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2015年7月29日 (水)

ギャンブル依存症対策、超党派で勉強会

与野党の国会議員約30人が7月29日、ギャンブル依存症対策を進める超党派の勉強会を立ち上げた。初会合にはカジノを中心とする統合型リゾート施設 (IR) 整備推進法案への賛否を超え議員12人らが参加した。今国会中に5回程度の会合を開く。(日本経済新聞:7月29日)


ギャンブル依存症について考える。


ギャンブル依存症が意志が弱いなど性格の問題と考えられたのは昔の話になっていて、「やめられない」心の病気で、精神疾患の一種だという認識が広まっている。2014年8月の厚生労働省の研究班による調査によると、疑いのある人は推計で536万人にのぼると発表されている。深刻な患者 (と呼んで良いのだろう) の場合、高額の借金をして家族を道連れにするということがある。道連れというのは、経済的な破綻と同時に、配偶者がうつなどの精神科にかかるという状況が生じるということである。
ギャンブルで借金をするというのは、消費者金融というのが相場である。消費者金融利用者が借入れをはじめたきっかけを調べてみた。金融庁『財務局等及び地方自治体における多重債務相談の状況について』(2011年度上半期相談状況調査結果・全体概要)による。結果を下に示す。

■ 消費者金融利用者の借入れ理由
                                件数    割合 ( % )
低収入・収入の減少(生活費・教育費の不足)等   9,517   26.0   
商品・サービス購入                    2,365    6.5 
ギャンブル・遊興費                     1,787    4.9 
事業資金の補填                      2,039    5.6 
保証・借金肩代わり                    1,728    4.7 
住宅ローン等の借金の返済               2,215    6.1 
本人、家族の病気・けが                  1,156    3.2 
その他                             2,559    7.0 
不明                              14,494   39.7 

低所得が主な理由になっているが、ギャンブルというのも5%程度ある。ギャンブルにのめり込むと言うのは、自己資金の適切な範囲での遊興などということはないのだろう。そういうのを所帯博打とバカにしたのは昔の話で、今は博打依存患者と蔑んで呼ぶのだろう。自分の資金が無くなる程度で済むと言えなくはないが、自身の生活を破壊して家族の生活も同様となるとそうもいかない。
貸してくれる人がいるから、破壊的な状況にまで落ちるということである。貸方の事情を確認する。資料は株式会社日本信用情報機構から用いた。この資料によると、消費者金融5社以上の利用者は約14万人であるという。

■ 多重債務の現状 (2015年6月末現在)
  消費者金融貸付残高              7兆4,645億円 
  消費者金融利用者                1,155万人
  消費者金融5社以上の利用者         14万人 (平均借入残高196.5万円) 
  消費者金融利用者の3ヶ月以上延滞者   約419万人 

延滞者は利用している消費者金融も多いだろう。5社以上の利用者が200万円近い借入残高があるのも、あっちの返済にこっちを充てるという行動がある場合もきっとあるのだろう。これだと共倒れで、ただほんの少しの延命時間を与えているに過ぎないのだが、延命することを重要でないと考えれば、ほとんどの医療行為も否定されることになる。まあ、利用者が死ぬと決まっている訳では無いのではあるが。
200万円は住宅ローンに比べれば小さい額だが、日常的な金額からすれば大きい。自動車ローンといったところだろうか。その割に審査が簡単であれば、少額利用が高額に発展するという者も出てくるのだろう。これで返さない者が現れなければ、非常に合理的な事業である。返せなくなった者の行動としては、自己破産と任意整理というのが代表的なものである。自己破産は裁判所で判決が出るのだが、4年前後で返済不可能であれば自己破産が認められるようだ。任意整理の方はというと、裁判所には行かないが、法律家の手を借りて同じくらいの期間で返済する提案をして合意を得るということになる。年に50万円を返済可能であれば、任意整理が成立しそうだし、それより返済能力が低ければ自己破産が認められそうというイメージになる。
自己破産というのは、事業に失敗した、病気で治療費が嵩さみ借金した、リストラなどで収入が無くなり生活の為に借金した、といった借金が返済できないと裁判所に認められれたときに免責が下りるというものである。ギャンブルというのは、遊興費であるので自己破産の対象とはならない。それでも、例外というのはどこにもあって、自己破産できるケースもある。例えばギャンブルの借金返済の為に、生活費が足りなくなり借金してしまい、その借金が雪だるま式に膨れ上がってしまったなどがある。実質的に生活費の為の借金という判断がなされて自己破産という判決に至るケースである。これでも、給料の半分をギャンブルに使っていたなど、常識とは外れた感覚と判断されれば、免責は下りないようだ。給料の1/3をギャンブルに使っていなければ、認められるケースがあるという。
自己破産の件数の推移を確認したのが下である。

■ 自己破産件数推移
  2000    139,280
  2001    160,457
  2002    214,638
  2003    242,357
  2004    211,402
  2005    184,422
  2006    165,917
  2007    148,252
  2008    129,508
  2009    126,265
  2010    120,930
  2011    100,509
  2012     82,667
  2013     72,049
  2014     65,189

減少傾向にある。消費者金融も利用者が自己破産になると、とりっぱぐれとなり経営に影響する。任意整理で元本は回収しようとするのが会社側としては助かる。しかし、それとて多く発生するようでは困ってしまう。消費者金融の取り立てが厳しいと社会問題化し、グレーゾーン金利の法律改正もあって、社会環境の変化が自己破産の発生件数を減らせる要因になっているのだろう。

カジノの勉強会であるが、パチンコや競馬を中心とした公営ギャンブルで自己破産しているのに、公営カジノでもないものだろう。カジノの利用制限を国籍に求めるのは、この国の法体系に馴染まない。それならいっそのことカジノやるならパチンコ止めるとかするなら分かる。北朝鮮がお嫌いな向きの希望にもあって結構な話に思える。まあ、無理だろうが。


借りた金は返せよ。返しそうにないやつに貸すなよ。

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