« 首相、連日のテレビ出演 安保法案は「戸締まり」 | トップページ | マクドナルド鶏肉問題から1年 増収確保に懸命 »

2015年7月22日 (水)

森元首相「大変迷惑している」 新国立の責任問われ

2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相は7月22日、日本記者クラブで記者会見した。白紙撤回された新国立競技場の建設計画をめぐり自身の責任が指摘されることについて、「大変迷惑している。組織委がつくるわけでもなければ、ああしてくれこうしてくれと言ったわけでもない」と話した。
新競技場をめぐっては、白紙となったデザイン案を作製した建築家、ザハ・ハディド氏への監修料やゼネコンへの技術協力費などとして計約59億円が支払われ、大半は戻らない見通し。こうした点について森会長は「日本の役所、機構上の問題。全体で負わないといけない」と指摘した。一方、新たにつくられる建設計画については「何が必要なのか、よく見てほしい。アスリートに必要なものもある。落ち度がないものにしてもらいたい」などと述べた。新競技場をめぐってはこの日午前、整備計画を再検討する関係閣僚会議の議長に就いた遠藤利明五輪相が東京都の舛添要一知事と会談。遠藤五輪相の協力要請に対し、舛添知事が応じる考えを示した。都は同日、オリンピック・パラリンピック準備局の理事ら幹部職員3人を23日付で内閣官房に派遣する人事を発表した。(日本経済新聞:7月22日)


新国立競技場について考える。


森喜朗は少し前に、『やはり国立は、スポーツを大事にする日本という国を象徴する建物である必要がある。3、4千億円かかっても立派なものを造る。それだけのプライドが日本にあっていいと思う』と発言している。今日的な感覚ではないことを批判してもしかたない。存在が自体が骨董品 (Antiqueの方が最適か) なのだから、本人の資質は批判の対象ではなく、この立場にあること自体を問題にしなければならない。
建設する上で問題があると当初から指摘のあったザハ案に、国際公約という意味不明な言訳で突破を試みたが失敗した。文科省チームは無策である。ザハ側が技術料を請求するのは当然の権利ではあるし、規模の大きな事業であるから金額が大きいのも理解する。それでも、3,000億円に対する技術料が60億円ならともかく、500億円で60億円なら高いと指摘されそうである。逆に500億円で作れる方法を提案したなら60億円の価値はあるとも言えるから、どっちが正しいとも結論は出なくなる。まあ、正当であっても高い金額であることは間違いない。
先進国で行われたロンドンオリンピックのメイン会場の建設費が、当初2億8,000万ポンドから4億2,900万ポンドにと2倍以上に膨らんでいる。2012年のポンド・円の為替レートは130円/ポンドくらいだから、最終建設費は560億円というところである。ただし改修費を含めた総額となると更に膨らんで、7億ポンド(約910億円)となると報じられている。当初見積もりを超えるというのはこの手の大規模工事にはつきものというところのようだ。

さて、今回の建設に、ゼネコンとの癒着とか主張する向きがある。まあ、当たらないだろう。文科省が旗振りをしている仕事にゼネコンは興味を持たない。というより、この大工事に付き物の不確定な因子を考慮すれば、不慣れな役所と組めば詰め腹を切るのはゼネコンと決まっている。この仕事の貸し借りで次の仕事がある役所ではない文科省が仕切っている限りは、決して手を出してはいけない案件の位置付けになる。ゼネコンと癒着とはセットで語られるが、癒着するには相応の下地作りが欠かせない。下地のない文科省に癒着する道理がない。
東京スカイツリーの総事業費が約650億円で、大林組が仕事をしたいと思う理由があって、新国立ザハ案にしたくない理由がある。つまらない仕事で、世の中の役に立ちそうにない仕事は、商売として成立しなければ受注しないということである。未来に引き継がれる建物の建設に貢献することは名誉なことだというのは、ゼネコンが吐くセリフで、政治家や役所が発言すれば不当な値下げ要求に決まっている。壊された国立競技場は大成建設が建設しているが、半世紀の間、大成建設がこのことでどれ程の名誉と利益を受けたか考えてみれば良い。おまけに、新国立競技場建設にも前回やったからと押し付けられたとしたなら、不名誉なことでしかなく、株主総会で経営者は解任されかねないだろう。地図に残る仕事と会社で謳っても、不名誉であれば意味がない。

自民党の政治家はゼネコンは工事があれば喜ぶと信じているようだ。この四半世紀の公共事業の縮小により、それ以前のゼネコンとは仕事の仕方が変わっている。ゼネコンは設計事務所になり、工事は外部に発注している。外部の受注業者は将来の見込みが芳しくないと考えているから、社員を増やすことを躊躇うし、子供に経営を継がせることは諦めている。工費が高くなっているのは、先の震災関連の事業が膨れたこともあるが、仕事が多くあっても参入する会社や社員が増えないという、需給バランスが崩れた状況が改善されないことが大きな要因になっている。バランスを崩しているのは、自民党の発注すれば喜ぶだろうという骨董品の脳みそであり、大きな建造物は素晴らしいという古よりの価値観に支配されていることである。四半世紀掛けて絞り込みをしてきて、さあ増えたから喜べというのはおかしな話である。それなら、この先の四半世紀の話を聞こうじゃないかという要求がついいてきて当然だ。

安く作るなら、前の建設物に近い作りにするのが最も効果的である。この大規模工事にはWTOの規制もあり、国内設計を条件には出来ないだろうが、設計条件に加えることは問題ないだろう。安く作りには、早く作れるものが最も効果的である。新しい試みは、新しや故に工期が長くなる。
安藤忠雄が選んだのは結構であるが、なんとも見苦しい状況に陥っている。真剣に考えなかったのではないかとさえ思えてしまう。予算のあるのは当然だし、それを無視して良いものを選ぶというのもおかしな話である。ザハ側は予算通りでまとまる筈としているようだが、当初からオーバーの噂はあった。もしかすると日本の事情に疎いのではないかとさえ思える。

下村博文が仕事をしないから、仕事をしそうな遠藤に切り替えたようだ。それなら、下村は更迭すれば良いのだが、総裁選の推薦人代表をそうは扱えないということか。第一次内閣のときのように、オトモダチ化してきているようだ。


森喜朗古墳という秀逸な名が予定されている。Tumulus de Monsieur Mirage では意味不明か。

« 首相、連日のテレビ出演 安保法案は「戸締まり」 | トップページ | マクドナルド鶏肉問題から1年 増収確保に懸命 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 首相、連日のテレビ出演 安保法案は「戸締まり」 | トップページ | マクドナルド鶏肉問題から1年 増収確保に懸命 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ