で示したのがサッカーJリーグでのホームになっている競技場、〇は使用されることがある競技場、△はJEL以下のリーグでの利用がある競技場である。大きな陸上競技場施設を造っても、維持費を捻出するには興行として規模の大きなサッカーに頼るしかないという現実がある。しかし、サッカー側の要求としては、スタンドから距離のある陸上競技場より、間にトラックが存在しない球技場が欲しいという声が出てくる。カシマサッカースタジアムや埼玉スタジアム2002がこれに該当する。これこそ、Jリーグありきの施設になる。それでも維持が大変というのが実情ではある。
第1種陸上競技場は、各県に一つある程度のものである。茨城県では笠松運動公園があるが北部地域である。茨城県は東京に近い南部地域と、北部地域との地域差も影響している。南北の行き来の乏しい地域特性があり、つくば市のある南側からすれば、県庁所在地である水戸市は隣の県に近い印象になるようだ。このあたりもつくば市に陸上競技場をつくりたい気持ちに影響していると想像される。
既存の茨城県南部の陸上競技場を確認すると、つくば市には筑波大学陸上競技場がある他、石岡市石岡運動公園陸上競技場(石岡市)、龍ヶ崎市陸上競技場(龍ケ崎市)、阿見町総合運動公園陸上競技場(稲敷郡阿見町)とあるが、いずれも第3種である。第2種クラスの陸上競技場を用意しようという考えが出てくる事情はここにもある。

陸上競技場をつくる話が始まったら、総合運動場に話が拡大し、運動公園整備へと拡張して予算が305億円となれば、話が違うと怒る人も出てくるものだ。つくば市は2015年7月17日に、TBSのテレビ番組である「噂の!東京マガジン」が反対側の主張に偏っている、印象操作を行っているとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)に審理申し立てをしている。都合二回、番組で取り上げられている。BPOがTBSの番組は偏っていたと判断したのなら、つくば市は住民投票のやり直しを行うのだろうか。あるいは逆に、問題なかったとしたらどうするのだろう。BPOなどという組織が、番組を監視して罰のは、組織自身が認めるところではある。そもそも、独立性の高い機関ではないし、業界関係者による組織であることを考慮すれば、住民投票の結果を見て当り障りのない判断を出しそうではある。そんなことは百も承知でBPOに申し立てをしたのがつくば市であるのだから、もう少しもがいてもよさそうではある。無駄なあがきというのはみっともないものではあるが、あがかなければならない状況もあるだろう。事ここに至って、カッコ良い政治家を目指す必要もなかろう。見苦しい態度で、問題点を明らかにしていけば、決定のプロセスの問題点が明らかになるというものではないかと思う。そうされたら困る人も出てくるのだろうが、そうしなければ、住民投票に掛った費用をどう回収するというのか、という問題も出てくるのである。


TBSは自社の番組の影響力が高いと、つくば市が認定してくれて喜んでいることだろう。

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