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2015年7月16日 (木)

サンディスク、フラッシュメモリー記憶装置の普及モデル

米サンディスク日本法人(東京・港)は7月17日、フラッシュメモリーを使う記憶装置「ソリッド・ステート・ドライブ」の普及モデルを発売する。パソコンに搭載するハードディスク駆動装置からの置き換えを狙う。上位モデルから一部の機能を省き、2~3割ほど価格を下げる。実売価格は記憶容量120ギガ(ギガは10億)バイト品で6500円程度、240ギガバイト品で1万1000円程度になる見込み。(日本経済新聞:7月16日)


SSDについて考える。


SSDはHDDと競合し、少し前はHDDを置き換えると言われていた。現状、HDD市場が縮小した感はあるものの、置き換わったというより、一部領域の棲み分けがなされたという分析で良かろう。モバイル用として小型ノートPCが提案されていたが、この領域に用いられていた1.89"HDDはフラッシュメモリのタブレットPCに置き換えられた。もっと小型の音楽プレーヤで使われた1"HDDはもう少し前に消滅した。置き換えなければなし得ない仕事は、置き換えられる必然性を持つ。
半導体素子であるフラッシュメモリで構成されるSSDは、消費電力や読み込み速度で優り、容量や容量単価でHDDに劣る。2.5"HDDの価格は1TB容量品で8,000円水準である。一方SSDはというと、MLC品の標準的と思われるもので、128GB品が8,000円、256GB品が16,000円となっている。今回発表された製品は流通している商品の七掛けレベルの価格と競争力は高いが、HDDと比べるとなると少し高いという印象が残る。
なぜ安くなったかについては、記事で一部の機能を省きとあるが、部品構成が複雑でない製品で省くものなどない。性能を優先して、記録領域を均一化するロジックを省くというのはあり得そうだが、寿命に関係するからやりそうにない。というより、これを省いて安くなるというものでもない。ホームページを見ても記述がないので、公式見解としては不明のままである。まず、NAND型フラッシュメモリのSLCとMLCの違いから確認する。

■ フラッシュメモリのSLCとMLCの比較
  SLC (Single Level Cell)         MLC (Multi Level Cell)
  書き込み速度が速い           書き込み速度が遅い
  書き換え可能回数 (約10万回)     書き換え可能回数 (約1万回)
  値段が高い                値段が安い

フラッシュメモリには、NAND型とNOR型がある。NAND型の方が高集積に向くので、外部記憶装置に用いられるのはもっぱらこちらになる。それでもNOR型があるのは、高信頼性で、ランダムアクセスが高速 (ただし、書き込みは遅い) であることがある。ファームウェアの格納に用いられるのいうのが代表的な使用方法である。
NAND型フラッシュメモリで、情報を蓄積するのに必要最低限の回路構成をセルという。セル一つに1bitの情報を蓄積するものをSLC、セル一つに複数bitの情報を蓄積するものをMLCという。通常、MLCは読んで字のごとく、2以上の値を保持することを意味するが、一般的にはセルあたり2bitの情報を保持することができるものをいう。また、セル一つに3bitの情報を蓄積できるものをThree Level(Layer) Cell(TLC)という。広義には2bit以上ならMLCになるが、2bitのものをMLCと表記すると理解して良さそうである。
SSDに用いられているフラッシュメモリはMLCだと思って良い。SLCの方が信頼性が高く出来るが、同じ容量なら価格も高くなる。ただでさえ容量が小さく、価格が高いという製品のマイナスイメージがある中で市場を広げようと思うなら、信頼性に拘っていては活路は見出せない。とはいっても、何でも良いと品質を下げれば、市場そのものを失うことになる。信頼性の要求が相対的に高いSSDではMLCまでにして、USBメモリやSDカードにはTLCを使って安く大容量を実現するという選択を行っているのだろう。
NANDフラッシュメモリの容量当りの価格推移を確認する、結果を下に示す。

■ NANDフラッシュメモリの容量当りの価格推移Fl
2008年まで直線的に下がったものが、リーマンショック後の停滞を経た後、再び安くなっている。1GBで0.3ドルというのが相場である。この価格にはTLCが含まれている。TLCの寿命は、 書き換え可能回数が1千回のオーダーであると予想される。この回数だと、PCの外部メモリとして使うには少し不安が残る。容量を大きくするという方法で、同一のセルが書き換えられることが生じないようにするという考え方もあるだろうが、装置価格を安くするという目的に使うのだから具合が悪い。PCの使われ方もいろいろだろうが、使い方に最適なメモリを選ぶ時代に入りそうである。高性能を低価格というのはかくも難しい。


200GBで3,000円なら、定期的に入れ替えるように求められる時代になるかもしれない。

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